ルツ記2章1~7節、4章1~6節
ナオミには、夫の親戚で、エリメレクの一族に属する一人の有力者がいました。その人の名はボアズと言いました。ベツレヘムに帰ったナオミとルツは、人々の歓迎を受けましたが、その日からの生活に困りました。そこでルツは出かけて行って、刈り入れをする人たちの後について畑で落ち穂を拾い集めました。しかしそこは、はからずも、ボアズの畑でした。ルツの勤勉の姿に、ボアズは好意を持つようになります。ルツはボアズにとても親切にされ、夕暮れには多くの落ち穂を拾って家に帰りました。ルツはナオミにボアズという人の所で働いたと報告すると、ナオミは(20)「生きている者にも、死んだ者にも、御恵みを惜しまない主が、その方を祝福されますように。」と言い、また「その方は私たちの近親の者で、しかも、買い戻しの権利のある親類の一人」であることを伝えました。ルツはそこで大麦と小麦の刈り入れの終わるまで、落ち穂を拾い集めました。こうしてルツは姑と暮らしました。イスラエルの神こそ真の神と信じ、姑を愛して、遠くベツレヘムまでやって来たルツを、主はほっとおかれませんでした。偶然と思われる方法を通して主は働かれました。
姑のナオミは自分のことより嫁のルツの幸せのことを第一に考えていました。ナオミはルツがボアズの畑に導かれたことで、ボアズこそルツのために備えられた相手だと感じたのでしょう。ナオミは早くもボアズとナオミが結婚するための具体的な計画を練っていました。大麦の刈り入れが終わった祝宴の日をみはからって、こちらから結婚を迫ってみようというのがナオミの計画でした。ルツはそれに素直に従います。彼女は晴れ着をまといこっそり行って、いい気分で寝ていたボアズの足もとに横たわります。夜中に目を覚ましたボアズはびっくりします。(9)「あなたは誰だ」と聞くと、ルツは(9)「私はあなたのはしためルツです。あなたの覆いを、あなたのはしための上に広げてください。あなたは買戻しの権利のある親類です。」ルツの気持ちを知ったボアズは、冷静に、理性的にルツの愛を受け止め、最善を尽くそうと決意します。しかしボアズはここで一つの提案をします。自分は確かに買戻しの権利のある親類だが、自分よりももっと近い権利のある親類がいるので、その人に聞いてみて、もしその人が役目を果たさないなら、自分がナオミの相続地とあなたを買い戻すことを約束しました。ルツの告白に、ボアズは感情に左右されることなく、実に冷静に判断しました。
ボアズは早速行動を開始しました。彼は、ベツレヘムの町の門のところへ上って行き、そこに座りました。するとちょうど、そこにボアズが言っていた買戻しの権利のある親類の人が通りかかりました。その人に話し合いの席に座ってくれるように頼みます。ボアズはその人に、モアブの野から帰って来たナオミが夫エリメレクの畑を売ろうとしているのを告げ、もしその畑を買い戻すかどうかを民の長老たちの前で言ってほしいと提案しました。すると彼は、「私が買い戻しましょう」と言いますが、その土地を買い戻す時に、モアブの女ルツも同時に買い戻さなければならないことを伝えると、その人は急に考えを変えて、土地を買い戻す権利を放棄したのです。子どもができたら相続地はその子のものになるからでした。それで、買い戻しの権利はボアズのものとなりました。ルツはめでたくボアズと結婚し、主はすぐに彼女を身ごもらせてくださいました。ナオミは初孫オベデを胸に抱くことができて、どれほど嬉しかったことでしょうか。たとえ犠牲を払おうとも、まことの神様を信じ、神様を信じる人々の中で生きることを選んだルツを、神様はこれほどまでに祝福されました。私たちも主の十字架を仰ぎ、喜んで神と人とに仕える生涯を歩んでいけるようにしてください。