LOVE - GOLDEN APPLE

投資とフィギュアスケート、映画とドラマに政治、その他諸々。
自分の興味ある事を勝手に綴っているブログです。

ショック‼️断捨離でAmazonに引き取ってもらった本が、Amazonで40,000円以上で出品されていた‼️

2020-05-03 14:45:00 | 読書







2050年は江戸時代」という小説、好きだったんですけど、本の断捨離をしていた頃、なんとなく手放してしまいました。後で後悔。Amazon に売らなきゃ良かった、と。そこで、この本、まだ売っているかなとふと思い、Amazonを調べてみたら、オドロキもものきさんしょのき❗️

当然もう新刊は販売はしていませんが、中古品として出品されていました。問題はその値段。
なんと、最高の値段で、

41,263円

で、出品されていたのです。最低でも

19,713円。

ナニコレ❓この本って希少本なんでしょうか。

気に入っていた本なのに、断捨離がブームになっていた頃、勢いで処分してしまいました。
後の公開先に立たず、です。

それにしても、なぜこんなに高いのでしょうか。本、というよりもそちらの方に興味があります。

この本のお話は、簡単に言えば資本主義が崩壊し2050年の日本は江戸時代のような社会になるというお話。そして、単純な私は、本当にそうなるのか2050年まで生きてみよう、と考えたのでした
そういうお話なんですが、中古本がなぜこんな値段なのか❓信じられません。

ホント、後悔です、売らなきゃ良かった、という。
でも、この値段でこの本を購入する人っているのでしょうか❓因みに文庫だと中古で300円くらい❓

ホリエモンだったか、本は売らないほうがいいとか言っていたと思いますが、こういうこともあるから❓でしょうか。

という事で、これからは本を処分するのはやめよう。

それにしても、また読み返してみたかったな、、特にこういう時代には。




シュードッグShoeDog — Netflix が映画化権を獲得。一体どういう映画に❓

2018-09-23 20:36:32 | 読書
SHOE DOG(シュードッグ)
フィル・ナイト
東洋経済新報社


今、日本でヒットしているこの本。タイトルだけ読んでも、一体なんのことかと思いますが、あのナイキの話を書いた本。ShoeDog とは靴バカと言って良い言葉。要するに、靴の事しか考えていない人達の事です。ナイキ創業者の方達も靴バカだったという事で、ナイキが如何に世界的な企業になったのかという事が書かれています。

それも創業から上場するまでの間の事で、ナイキが成長できた影には日本企業の働きがあった事が書かれてあり、それが日本でヒットした一つの理由かもしれません。この事は日本でもあまり知られていないのではないでしょうか❓私は初めて知りました。

また、主人公のフィル・ナイトの行動やほかの創業者の皆さんの行動が会社を経営するにはあまりにもお笑いすぎるし、また、次から次へといろんな災難が降りかかるので、次はどうなるのだろうと思いつつドンドンと読み進んでしまいました。



世の中に自分の足跡を残したい、日本のスポーツシューズは性能が良いので、アメリカでも売れるのではないかと思いたち、なんのツテもないのにアジア旅行に出発。そして神戸にあるオニツカまで交渉に出かけます。時は1962年。戦後まだ17年。
そんなどこの馬の骨ともわからないアメリカ人にオニツカ側も良く面接した、と不思議に思いますが、当時オニツカもアメリカにシューズを販売したいと思っていたようなのです。
そしてその面接の時に「どこの会社❓」と聞かれたフィル。当時はまだ会社なんてないのにどう答えるのかと思ったら、自分の部屋にあったブルーリボンを思い出し「ブルーリボンです。」と答えてしまうんですね。

これって詐欺じゃないの❓

と思ってしまう。
そんなハッタリをかましつつ、その後の会社の発展に邁進していく訳です。あるのは最初の信念のみって、よくよく考えれば怖い事。
でも創業に関わった4人の男どもはみんなフィルと同じような考えだったようです。


