大町は末広町から西へ続く街で、弁天町と弥生町に囲まれ北は海だ。
この地区も古い建物が残り、小規模な店舗や住宅が並ぶ。
紹介の順番は北海道新聞社発行の「函館の建築探訪」1997年発行のNO順で行きます。
もはや20年以上前の本なので現存していない建物もあり。
「生田ステンドグラス函館」 旧植木家住宅 *函館の建築探訪NO52
所在地 大町1-33
建築年 明治42(1909)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 9:00 - 17:45 年中無休(但し、予約がなければ土・日・祝は休日)
函館の特徴的な、上下和洋折衷住宅。
長年住宅として使用されていたが、平成5(1993)年より「ステンドグラス工房」となる。
「基坂」に面しており坂の上から見える小窓の窓桟はひし形で、他は縦長窓になっている。
1階はささら子下見板張りが歴史を感じる。
1階はささら子下見板張りが歴史を感じる。
2022年6月撮影
「相馬株式会社」 旧相馬合名会社 *函館の建築探訪NO60
所在地 大町9-1
建築年 大正3(1914)年
指定等 歴風文化賞、伝統的建造物
開館時 なし
創業の相馬氏は函館でも有名な豪商であり、この建物は洋風建築として
やはり函館を代表するものだ。
やはり函館を代表するものだ。
ほぼ創建当時の姿を残しており、モスグリーンも戦時中は茶色に変えたが
この色を守っているらしい。
この色を守っているらしい。
ペディメントやドーマ窓、軒下、胴蛇腹の飾りパネル、持ち送り、うだつなどを見ることが出来る。
海のすぐそばに建ち、訪れた人が思わず撮影をしたくなるような
素晴らしい建物だと思う。
素晴らしい建物だと思う。
2022年6月撮影
「O氏家住宅」 *函館の建築探訪NO61
所在地 大町1
建築年 大正7(1918)年
指定等 歴風文化賞
開館時 なし
函館市で現存している歴史的建物では上下の和洋折衷建築が多いが
この住宅は蔵を持つ純和風建築である。
この住宅は蔵を持つ純和風建築である。
奥行きのある大きな住宅で部屋数は、かつて12にのぼるという
建築材も贅沢に使われているようだ。
建築材も贅沢に使われているようだ。
奥に洋館があるので後に改修して洋風にしたのでは?と推察する。
2022年6月撮影
「K氏家住宅」 旧小林写真館 *函館の建築探訪NO62
所在地 大町2
建築年 明治40(1907)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
「函館の建築探訪」によると本の発行時点で、現存する写真館として北海道最古の洋風建築とある。
昔は大看板とバルコニーがあったそうだが、それがあると大分見方が変わる。
後、右側の1階出窓の手前にも部屋があった。
内部も写真館だけに当時のハイカラな雰囲気があるそうだ。
2022年6月撮影
「中華会館」 *函館の建築探訪NO64
所在地 大町1-12
建築年 明治43(1910)年
指定等 国登録有形文化財
開館時 なし
設計監督者や彫刻師をはじめ全工人はもとより、木材もすべて中国から
集めたもの。
集めたもの。
時代は清朝末期であり、細部にわたる装飾性豊かなデザインは時代を現わせている。
内部には三国志の英雄「関羽」を祀っているそうだ。
内部には三国志の英雄「関羽」を祀っているそうだ。
内部に入ることは出来ないが外壁だけでも、廻りに異彩を放つ中華建築を見ることが出来る。
横浜や神戸の中華会館が戦争中に失われ再建したものなので
全国的に貴重である。
2022年6月撮影
「コーヒーハウスJOE」 旧遠藤吉平商店 *函館の建築探訪NO65
所在地 大町9-14
建築年 明治18(1885)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 なし
この店名の「JOE」は「新島襄」からとったものであり、新島襄海外渡航の記念碑が店前の岸壁に建てられている。
建物は漆喰塗りのレンガ造り。
内部はカフェとして改造されたが、3連アーチや2階のアーチ窓は創建当時のままである。
内部はカフェとして改造されたが、3連アーチや2階のアーチ窓は創建当時のままである。
店は閉店して久しいが、傷みが目立つので再活用の予定はないものか。
2022年6月撮影
「民宿室屋」 旧森宇兵衛商店 *函館の建築探訪NO66
所在地 大町9-17
建築年 明治42(1909)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 現在は函館元町ホテル 別邸「開港庵」
海の街である函館には海産商が多かった
この建物も海産商の店舗として建てられた。
この建物も海産商の店舗として建てられた。
木造2階建てで部屋が16もあるそうだ
奥を見るとさらに大きな棟がある
これは当時の繁栄を物語るもの。
奥を見るとさらに大きな棟がある
これは当時の繁栄を物語るもの。
現在は、その大きさを生かしてか宿泊施設として活用している。
2022年6月撮影
「旧函館西警察署庁舎」 旧函館水上警察署庁舎 *函館の建築探訪NO68
所在地 大町13-1
建築年 大正15(1926)年
指定等 市景観形成指定建築物
開館時 9:00~17:00
休館日 土日祝、12月29日~1月3日
入館料 無料
休館日 土日祝、12月29日~1月3日
入館料 無料
