湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

湖畔にて

2018-12-05 16:03:01 | ポエム
片手に淹れたばかりの

コーヒーカップ

湖畔のほとり



夕暮れどき

草むらに腰を下ろして

光の指す方を眺めていた



さっき

お店の知り合いに

勧められて買ったチョコは

すこし塩っぱい目なのかしらと

パッケージを二度見してみたら

おしるこ味だって

あはははと

薄笑いしてみた



チョコを口にいれては

コーヒーをすすって

柿渋色に染まっていく空を

穏やかに

見送っていた



ただ

ただ

静かな湖は色んなものを映してくれる




まだまだ、わたしは

1人は慣れないものだね



今日の糸井重里さんのコラムは

『しょうがない』って言葉のコラムだった



そうだね

そうだね



しかたのないことなんて

世の中には沢山あって



それは逃げているのじゃなくて

正面からでもなんでも

しょうがないって言葉で

生活の緩みを

持たせてくれているんだよね



また、チョコをひとくち‥



今度はもう

甘くて‥甘すぎて



もう今日は

やめにしょう




風も変わり

ひんやりとしてきたからさー



最後に

コーヒーを一気に飲み干して


さぁ、そろそろ行こうかな

















去年の今頃は、とふと思う

2018-12-05 07:44:54 | 日記
とある深夜番組の録画を見ていた。


少しだけコブクロが出ているとの情報で
忙しなく予約したものだったことを
思い出して
『あ、そうだ!』とばかりに
冒頭部分から何気に見ていた。


毎年、フジTVで放送される『FNS歌謡祭』の音楽プロデューサーをされている、アレンジャーの武部聡志さんが出ていた。


去年の放送されたものに対して
インタビューされ、自らの音楽人生を語るような、、、。


武部聡志さんは、『僕らの音楽』では
ピアノを弾かれ、今まで手がけたアーティストは数知れず、わたしのような
中途半端な音楽ファンならずとも
名前を知っている素敵な方である。


ボツボツと語る、去年の歌謡祭の話。

そして、
画面は変わりコブクロの歌。



見終わった後に満足して
それから、買い物に出た。


いつもの道を
いつものように運転していた時に

『あなたは去年、何をしていた?いつも楽しみにしていた歌謡祭は見てなかっただろう』


私のどこかで、自分自身に突如聞かれた。


去年の今頃、、、。


去年の今頃は、2人の介護していた、、。


『それから、、?』
畳み掛けるように問われていく



そして、道の脇に車を停めてしまった。


もう、前が涙で見れなくなってしまったから。


去年の今頃
介護以外を除いての記憶がないことに気づいた。


そして、父の亡くなる10日ほど前から
父は、寝たきりになったこと。
私はなりふり構わず
身を削りながら動いていた。
テレビなんか見る暇がなかった。


いや、テレビなんか見る時間より
両親と居る時間を愛おしく最優先していた。

通っている道だって、薬やゼリーや
オムツを買いに走ってばかりの道だった。



録画した番組から
こんなふうに、時間差で
フラッショバックが起きるなんて
思ってもみないことだった。


自分がどれだけやったかを
自慢したいわけじゃない。
肯定も否定もない。


去年の今頃の記憶がすっぽりと抜けてしまっていること。
命の泉が小さく小さくなっていくのを見守っていた日々を
ただ、ただ、思い出しただけ。


私の一番ルーツである、両親。
そして、私。


最後の気力を本当に振り絞って
日々、頑張っていたんだなぁ


できるだけ
穏やかに
先に逝って待ってるであろう兄に
優しく手渡しができるようにと
こころから願っていた日々だった。


ひとしきり泣いたあと
エンジン音も聞こえない車を
緩やかに出しながら
身軽になった自分の置き場所が
まだ、その時のままだなぁって
『ふっ』と、苦笑いしながら家路に向かった。


そう言えば
去年は、こんなに暖かくなかった、なんて。