右端がフィル。

オニツカ社長はこの信念をフィルの中に見ていたのではないでしょうか。オニツカ社長も創業当初はシューズを売り歩いていたようで、フィルもポートランド近辺でツテを使って売り歩いていました。



最初は自宅の地下室で始まったフィルの会社。それが今では売り上げ世界一❗️
その間に何度も倒産の危機に見舞われましたが、日商岩井のお陰で復活。

なんてたって当時一億9千万円ものナイキの借金を肩代わりしちゃうんだから。今では双日(日商岩井)の中でも伝説となっているこの話。ナイキのキーマンになった皇さんや伊藤さんはナイキに物凄い将来性を感じていたのでしょう。それもフィルの信念がなせる技だったのかもしれません。

このあたりの事は、NHK BSで4月に放送された「ナイキを育てた男たち」でより詳しく描かれてます。

この番組とこの本を読むとナイキと日商岩井の関係をより理解できると思います。

フィルは創業当初の事それに皇さんや伊藤さんの存在を知ってほしくてこの本を書いたようです。





そんな日本人が登場するお話なんですが、どういう映画になるのでしょうか。日本人の俳優さんも出演するのかしら❓ケンワタナベ❓NHK の番組ではナレーションをしていた小栗旬❓
そういう事を考えると楽しみでもあります。

それにしても、ナイキってこんなに若い会社だったんだという事と最初からシューズを作って販売していたわけではない、という事が一番の驚き❗️でした。

とにかく笑って読めて元気が貰える内容です。

ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏。綾瀬はるかさん主演のテレビドラマに再放送依頼が殺到しているようです。

2017-10-06 11:34:12 | 読書
ノーベル物理賞、化学賞の発表に日本人の名前はなく、一部落胆の気持ちが強かった今年のノーベル賞。
と思ったら、文学賞で意外な名前が発表されました。

カズオ・イシグロさんのお名前が文学賞で発表されました。



お名前は日本人なんですが、英国育ちでほぼイギリス人だと思います。5歳で渡英ということですから、ほぼイギリス人ですね。その方が受賞されたということ。
でも同じ日本人の血を引く、ということから、日本では号外も出たようです。

私は個人的には、何年も期待されている村上春樹さんは、絶対にノーベル賞は取れない、と思っていたから、今回も選ばれなかったのは当然と思っちゃっていますが、イシグロさんのお名前は超意外、という感想です。
何しろ予想にも載っていず、誰もこの方の受賞を想像された方はいらっしゃらないのでは?

そんなことで、今後、イシグロさんの小説が日本でも注目されていくでしょう。また、こんな作家がいたのだ、と再認識されていくのかもしれません。早川書房さん、良かったね、という感想です。

わたしを離さないで
カズオ イシグロ
早川書房



そんな中、綾瀬はるかさんの名前が新聞にも載っていたので、なんだろうと思ったら、昨年、綾瀬はるかさん主演で、「私を離さないで」がテレビドラマ化されていたんですね。全然、知りませんでした。それも最低視聴率❗️内容が臓器移植の話で、原作自体が暗くて重たいような印象もあるので、そういう内容のドラマが金曜夜に放送、というのは万人に受けいられなかったのかもしれません。

でも、今回の受賞で改めてこの小説やテレビドラマに興味を持った方が多いようです

私もこのドラマ見てみたい、と思ったら、u-nextで配信しているようです。小説の内容は暗くて重たいですが、読後は生きるということに対して考えるようになる内容なので、じっくりとドラマを味わいたいですね。

このドラマ、金曜日の放送でなかったら良かったかもしれません。
低視聴率ドラマでも思わぬことで再認識されるとは。。TBSさんも、作っておいてよかったという感想かもしれませんね。

ところで、今回のノーベル賞、私としてはMargaret Atwoodに取ってもらいたかった!カナダ人の有名な作家です。私がカナダ文学に接した最初の人なので、印象深く覚えています。(赤毛のアンは別にして、です。)

侍女の物語
斎藤 英治
新潮社


The Edible Woman
クリエーター情報なし
メーカー情報なし


サバイバル―現代カナダ文学入門
Margaret Atwood,加藤 裕佳子
御茶の水書房



イシグロさん、彼女とかよりも先にノーベル賞取ってしまったので、気まずいとか感想言っていたようですよ。

今、なぜ、田中角栄? 