この建物は平成18(2006)年に解体され、翌年に復元されたものなので
厳密には古い建物とは言えない。
厳密には古い建物とは言えない。
角を曲面でしあげ4本の太い柱が警察署の威厳の醸し出していた。
解体はしたが、忠実に復原したとある。
それからは、「函館市臨海研究所」として水産・海洋関連事業の技術の高度化や水産振興に貢献する研究施設として再整備された。
それからは、「函館市臨海研究所」として水産・海洋関連事業の技術の高度化や水産振興に貢献する研究施設として再整備された。
2022年6月撮影
「M氏家住宅」 *函館の建築探訪NO80
所在地 大町5
建築年 明治43(1910)年
指定等 歴風文化賞、市景観形成指定建築物
開館時 なし
京風の町家の風情を持つ純和風の住宅で、よく目立つ建物だ。
補修の際も創建時を残すようにしたらしい。
内部の造りも見事なようで襖や欄間などがよいそうだ
撮影時は風と雨で満足な写真にならなかった。
撮影時は風と雨で満足な写真にならなかった。
ここからは2021年に発行された「北海道建築物大図鑑」に新たに収録された
建物を載せていきます。
※現役住宅はイニシャルにし地図は載せません
建物を載せていきます。
※現役住宅はイニシャルにし地図は載せません
また、何らかの指定、賞があるものと
他のブログ等で紹介されたもの、探索中にいいなと思った建物です。
「レトロな建物を訪ねて」様
「関根要太郎研究室@はこだて」様 からも引用させていただいています。
「函館元町ホテル 屯所の庵」「旧喫茶蔵」 旧旧桂久蔵邸土蔵 *北海道建築物大図鑑
所在地 大町4-6
建築年 明治42(1909)年
指定等 なし
開館時 なし
かつてのこの場所は、明治12年まで称名寺の境内で、箱館戦争時は土方歳三が市中取り締まりの任に就き、
新選組屯所となった場所である。
新選組屯所となった場所である。
その後、青森から渡ってきた桂氏の所有になり千島・樺太など幅広く漁業を営み「桂御殿」と呼ばれる豪邸を建てた
土蔵はその一部と言われる。
改装はされたそうだが、喫茶で利用をしたら100年の歴史を持つ小屋組みが見られるようだ。
土蔵はその一部と言われる。
改装はされたそうだが、喫茶で利用をしたら100年の歴史を持つ小屋組みが見られるようだ。
2022年6月撮影
「旧大洋漁業事務所」
所在地 大町8
建築年 大正2(1923)年ころ
指定等 なし
開館時 なし
外壁のライトブルーが美しい、上げ下げ窓や胴蛇腹など函館の典型的な洋風建築。
1階は和風の建物をたくさん見てきたが、横に並ぶ連続窓や玄関は洋風で、元々事務所だったことを想像させる。
1階は和風の建物をたくさん見てきたが、横に並ぶ連続窓や玄関は洋風で、元々事務所だったことを想像させる。
2階の下見板貼りはライトブルーを一層美しく見せる
白地の窓枠が映えて、この配色はとても素敵だ。
白地の窓枠が映えて、この配色はとても素敵だ。
2022年6月撮影
「橋谷家住宅・旧店舗」
所在地 大町6-12
建築年 大正10(1921)年
指定等 なし
開館時 なし
この個人宅は人の気配がなく洋館の玄関廻りのシートは崩壊や落下物の防止に見える。
それにしても大きなお宅だ
市電に面して石貼りの洋館と石蔵、角を曲がると木造の洋風住宅があった。
洋館はシートがされる前に正面を見たかった
門があり、きっと素敵だったのだろう。
蔵は横面から見ると大きさの違う窓があり鉄扉がついている。
木造の建物は和洋折衷で格子と縦長の上げ下げ窓が函館らしい
さらに並んでもう一つ蔵があり、こちらの窓は上下になっているので
先の蔵と意匠違いにしたものか?
2022年6月撮影
「モストリー」
所在地 大町9-15
建築年 明治43(1910)年
指定等 なし
開館時
コーヒーハウス・ジョーの隣にあるレストラン。
ここは船具店として建てられたようだ
外壁はモスグリーン、枠や窓枠も白地に塗られていい感じだ。
函館では1階が和風、2階が洋風の和洋折衷建物を多く見るが、1階部分も洋風下見板貼りというのは比較的珍しいとのこと。
「モストリー」は内部もレトロな装飾のようで、落ち着いた雰囲気で食事も評価され特に女性に人気のレストランだそうだ。
2022年6月撮影
「港の庵」 旧旧松橋商店
所在地 大町8-26
建築年 明治35(1902)年
指定等 市都市景観賞
開館時 なし
明治35年築のこの建物は、当時米穀店と海産商を営んでいた松橋像作氏によって建てられた。
建物は道路側から煉瓦造、木造、土蔵という3種類の建物がつながっているという、珍しい構造になっている。
その後、明治時代の意匠に復元したが、その工事の際に出現したのが玄関戸の上部壁にある明治時代からの装飾とのこと。
現在は一般公開しておらず、イベントの際に中がみれるかもしれない。
2022年6月撮影
「蔵のある和洋風住宅」
所在地 大町1
建築年 不明
指定等 なし
開館時 なし
こちらのお宅は和風住宅が2棟、洋風1棟、蔵風の建物1棟と大きな住宅だ。
表通りに面している和風住宅は木造部分と格子は以前からのようで、屋根は改修しているようだ。
隣の蔵風の建物もきれいに改修されている ここは住宅に使用しているかも知れない
奥に繋がる和風住宅は窓桟が大正風でモダンだ。
2022年6月撮影
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