湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

喜び、キャベツの場合

2019-01-18 10:20:57 | ポエム
パキッ
パキッ

『いやん、痛い』って言わんばかりに


ごめんね、脱がさせてね
あと一枚、もう一枚
だんだんと白味を帯びていく

寒いの?

温めれば
とろけるほど
柔らかくなるくせに

こんな頑なに
我が身を守ろうてしてる

いったい何枚剥がせば
本当の姿をあらわすの

幾重にも
大切な自分の芯を抱えながら
寒さをこらえ
一枚一枚纏ってきたのでしょう


いつの間にか
人知れず
こうして
剥がされる時を待ちながら‥


甘く
甘く
柔らかく
食べられる時をも待ちながら‥


燻製にした
手羽先と一緒に
匂い高く
煮詰められていく


我が身をしならせながら
喜びを与えておくれ













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