2016-06-20 00:13:21 | 読書
書店に行くと、田中角栄本が多く並んでいるのに気づきます。

最近は何回目かの角栄ブームだということです。

田中角栄に関しては、ロッキード事件などお金にまつわることも多く、金権政治などとも言われているため嫌いという人も多いようです。角栄さんが今の時代に生きていたら、即刻クビ、のようなことになっていたかもしれません。
でも、昨今は上っ面ばかりで真に国家、国民のことを考えるような政治家は全くいないように思え、角栄さんのような政治家って、もう出てこないだろうなとは常々思っていました。
ですから、今のような角栄ブームをいいじゃない、という感じです。

昨年は、

田中角栄 100の言葉 ~日本人に贈る人生と仕事の心得

田中角栄 100の言葉 ~日本人に贈る人生と仕事の心得
クリエーター情報なし
宝島社

という単行本が発売され、若い人を中心にかなり売れたようです。

また今年は

天才

天才
石原 慎太郎
幻冬舎


という、石原慎太郎さんが角栄さんになりきって書いている本がまた売れているようです。

角栄本を全部読んでいるわけではありませんが、私の印象に残っている角栄本は、少し古いですが2002年発売の津本陽さんの

異形の将軍  田中角栄の生涯

です。

異形の将軍―田中角栄の生涯〈上〉 (幻冬舎文庫)
津本 陽
幻冬舎



異形の将軍―田中角栄の生涯〈下〉 (幻冬舎文庫)
津本 陽
幻冬舎


いわゆる伝記ものですが、非常にわかりやすく書かれてあります。ドキュメントですね。        v

角栄さんの生涯の中で特に印象に残っていることが二つあります。それは

  角栄さんは字がうまかった
  
  土方のおじさんの言葉が日本列島改造論に影響を与えた

ということです。

まず、小学校しか卒業していないのに履歴書の字がとても綺麗だったという理由で、柏崎の県の土木派遣所に採用されます。そこから発展の糸口を掴み、東京に行くことが可能になるわけです。
そして15歳の時に一緒に働いていた土方のおじさんが

  「土方はいちばんでかい芸術家だ。土方は地球の彫刻家だ。

というのです。おじさんのこの言葉が15歳の少年の心に響くんですね。

また最初の就職先が土木に関係するところだったというのがミソ。この時からもうすでに将来は決まっている、としか言いようのない人生の転機。戦争でも怪我して帰ってきちゃうし。もう、なるべくしてああいう総理になったというしか言いようのない角栄さんの人生です。字が綺麗だった、土方のおじさんと知り合ったという、普通に考えたら大したことにも思えないことが、人生の転機につなっがていくとという。。
なんか不思議ですね。.,

お金に関しては、現在とは比較にならないほど大きなお金を動かしていたようですが、それも当時としては必要悪だったのでしょう。そうしなければたちまち権力の座から引きづりおろされてしまうような、政治の世界。
そういうダークな面も随分と目だってしまう角栄さんの人生ですが、それなのになぜ、何回も角栄ブームが起きてしまうのでしょう。

それは角栄さんの日本の国、国民に対する情熱というものが、人々の心に響くのかもしれません。

最近の形ばかりの代議士先生たちにはない魅力です。
お金のことは別にして、情熱とパワーに溢れた角栄さんのような政治家の登壇を、庶民は期待しているのかもしれません。

今、日本に必要なのは田中角栄だとはiRONNAでの言葉。
本当にそうかもしれませんね。日本という国を愛し、情熱を実行力を持った政治家、田中角栄。

角栄さんのこと、知ってみませんか。
  

まんがでわかる新渡戸稲造「武士道」

2016-01-10 16:45:54 | 読書


まんがでわかる 新渡戸稲造「武士道」 (Business ComicSeries)
岬龍一郎
あさ出版



初版2015/11/28

これは最近購入した本。
最近コミックで昔の良書を説明する、という事が流行っているようですが、これはどうなんだろうと思い、購入。
値段が1200円と高めですが、すぐに読めてしまいます。
ので、「武士道」に書かれている事を本当に理解できるかというと、まあ、理解は出来るとは思いますが、覚えていられないかもしれません。さらっと読めるだけ、普通のコミックと同じでそれだけのような気がしてしまう。

