夕方、外出先から帰宅して玄関のドアを開けると、魅惑的なスパイシーな香りが漂ってきた。
香りの正体はカレーライスで私の大好物だが、塩分摂取量に厳しい妻は塩分が多いカレーをあまり作ってくれない。
そのお気に入りのカレーライスの匂いが、久しぶりに嗅覚を刺激したので心が小躍りした。
カレーライスは食欲が落ちやすい夏には食欲を促し、寒くなったこの季節は身体を温める。
また栄養が豊富で元気が出るので、お箸…ではなくスプーンがすすむ。しかも大盛りのご飯にカレールーをどっぷりかけて食べる。
それをお代わりするので、塩分を気にする妻はあまりカレーライスを作ってくれない。
カレーで思い出すのは私が一人暮らしの時は、最小限度の材料でシンプルに作っていが、母のはルーではなくカレー粉からで手が込んでいた。
キャンプや友達の家や学校のカレーライス、それぞれ味が違うが、全部が美味しくて不思議な食べ物だ。
子供の頃、好きな食べ物は何かと聞かれたら、「カレーライス」と答えていたが、私の娘も子供の頃にそう答えていた。
そしてそれは大人になっても変わらず、幸せそうな顔をして、モリモリとカレーライスを頬張っていた。
その光景を思い出しながら、小皿に持ったカレーライスを娘の仏壇に供えた。
「一緒にカレーライスを味わって食べよう」と…。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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