つづきです
「函館市水道局元町配水場管理事務所」 旧汐見町配水池番人詰所 *函館の建築探訪NO17
「元町配水場」は一見、芝生のある公園だけに見えるが奥に行くと
れんが造りの管理棟がある。
こじんまりとしているが何ともいえない趣がある
入口上部にある「水」のペディメントがまたいい感じだ。
函館に水道が出来たのは明治22(1889)年で横浜に次いで2番目である
ただ日本人が設計をした上水道としては、ここが最初のものだ。
さらに奥にトイレがあるが、これが素敵な外観だった
昔のものか、景観に合わせて新しく造ったものなのか未確認なので確認しよう。
2022年6月撮影
「N氏家住宅」 *函館の建築探訪NO18
坂の上にあるとても眺めのよい住宅
函館の和洋折衷の建物は1階が和風、2階が洋風となっているものを多く見る
こちらは横に洋風の応接室が付く「相馬家」と同じような造りだ。
ほぼ創建時の姿を維持しているようだが、治すべきところは
きちんと治しているでしょう。
それにしても洋風の応接室はとても素敵で
特に幾何学風の窓は田上氏のデザインを連想するがどうだろうか?
2022年6月撮影
「真壁家所有建物、幌村家所有建物、小形家住宅」 *函館の建築探訪NO19
10:00~17:00(夏は18:00くらいまで) |
定休日 | 11~4月くらいまで |
カトリック教会前にきれいな建物が4棟並んで建っている。
これは竣工時の施主は同じで明治41年に藤野財閥が漁師の社宅として建てたとのこと。
綺麗に塗装された2棟は現在ソフトクリーム屋さんと写真屋さんとして営業をしている。
ちなみに外観は和洋折衷でも内部は和風だそうだ。
合間から奥にも建物があるのが見える
こちらは中華食堂である。
2022年6月撮影
「渡邉家住宅」 旧亀井家住宅 *函館の建築探訪NO20
旧亀井邸は現存する歴史的建物(住宅)の中でもひときわ個性がある。
旧勾配の屋根にうねりがある切妻、カーブを描いた窓に淡いピンク色の外観思わず足を止めて見る人も多いだろう。
設計は著名な建築家、関根要太郎氏で32歳ころの作品であった
建物は氏の影響でドイツ語圏で主に使われた作風とのこと。
施主の亀井喜一郎氏は呉服商、銀行支配人などを務め評論家の亀井勝一郎氏の父であった。
いずれにしろこの場所に居を構えるのだから地元の名士であることには間違いはないだろう。
ちなみに訪問時は玄関前が草ぼうぼうで見えないくらいだったのが残念。
2022年6月撮影
「I氏家住宅」 *函館の建築探訪NO21
角地に建つ見晴らしの良さそうな住宅
大きな台風の時などに屋根や壁、窓枠などを修繕しているようですが
基本的は創建時とそんなに変わっていないようだ。
元町全体としてこのような住宅を保存しようとする気概があるように思えてならない。
2022年6月撮影
「I氏家住宅」 旧寺坂家住宅 *函館の建築探訪NO22
この建物は昭和元年に純和風住宅として建築された
やがて老朽化が激しくなり平成5年に創建時のデザインそのままに
忠実に守り、材料は可能な限り解体材料を使用して再生建築された。
洋風の住宅を多く紹介する中で
丸窓や格子を多用した純和風な住宅もいいものだ。
2022年6月撮影
「旧伊藤家住宅・付属蔵」 *函館の建築探訪NO23
解体済
「大三坂」 旧村田家住宅 *函館の建築探訪NO24
営業時間{平日} 11:30~14:30{土日祝}11:30~15:00 17:00~20:30
LO30分前(いずれも売切れ次第、終了)
17:00~20:30(コース)
※夜の蕎麦会席・コースは前々日までに要予約
日曜営業
この建物も純和風住宅として建築された。
長い間住居として利用されていたが、平成3年から飲食店として再活用をされた
外観で壁の下見板張りは新しいものと交換されたがデザインは忠実に維持しているとのこと。
内部は不明だがそば店のお客になればよい
お店は元町には珍しく向かいの空き地に駐車場があるので
個人の観光客には利用勝手が良いかも知れない。
2022年6月撮影
「旧カールレイモン居宅」 *函館の建築探訪NO25
ドイツ人である、カールレイモン氏は大正9年に来日し、ハム・ソーセージ作りに情熱を傾けたとある。
その時に居宅としていたのがこちらの住宅。
1.2階とも縦長の両開き窓であった また以前はツタが建物の半分を覆うくらい茂っていた。
カールレイモン氏は昭和59年に一度ドイツに帰国したが、同年に再び函館に戻った。
その後昭和63年に函館で亡くなっている
函館を愛した外国人の一人であろう。
2022年6月撮影
「真宗大谷派函館別院(東本願寺)」 *函館の建築探訪NO26
レトロモダンな元町の中で逆の意味で異彩を放っているのが寺院では?