実際に活字を読んでこそ頭に入り身になるのではと思いましたが、若者には受けるかもしれませんね。

「武士道」は新渡戸稲造先生が外国人を対象に、日本人の精神性を理解してもらうために書かれたものです。ですから、もともとは英語で書かれていたという事です。その後、たちまち世界でベストセラー。
その頃は日本という国がまだまだ野蛮の国と思われていましたから、「武士道」に書かれてあるような精神性に富んだ民族である、という事に外国の方は興味を持たれたのかもしれません。

ただ一つ、私が残念に思っているのは、新渡戸先生、キリスト教徒なんですね。神道の国から見れば、キリスト教の信者というのは異教徒なんですね。そういうバックグランドのある方によって書かれた「武士道」がベストセラーというのには若干違和感を覚えますが、ここに書かれある内容を読む限り、新渡戸先生も日本人なんだなと思います。
が、今回の本とはあまり関係ありませんが、武士道+キリスト教が最強、とクリスチャンの方々は思っているという事です。

「武士道」読むのはどうも苦手、と思われる方はこういうコミック版をとっかかりにすると良いのかもしれません。


チェルノブイリの森-事故後20年の自然誌

2015-12-11 10:55:34 | 読書



チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌
メアリー マイシオ
日本放送出版協会


初版 2007/02/25

ここ数日はブログから遠ざかっていました。
が、また復活です。

今回は本の書評です。

チェルノブイリの事を描いた本。この本は事故後20年を経て書かれています。事故が起きたのが1986年4月26日。当時、まだソビエト時代だったので、チェルノブイリの事故があってもソ連からは何も報告なし。スウェーデンの原子力発電所で高線量の放射性核物質を探知。このため、事故があったらしいと推測。28日になってようやくソ連政府が認め、世界中が大騒ぎになったチェルノブイリ事故。

この本は、ウクライナ系アメリカ人である著者が実際にゾーンと呼ばれる隔離地域に何回も訪れ、そのときの様子を記した内容となっています。
ので、ゾーンに入るときの様子などとても臨場感があります。

事故が起きた当時は、この地域は荒れ果てた荒涼とした地になるだろうと予想されていたのですが、20年が経ち、なんと木々が生い茂り、野生動物の宝庫となっていたという皮肉な事実。いわゆる絶滅危惧種の野鳥とか動物が、事故後この地でたくましく繁殖している事実に驚かされます。

でもそこには、高濃度の放射線が探知できるのです。ですからガイガーカウンターは手放せません。
また動物だけではなく、人々も大勢住んでいるという事実は、以前のテレビ番組でも報道されていたので、知っていました。
が、そこに住む人の健康被害はどうなのか、と言う点では甲状腺以外、はっきりとした事は言えない、という事に興味を持ちました。
長い間を経てみないとわからないとは思います。

放射線による汚染は残っても豊かな自然が繁殖しているという悲しい事実。

その後さらに10年を経て今現在はどうなっているんでしょうか。

現在は自己責任という但し書きがついた、例の石棺近くまで行けるツアーがあるとか!!
この石棺も新しくしないとだめなようで、今後この地域はどうなって行くのでしょうか。

今はあまり福島の事もチェルノブイリの事も報道されなくなってしまいましたが、福島の原発事故を経験している日本人にとっては、チェルノブイリの事も忘れてはならない事だと思います。

