創世記6章13~22節 「ノアと箱舟」
「生めよ。増えよ。地に満ちよ。」という神のみこころに従い、人は地上にどんどんと増え広がっていきました。しかしそれと同時に悪も増え広がっていきました。神は被造物である人間を特別に「神のかたち」にお造りになりましたが、神から離れ、自己中心に生きる者として増え広がっていったのです。(5)「主は、地上に人の悪が増大し、その心に図ることがみな、いつも悪に傾くのをご覧になった。」(6)「それで主は、地上に人を造ったことを悔やみ、心を痛め」ました。それで主は、洪水によってすべてのものを一掃することを決意されます。しかし、そのような中、(8)「ノアは主の心にかなって」いました。また(9)「ノアは正しい人で、彼の世代の中にあって全き人であった。ノアは神とともに歩」みました。このような暴虐の時代にあっても、ただ一人、ノアだけは主のみこころにかなっていました。これは、ノアが罪を犯さない完璧な人だったということではなく、神様を信頼して歩んでいたということです。周りの人々がどうであれ、ノアは神を心から愛し、信頼し、従っていました。
神はノアとその家族を救い出すために、ノアに箱舟を造ることを命じました。箱舟の大きさは、長さが三百キュビト(約132m)、幅が五十キュビト(約22m)、高さが三十キュビト(約13m)で、この大きさは、たくさんの荷を運ぶのに頑丈で理想的なバランスと言われています。おそらく1万五千トン級の船であったと思われます。三階に分かれ、出入り口が側面に、また外の様子が分かるように天窓が取付けられました。神は大洪水によって「いのちの息のあるすべての肉なるものを」滅ぼそうとされましたが、(18)「しかし、わたしはあなたと契約を結ぶ。あなたは、息子たち、妻、それに息子たちの妻とともに箱舟に入りなさい。」と命じられました。神はノアだけではなく、妻と三人の息子たち、その息子たちの妻も一緒に箱舟に入るようにされたのです。私たち一人一人が救われるのはもちろんですが、その家族が救われ、クリスチャンホームが形成されること、それが神様のみこころと言えます。また、神はすべての動物がそれぞれ雄と雌二匹ずつを箱舟に連れて入るように命じました。(22)「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。」ノアにとってこの命令はとても難しかったことでしょう。しかしノアは神の命令に聞き従い、周りの人たちの目を気にせず、箱舟を造り上げたのです。
長い年月をかけて、箱舟は遂に完成しました。舟を造り始めてから完成まで数十年かかったと思われます。神はノアに(7:1)「あなたとあなたの全家は、箱舟に入りなさい。」と命じました。ノアの生涯の600年目の第2月17日、ノアとその家族8人、動物たちは箱舟に入りました。大雨は40日40夜降り続けました。大洪水が起こり、水かさが増し、箱舟は地から浮き上がりました。ノアたちが箱舟の中から見た、地上の光景はどんなだったでしょう。高い山も水にのみこまれました。(24)「水は百五十日間、地の上に増し続けました。」私たちも、家族や友人にイエス様の救いを話しても信じてもらえないことがあるかもしれません。しかし、神は人々が悔い改めて神に立ち返るのを待っておられるのです。主はノアが箱舟を造っている間も忍耐をもって人々の悔い改めを待たれていました。最後の一週間もノアたちを通して神のさばきと救いが宣べ伝えられました。主イエスが再び来られることを心に留めながら、家族や人々の救いのために祈り、イエス様の愛を宣べ伝えていけますように、私たち一人一人を用いてください。