この別院は敷地もそうだが門も建物も大きい
散策の中ではよく屋根が目に入る
とりあえず屋根だけ撮影して内部は後日と思っていたら
1日土砂降りの日があり、見損ねた物件の一つだった。
函館には他の町にも歴史的な寺院が多いので宿題としておこう。
2022年6月撮影
「日本基督教団函館教会」 旧日本メソジスト函館教会 *函館の建築探訪NO27
こちらの教会も大正10年の大火で焼失した。
新しい教会を設計したのは、札幌の北大理学部、旧北海道立文書館別館、杉野目邸などを設計した萩原惇正氏である。
教会らしくヨーロッパ中世のゴシック様式を意識したデザインは萩原氏の得意分野であった。
元町の中では平地に建てられた教会で、やはり塔部分が目立つが尖塔アーチも見事だ。
2022年6月撮影
「函館元町港ヶ丘教会」 旧日本基督教会函館相生教会 *函館の建築探訪NO46
水~日、祝日、祝前日: 11:30~16:30 (料理L.O. 16:00 ドリンクL.O. 16:00)
[定休日]月曜日、火曜日(定休日が祝日の場合、代わりに代休の場合あり)
この教会も明治40年、大正10年の大火で2度にわたり焼失している
当時の大火がどれだけだったかは現代では推測のしようがない。
壁は下見板張りだがきれいに塗装されていた
他の有名な教会と比べると小ぶりであるが、素敵な建物だ。
2022年6月撮影
「T氏家住宅」 旧吉田家住宅 *函館の建築探訪NO48
函館市の代表的な和洋折衷住宅で1階が和風、2階が洋風である。
3年間の空き家を経て昭和62年に改修した。
出窓の持ち送りや1階の格子など創建当初の趣をよく表しているとのこと。
改修ならこの建物のように周りとの調和を鑑み創建時を参考にしてもらいたいものだ。
ここからは2021年に発行された「北海道建築物大図鑑」に新たに収録された
建物を載せていきます。
※現役住宅はイニシャルにし地図は載せません
「H氏家住宅」 旧小島家住宅 *北海道建築物大図鑑
坂の角地にあるため眺めがよい場所にあり、幾層にもなる寄棟屋根が美しい。
外壁はモルタル塗りで、この時期くらいから不燃のモルタル塗りが用いられるようになる。
やはり大火が多い函館では常に防火対策を考えていたようだ。
ファサードは玄関扉や丸窓などのデザインが個性的。
ちなみに建築家、田上義也氏の作品(旧佐田家)がすぐ近くにあるが
田上氏の建築年表に、同時期の作品で「函館 小島家」とある
もしかして田上氏の作品なのか。
2022年6月撮影
「茶房 菊泉」 旧花井家住宅 *北海道建築物大図鑑
【定休日】木曜日(祝日の場合は営業)
この建物は銘酒「菊泉」を販売していた「花井商店」の別邸である。
大きな切妻屋根の妻側正面に玄関を設け外側には格子や下見板張りが使用されている。
内部は囲炉裏があったりの純和風で、現在の喫茶の客になるならば
靴を脱いで歴史的建物の和室を堪能できるかも。
「茶房 無垢里」 旧下国家住宅 *北海道建築物大図鑑
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 水・木曜日、冬期休業(12月26日~翌年3月末日まで) |
下国家は松前藩家老の家柄で、明治中期にはこのあたりに広大な土地を所有し、邸宅は「下国御殿」と呼ばれたそうな。
情緒ある純和風の空間として一度は見てみたいものだ。
2022年6月撮影
「天然酵母パン tombolo」 旧苧家店舗兼住宅 *北海道建築物大図鑑
定休日: 月・火(祝日は営業)
函館に多い1階が和風住宅、2階が洋風住宅の外観。
函館独特の和洋折衷住宅の特徴を持つ。
現店主の父が陶芸のギャラリーを、店主が平成22年からパンのトンボロをオープンさせている
函館には数少ないハード系パンの専門店として人気がある。
「M氏家住宅」 *北海道建築物大図鑑
とてもすっきり見える住宅で、どこか懐かしさも思わせる。
この建物も大正10年の大火後に建てたものだろう。
「K氏家住宅」 *北海道建築物大図鑑
和風部分は下見板張りに小壁は漆喰を使用
洋風部分はスクラッチタイルと縦長窓でモダンさを出している。
いずれにしても見ごたえのある立派な住宅だ。