この本の表紙の絵が、チェルノブイリの森のすべてを物語っていて、悲しくなります。

秘密の動物誌

2015-11-29 16:50:06 | 読書




秘密の動物誌 (ちくま学芸文庫)
ジョアン フォンクベルタ,ペレ フォルミゲーラ
筑摩書房


初版 2007/11/10

タイトルの「秘密の」ということからお分かりのように、この本の内容は幻想社会を描いています。
冒頭に、この本に納められている多くの奇妙な動物の写真を撮ったペーター・マイゼンハウツェン博士の生い立ちまで書かれており、うっかり「これは本当の事か」と思ってしまいそうです。

「存在する事は写真に写ることである」という信念で存在するこの写真の動物たち。

キワモノ好きが好みそうな内容。

本文を読むよりも、まず写真ですが、若干気持ち悪い物もあるので、それ以上は読み進めなくなるかもしれません。

なんだってこんな本書いたのか、或は制作したのかわかりません。
写真一枚一枚が精巧なんだけれど、どこかおかしいというような印象ですが、結構、これらの写真が素晴らしい、という評価があるようです。

話のついでに見てみるのはいかがでしょうか。

住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち

2015-11-22 22:55:15 | 読書


住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち (講談社+α新書)
川口 マーン 惠美
講談社


初版 2014/09/23

川口さんのドイツの本です。
9勝1敗というようなタイトルにはなっていますが、勝ち負けがどうというわけではなく、ドイツと日本の違いを書いている本です。こういうタイトルは、まあ、売らんがためという編集者の意向でしょうか??確かに気を引くタイトルではあります。そういうタイトルにつられて読んだ人には物足りないかもしれません。
そんなに言うならどうして日本に住まないの、とも思いますが、そういう事は書いてありません。

が簡単に読めてしまうので、ドイツの普通の事を知りたい、と思っている人には良いでしょう。

この本の中で興味を引いたのは、ドイツ人にはリズム感がないというところ。ホントですか、と思ってしまった。エアロビ、出来ないんですね。
また、「子供に過去の恨みを伝えない」という教育方針にはなるほどと思わされるところがありました。ドイツって第二次世界大戦の事を子供にどのように教育しているのか知りたい事もあったので、この内容には興味が持てました。
クラシック愛好者が減っている事、アフリカなどから押し寄せる難民問題など、今のシリア難民問題に通ずるところもあり、またロマの問題とか、ヨーロッパに疎い私にとって、ヨーロッパ入門書のような内容で参考になりました。

ドイツ在住のフツーの主婦から見たフツーのドイツを知りたい人にはうってつけの本ではないでしょうか。







ヒトラー・コード

2015-09-27 11:31:47 | 読書


ヒトラー・コード
エーベル.H,ウール.M
講談社


初版 2006/01/27

長いです。厚いです。でも読み応えがあります。脚注もとても多く、じっくり読むとかなりの時間がかかります。読み物、というよりヒトラー研究にはもってこいの研究書のような書物。
1933年からヒトラーが自殺する1945年4月30日を経て5月8日までの事柄が事細かく書かれています。側近たちの脱走の様子が最後。
まるで実際に見てきたかのように書かれていますが、それもそのはず、ヒトラー側近の二人が、たった一人の読者のために書いた本、それがこのヒトラー・コードです。その「たった一人の読者」とは、スターリン。下手な事を書いたら、即、シベリア送りとなってしまう状況だったので、ヒトラーのスターリンに対する言動などは省いてあるようです。
この本の元々の原本は、55年近くもロシア公文書館に眠っていたという事で、それがようやく日の目を見たのは2005年の事。当時、かなりの注目を浴び、欧米ベストセラーになった本です。ヒトラーについて知りたい人にとってはまず第一級の書物ともいえます。
が、スターリンただ一人のために書かれた本なので、スターリンを喜ばせるために多少の誇張をしたり、年号に間違いがあるなど、若干おかしい内容も含まれているようですが、それを差し引いても、資料としては超一級と思います。

「ヒトラー 最後の12日間」の映画が封切られたのはこの原本がロシアで発見される前の2004年。両者の間には、ヒトラーの最後の日々の内容に関して多少の違いはありますが、両者合わせて見て読むと、より理解が進むかもしれません。

