大町からさらに西へと続く弁天町
町の敷地の多くは海に突き出た「函館どっく」のある埠頭で
住宅街は広くはないが、古い建物が結構残っている。
紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。
「太刀川家住宅店舗・洋館」 *函館の建築探訪NO67
所在地 弁天町15-15
建築年 明治34(1901)年
指定等 国指定重要文化財、市景観形成指定建築物
開館時 現在は「TACHIKAWA FAMILY’S HOUSE」が営業中
とても見事な建物で弁天町のランドマーク的な建物のようだ
店舗はレンガ造りに漆喰を塗り固めて土蔵風にしている。
3連アーチが印象的なファサードは和と洋が上手く混ざり合っている
外に張り出した壁は防火に一役かうものだろう。
2階は3室あり和室であるが洋の雰囲気あり。
隣の洋館は函館日日新聞社社長であり、北海道で最も多くの肩書を持った実業家と言われた
2代目太刀川善吉氏が大正4年に応接専用室として増築したもの。
2代目太刀川善吉氏が大正4年に応接専用室として増築したもの。
細かい細工が入念で、こちらも素敵な姿を見せている。
以前はカフェ営業をしていたが、現在はパーティなどのバンケット利用
レンタルスペースや洋館は宿泊もできるそうだ。
レンタルスペースや洋館は宿泊もできるそうだ。
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2022年6月撮影
「野口家住宅」 旧野口梅吉商店 *函館の建築探訪NO69
所在地 弁天町23-5
建築年 大正2(1913)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
創建当時は米穀店であった。
函館に多い上下和洋折衷住宅である
入口の両側に格子の出窓があり、きれいになっているのでここ数年で
改修をしたのだろう。
改修をしたのだろう。
2階は洋風の下見板張りに胴蛇腹、上げ下げ窓、軒蛇腹、持ち送りと優雅な姿を保っている
店舗名があるので現役商店なのだろうと思ったら学生さん達のプロジェクト「わらじ荘」として
住居として活用しているようだ。
店舗名があるので現役商店なのだろうと思ったら学生さん達のプロジェクト「わらじ荘」として
住居として活用しているようだ。
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2022年6月撮影
「小森家住宅店舗」 旧田中仙太郎商店 *函館の建築探訪NO70
所在地 弁天町23
建築年 明治34(1901)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
こちらも上下和洋折衷の住宅兼店舗で典型的な町屋である。
ただ明治30年代の建築という貴重な建物だ
2階の縦長窓は上げ下げ窓が多い中で両開き窓である
建て主の田中仙太郎氏は兵庫出身の海産商であった。
その後、小森商店が漁具資材などの商売をし、アンティークショップ小森商店へ
転換したが現在は閉業している。
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2022年6月撮影
「ミートハウス別館」 旧西浜旅館 *函館の建築探訪NO71
所在地 弁天町22-14
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
こちらも上下和洋折衷の典型的な町屋だ
やはり1階の出格子窓、上に胴蛇腹、軒蛇腹、持ち送り、縦長上げ下げ窓など網羅されている。
隣家との防火でレンガの防壁も素敵だ。
元は鉄工所やイカつけ番屋として、戦後は旅館として内部改造された。
現在は、野口商店で触れた学生さん達のプロジェクトで「みなも荘」として
再活用されている。
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2022年6月撮影
「和島家住宅」 *函館の建築探訪NO72
所在地 弁天町16-9
建築年 大正4(1915)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は「函館クラシックホテルズ 藍」が営業中
同じような上下和洋折衷建築が続く
こちらの特色は2階窓の井桁の桟割がとてもお洒落だ。
後ろに大きなマンションがあり、特に大きな建物ではないので対比も面白い
外部、内部ともきれいにされ、現在は宿泊施設として活用されている。
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2022年6月撮影
「浜岡家住宅」 旧佐々木平次郎商店 *函館の建築探訪NO73
解体済
所在地 弁天町16-8
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
「M氏家住宅」 旧杉野三次郎商店 *函館の建築探訪NO74
所在地 弁天町16
建築年 明治16(1885)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
弁天町は明治初期は商業の中心だったそうだ
明治18年ころまでに建築されたこの建物は、耐火造りの商家であった。
明治18年ころまでに建築されたこの建物は、耐火造りの商家であった。
2階の鉄扉にその面影をみる。
昔は瓦葺であった屋根もトタンに変わっている。
昔は瓦葺であった屋根もトタンに変わっている。
以前は右に隣家があったが解体され駐車スペースになっている
そこを挟んで管理されている明治40年建築の蔵がありアートスペースとして活用されている。
そこを挟んで管理されている明治40年建築の蔵がありアートスペースとして活用されている。
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2022年6月撮影
「H氏家住宅」 *函館の建築探訪NO75
所在地 弁天町14
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
古物商と住居を兼ねた純和風で建てられた建物
2階の窓手すりは木製から鉄製へと、窓枠は木製からアルミ製へと変わったが
以前の雰囲気とは変わらないらしい。
特色としては方型の屋根、2階部分の張り出し、板堀などこの地区には
珍しい造りとなっている。
珍しい造りとなっている。
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2022年6月撮影
「伴田商店所有住宅」 旧新栄医院 *函館の建築探訪NO79
所在地 弁天町6-10
建築年 大正5(1916)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
未訪問
「松本家住宅」 *函館の建築探訪NO81
所在地 弁天町6-9
建築年 大正10(1921)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
未訪問
「旧函館どっくクレーン」 *函館の建築探訪NO87
所在地 弁天町20
建築年 昭和48(1973)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
未訪問
つづく