札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

小樽の建築探訪 115-にしん漁場建築 ~ 123-S氏宅

2021-04-25 11:53:52 | 小樽市

「小樽の建築探訪」も中心部から始まり、市内東部も終わり残すは西部地区のこの2回だけとなりました
港や漁港に近い西部地区特有の古い建物が続きます。

 

「にしん漁場建築」 旧田中家住宅   
       
 
所在地 祝津3丁目228
建築年 明治30(1897)年
指定等 北海道指定有形文化財
開館時 9:00~17:00
休館日 11/24~4/2(令和3年度)他は無休
入館料 大人300円
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
地元では「にしん御殿」といえばこの建物を思い浮かべるが正式名称を知っている人は少ない
元々は泊村にあった田中氏の漁家を昭和33年に現地に移築したもの。

木材は道産木のほか東北からヒノキを取り寄せている
太い木材をそのまま使用しているので重厚であり広間は広く感じる。
内部は向かって右手が親方の、左手がヤン衆の住居である

現在は有料で観覧でき写真撮影も出来る
入口には売店もありオリジナルグッズも販売している
付近は国定公園内にあり、海岸美や旧水族館跡、昭和28年に改築された日和山灯台がある。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
 
「旧青山別邸」    
       
 
所在地 祝津3丁目63
建築年 大正12(1923)年
指定等 国登録有形文化財
開館時 9:00~17:00
休館日 1/1~1/7
入館料 大人1,100円
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
祝津の漁場は明治2年に民間に土地と漁場が与えられた
これを契機に三大網元が出現し前記した「白鳥家」と「青山家」「茨木家」である。
ニシン漁は明治33年をピークに昭和5年に皆無となる。
 
青山家もニシン漁の栄枯衰退とともに歴史を刻んだ
大正に造られた別邸は最後のニシン御殿と呼ぶにふさわしい豪華絢爛な邸宅である
材料、造作、建具など贅をつくしている。
 
現在は「小樽貴賓館」の敷地内にあり別邸だけの見学も出来るしレストランも併設しているので
食事と別邸、庭の見学が出来るようになっている
花のシーズンには見事であろう。

ただ、内部の撮影は禁止であり1,100円の入館料から考えると今回は入らなかった。
 
尚、本宅の主屋や石蔵などは北海道開拓の村に移築されており村内でも指折りの広い敷地である。

 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
 
「恵美須神社本殿」    
       
 
所在地 祝津3丁目161
建築年 文久3(1863)年
指定等 小樽市歴史的建造物
開館時 無し
休館日 無し
入館料 無し
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
恵美須神社は小樽市の江戸時代の遺構、三構の一つである
神社の創立は安政3年(1856年)でニシン漁が盛んであったころと言われる。

神社へは茨木家中出張番屋の水族館側に鳥居と歴史的建造物の標示があり道なりに登っていく
そんなに距離は無いが結構な勾配を上がっていき振り返ると海が見える
やがて第二鳥居と拝殿が現れるが拝殿は昭和3年から5年の間で建てられたもの。

拝殿の奥が本殿であるが、この時は雑草が鬱蒼としており近づくのは断念した
境内には市指定保存樹木であるイチイとクワがある。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「茨木宅」 旧茨木興八郎番屋    
       
 
所在地 祝津3丁目161
建築年 
指定等 
開館時 一般公開はしていません
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
茨木家は祝津の三大網元のひとつ
本宅の状態は良いが人が住んでいる気配は感じなかった
表札は出ているが各ガイドにも名が出ているので今回は個人宅だが記した。
 
海岸沿いにある漁家として最も広い敷地を持ち、本宅と離れ、石蔵(2棟)からなる
玄関が二つあり主玄関の横に洋室を配している。
特に離れは2階建ての豪華な造りが道路からも垣間見える。

すぐ近くに茨木家中出張番屋がありそちらは時期に応じ内部を公開しているそうだ。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 

 

「下村宅」 旧日本郵船(株)支社長宅    
       
 
所在地 末広町
建築年 明治末期
指定等 小樽市歴史的建造物
館時 一般公開はしていません
 
 
 