ヒトラー・コードの中で私が興味を抱いたところは1933年から国のトップに上り詰めていく間のヒトラーの言動です。
ヒトラーに関しては、やはり第二次世界大戦中の事が大きくクローズアップされる事が多いですが、トップにいかに上り詰めていったのかを理解しないと、戦争中のヒトラーの言動については理解がむずかしいかもしれません。

また晩年、パーキンソン病で体が弱っていったとは良く言われている事ですが、10数年も興奮剤とかありとあらゆる薬物を乱用していた点に注目したいです。何かあったらすぐ注射。主治医特製のカクテルのような注射もあったとか。これほどの量の薬物をほぼ毎日投与し続けていれば、肉体的にも精神的にも影響が出るのは必然と思われます。まるで麻薬中毒者。

こうでもしないと独裁者としての威厳と地位を保てない、という独裁者の悲しみを見たようです。もともとのヒトラーは神経質で線が細いかんじの人間ではなかったのでしょうか。
最後、今まで自分のために働いてくれた部下たちを信用する事が出来なくなった姿には、なんとなく、現在の北朝鮮の様子がだぶって見えます。

また、ヒトラーが最後の日々を過ごした首相官邸の地下壕は現在、駐車場になっています。1990年までは東ドイツ領だったという事です。



現在は何の変哲もない駐車場です。周りはアパートでしょうか。町のなかの普通の住宅街のように見えます。
でも、この下に地下壕が埋まっているのです。
終戦当時、この辺りはがれきの山だったのでしょう。
実際にドイツに行った事はありませんが、この場所があの総統地下壕+首相官邸だったとは信じられない風景です。


駐車場の案内板ということです。

歴史好きの方、ヒトラーに興味がある方などにおすすめです。一度は読むべきと思います。


一度も植民地になったことがない日本

2015-09-20 14:56:58 | 読書



一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)
デュラン れい子
講談社


初版 2007/07/20

タイトルは「一度も植民地になたことがない日本」ですが、歴史を扱った本ではありません。スウェーデン人と結婚してヨーロッパで暮らしている著者が、日頃感じているヨーロッパと日本の違いやヨーロッパ人の抱いている日本の印象を非常にわかりやすく書いてある本です。

このタイトルは、ヨーロッパ人のお友達に指摘されて初めて気づいたという事をタイトルにしています。

植民地にならなかったという事はヨーロッパでは普通に言われている事だという事ですが、日本人でそういう事を意識した人はあるのでしょうか。
私もこの本で、初めてあ、そうか、と思った次第。まず、植民地という言葉自体、全く考えた事もありませんでした。
この「植民地にならなかった」という事が日本とヨーロッパの違いを表しているのかもしれません。そのような歴史的背景を頭にいれながらこの本を読むと、ヨーロッパと日本の違いを更に理解する事が可能になるかもしれません。

ごくフツーの生活を描いているので、お茶のお供にさらっと読めてしまいます。

命のビザを繋いだ男

2015-09-15 00:04:52 | 読書


命のビザを繋いだ男―小辻節三とユダヤ難民
山田 純大
NHK出版


初版 2013/04/23

戦争中、ユダヤ難民を救った日本人のお話です。
と言えば、今年は12月に映画も公開される予定の杉原千畝さんの事が思い浮かびますが、この本は杉原千畝さんのお話ではありません。
杉原さんは日本に滞在出来るビザを多くのユダヤ人に発行しました。ビザと言っても日本を通過して第三国に行けるビザだけだったのです。このため、中には滞在3日だけとか一週間だけ、のビザの人もいました。或は、ビザを全く持っていなかった人もいたと言うことです。多くのユダヤ人は着の身着のままだったので、日本の次にどこに行くのか全く決まっていませんでした。3日だけ、1週間だけでは到底次の行き先が決まる訳がありません。ビザが切れたら、またもといた場所に帰らなければならないのです。その事はユダヤ人に 強制収容所=死 を意味していました。ではそのようなユダヤ人は日本に来てその後はどうなったのか、という事がこの本には書かれています。