 
 
 
 
 
旧支社長宅はどうも人が住んでいる気配がなかったので本の通り記載するが住所は非公開にした。
この建物はすでに無いものだと思っていたが偶然、見ることができた。
 
和風の玄関と白い下見板張りの洋室とのコントラスト
石垣の上に高く見下ろす場所に建てたのはやはりお偉いさんの住宅だからでしょう。
 
 
 
さてこの近辺は下記図にあるように旧日本郵船の社宅であった。
コンクリの高さのある鍵付き建築物は共同浴場の位置にあったと思う

図にあるように山側に登る旧通用門の小道があり
上がったところから原形に近いC宅と独身寮を見る
独身寮は朽ち果てていたが屋根にはソーラーパネルが乗っていた。
 
この車1台がやっとの小路一帯は、まだ私道、私有地かも知れないので
見学には注意を。
 
「小樽の歴史的建造物」様より
 
 
 
 
 
 
2021年4月撮影
 
 
 
 
 
「和田宅」 旧渡辺石蔵宅    
       
 
所在地 忍路1丁目
建築年 大正期
指定等 
館時 一般公開はしていません
 
 
 
 
 
 
この建物も住んでいる気配が無かったように感じたが状態はよく、管理をきちっとされているようだ。
片側の壁は補修がされているが、もう片側はそのまま板張りのようなので
風か雪の吹く方向の影響かも知れない。
この前の路を下っていくと忍路港である。
 
忍路の漁場建築は網元の住宅と漁師番屋を別々に建てたのが特色
この建物は有数の網元である渡辺家の住宅であった。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 
「津古丹稲荷神社本殿」     
       
 
所在地 忍路1丁目
建築年 嘉永2(1849)年
指定等 小樽市歴史的建造物
館時 無し
休館日 無し
入館料 無し
 
 
 
 
 
 
 
 
本殿の創建は嘉永2年(1849)と伝えられ現存する江戸期建築3棟中の1棟である。
建築年は昭和13年に現地に解体移築した際に嘉永2年との銘が発見されたことによる。
 
何度か塗りなおしたかも知れないが朱色が鮮やかで、はたして創建当初から
この色であったかは定かではない。
稲荷神社らしく狛犬がキツネになっており本殿の彫り物も見事である
 
この神社は忍路神社の境内にあり忍路神社の本殿も一緒に載せておきます。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「北海道大学共同利用施設忍路臨海実験所」     
       
 
所在地 忍路1丁目460
建築年 大正13(1924)年
指定等 
館時 一般公開はしていません
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
忍路港は天然の湾になっており強風の日でも波浪が発生しないことから
臨海実験に適している。
 
実験場は湾の最奥にあり途中で関係者以外立ち入り禁止の札がある
写真はすべて敷地外からズームで撮影した。
 
それにしても映える建物がこんな場所にあるとは驚きだ
よく管理されているようでとてもきれいである。
季節は10月、紅葉も相まって映画のロケにでも使いたいようなシチュエーションだね。
 
ちなみに子供の頃に湾から出て小樽側に戻るところでよく海水浴をした
その昔でもアワビやウニを採っていると思われ漁船が監視に来たのを思い出した。
また忍路には北海道でも人気1.2のパン屋さんがある。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
 
 
 
 
「S氏宅」 旧阿部三郎宅     
       
 
所在地 
建築年 大正15(1926)年
指定等 
館時 一般公開はしていません
 
 
 
 
 
 
こちらは現在も住居とされているので町名も伏した。
大正時代のモダンな建物でこうして見ると廻りのどの新しい住宅よりも素敵だ。
何でも大正11年にあった住宅博覧会に影響を受けたモダン住宅である
新築時の図面を基に改修を行ったとのことで初代施主もきっと喜んでいることだろう。
 
 
2020年10月撮影
 
 
 
今回で「小樽の建築探訪」は終了です。
小樽には本に記載されている他に魅力的なレトロ建物が多いので
改めて紹介します。
 


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