私は日本政府がなんとかしたのだろう、と思っていました。ですが、実は政府ではなかったのです。そこには一人の日本人がいました。その日本人のおかげで、杉原千畝さんから託された多くの命がアメリカなどへ出発出来る事によって、救われて行くのです。
それが小辻節男さんです。

そしてこの本の著者、山田純大さん。どこかで聞いた名前、と思っていたら、あの俳優の山田純大さんなのです。最近あまりテレビで見ないな、と思っていたら、なんと、ノンフィクションライターにもなっていたんですね。そしてこの本の中で、山田さんの経歴も知る事ができました。
山田さんは杉原千畝さんの本を読み、その後のユダヤ人はどうなったのか、と疑問に思ったそうです。このときからこの本がスタートしました。小辻の書いた自伝もアメリカから取り寄せ、読んだそうです。そして山田さんがアメリカに行ったとき、小辻の自伝の解説もしていた有名なラビ、トケイヤーさんの話を友達したとき、なんと、そのお友達はトケイヤーさんと親しいという事で、すぐに彼に会う事ができ、、小辻の事も聞く事ができたという事です。そしてそこから、小辻に引き寄せられるように、彼の人生をなぞっていく旅をして行くわけです。

憲兵隊に拷問にあってもユダヤ人の命を救った小辻。
杉原さんに代表されるこのユダヤ難民のお話も、実は杉原さんだけではなく、杉原→根井三郎(在ウラジオストク総領事代理、独断でユダヤ難民の日本までの渡航を認める)→日本郵船の人たち(日本までの船を提供、また日本からアメリカなどに行くときも日本郵船を利用)→小辻と命のリレーが繋がっていた訳です。

山田純大さんも、この本を書くにあたってかなりの資料を読まれているようです。アメリカに滞在しているだけあって、英語もできるのでそれも十分役立ったでしょう。
読みやすく、丁寧に書かれている内容だと思います。山田さんの情熱が感じられます。

ユダヤ難民の事をもっと知りたい、と思っている人にはぴったりの本です。

沈みゆく大国 アメリカ

2015-08-22 23:15:42 | 読書
沈みゆく大国 アメリカ



初版 2014/11/19

これは比較的最近の本です。

鳴り物入りで始まったアメリカのオバマケア。アメリカの国民皆保険の事ですが、実は実態を殆ど知らなかった私。
この本を読んでみて、あらためてオバマケアのもたらすものの弊害が大きい事に驚きました。

ガン治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用
高齢者は高額手術より痛み止めでOK
1粒10万円の薬
自殺率1位は医師
手厚く治療すると罰金、やらずに死ねば遺族から訴訟

結局喜んでいるのは保険会社と製薬会社とウォール街の投資家たち。医療も投資ゲームとなっている現実。

そういう事が書かれている本です。今現在のアメリカの医療情勢はどうなっているかを知るには非常に適している本。殆どの日本人が知らない事が多く書かれてあると思います。アメリカ人ですらオバマケアの本当の実態を知らず、政府も良いところばかり打ち出しているという事。
結局、金持ちは金持ち、貧乏はいつまでも貧乏で、どこの病院でも見てもらう事も出来ず虫垂炎で死んでしまうという事が実際にあり、日本では考えられないような事が起きています。

そして、次なるターゲットは日本という事。TPPの影響で日本もアメリカ型の社会になるかもしれません。
日本型国民皆保険になれてしまっている日本人にアメリカ型の保険制度が入ってきたらどうなるのか??
まさに医療崩壊でしょう。そういう国にならないため、アメリカで何が起こっているか知っておいた方がいいのでは。

2016年は大統領選挙の年です。このオバマケアに関しても大統領選の争点になるようです。が、次回は共和党になったとしても、おいそれとオバマケアをやめます、という訳にはいかないようです。このようなアメリカ社会の実態を頭にいれて、選挙戦を見るのも面白いと思います。




ホーキング、未来を語る

2015-08-21 10:52:57 | 読書
久しぶりの読書の話題。
読みたいという本ばかり溜まって行く現実。この本の山とどのように格闘して行くのかが、ただいまの問題です。
早く山を崩したい!と思っているのですが、時間ばかりすぎて行ってしまう昨今です。

という事で今日の本はこれ↓



初版 2001/12/11

ご存知、ホーキング博士の著書。「ホーキング、宇宙を語る」の続編のようなもの。
物理学を良く知らなくても面白く読める内容となっています。また図もとってもきれい。これを眺めているだけも満足、ですが、私の知識ではこの本の内容の半分も理解できていないのでは?と思えてしまいます。

毎度、宇宙や物理学の入門書的なところですね。

そういえば、ファインマンおじさんもロスアラモスにいたんでしたっけね。というような事を思い出させてくれる本。

映画「博士と彼女のセオリー」という映画が昨年公開されましたが、この映画と合わせて、「ホーキング、宇宙を語る」「ホーキング、未来を語る」など、読んでみても良いかもしれません。

キリスト教のことが面白いほどわかる本

2014-10-05 19:51:10 | 読書
キリスト教のことが面白いほどわかる本
鹿嶋 春平太
中経出版


初版 2003/11/13

キリスト教の成り立ちから歴史そして現在の状況について、非常にわかりやすく書いている本。

キリスト教の歴史を知るには手っ取り早く理解できる本です。すぐ読める。
キリスト教を知らないで西洋は語れない、とも言いますが、キリスト教の歴史を知るとそのまま西洋の歴史を知る事にもなるし、西洋の人々の考えを多少でも理解できるようになると思います。

キリスト教が誕生し色々な宗派にわかれ、最後、アメリカにたどり着くのですが、アメリカって、歴史上信教の自由を許した最初の国、という事。信教の自由といっても、キリスト教の宗派の中での事ですが。
イギリスもその前は同じような状態で、イギリスの産業革命とかアメリカの発展は、この信教の自由なしでは語れない、というのは大変面白いと思いました。
宗教の教え一つで国が発展するとかしないとかって、複雑。

その理論からすると、日本もある意味信教の自由があります。国をあげて一つの宗教にこだわっている訳ではないし、なんでもいらっしゃい、という感じですから、日本の発展もこの信教の自由のおかげでしょうか???

この著者のキリスト教の教えの部分などに反感を持っている人もいるようですが、一つの考えとして読むのも面白いと思います。

この世で一番の奇跡

2014-09-07 23:55:11 | 読書
この世で一番の奇跡
オグ マンディーノ
PHP研究所


初版 1999/2/18

この本が最初に発刊された当時、日本でもだいぶ話題になった事を覚えています。そのため、気にはなっていましたが、購入したのは2004年になってから。それを今になって読んでいるんですから。。。
著者のオグ・マンディーノさんの本は「十二番目の天使」を先に読んでいますが、感想としてはそちらの方が良かったかな。

でも、人生に疲れたとき、生きている意味が分からなくなったときなど、この本を手にしてみるのも良いかもしれません。
主人公と老人との不思議な巡り合わせのお話から始まって、最後、「神との覚え書き」に進んで行くのですが、この覚え書き、キリスト教的な意味合いが大変濃いと思います。
神との覚え書き、というよりも神との契約のような内容だと思います。

そういう事を考えると、日本でこういう本がとっても評判になった、という事はやや不思議な印象。(宣伝のおかげでしょうか?)

考えてみれば、昔の人は良く、ご先祖様に感謝しなさいとか神仏に手を合わせないと良く言っていたものですが(と思います。)最近はそういう事を言う人が少なくなってきているので、このような本が話題になったのではないのかと思います。
ご先祖様にとか、神仏にとかだけでは意味がわからない人も多いので、そのような良くわからない部分をより具体的に書いてあるのが、この神との覚え書きなのかもしれません。

最初のお話の部分は穏やかな表現で大変面白かったです。