インポ

　20代の若者が勃起不能だと訴えた。

　お客「僕、インポやねん」
　私　「はんこ屋か？」
　お客「なに、それ？僕、はんこ屋と違うで」
　私　「インポて、印刷の印に店舗の舗、印舗て書くんやろ？」
　お客「それはインホやんか。僕はインポテンツのインポや」
　私　「若いのにアッチの方がアカンのかいな？」
　お客「そうやねん、20代でもアカンねん。バイアグラでも飲もかなあ」
　私　「ニセモノも出回ってるから効くかどうか分からんで」
　お客「ほんだら赤まむしドリンクを飲もかなあ」
　私　「あれも水分が殆んどやから効けへんで。そうや！2本をビンごと飲んだらエエねん」
　お客「なんで？」
　私　「ビンが2本やからビンビン(瓶瓶)なるで。それが重要！インポータントや」

　一句：バイアグラ　インポの薬は　インポーツ(輸入品)　
　謎かけ：インポとかけて、難クセをつける客と解く。どちらも(勃ち・タチ)が悪い

番茶も出花

　今日の40代の女性客、いつもは普段着で来るが今日はおめかしをして来た。
　
　私　「今日はどないしたん?余所行きの恰好をして…」
　お客「今日はちょっとミナミに行く用事があったから…」
　ママ「へえ、見かけよりも若いやん。番茶も出花やなあ」　
　私　「番茶も出がらしやで」
　お客「出がらして、なによ～」
　私　「スマンスマン、言いかえるわ。おバンチャんも出腹やなあ」
　ママ「よけい悪いわ！」
　※番茶も出花＝番茶でも入れたては香りが高くておいしい。どんな女性でも娘盛りは美しい、というたとえ。

　一句：若づくり　番茶も出花　オバちゃんも
　謎かけ：番茶も出花とかけて、高三で初出場の夏の甲子園決勝戦と解く。(一生・一勝)で一度いい時がある

白髪

　今日、店で43歳の男性客と38歳の女性客さんと白髪の話をした。

　男性客「マスターは白髪少ないなあ」
　私　　「店の中が暗いからや。昼間見たら3割位は白髪やで。T君は若いから無いやろ」
　男性客「俺、ほとんど白髪や。これ、染めてんねん」
　私　　「可哀想に、苦労してんねんやなあ」
　女性客「私も白髪が…」
　私　　「うそ～、見た感じ全然無いやん」
　女性客「下、下」
　私　　「ほんまかいな」
　女性客「ほんまやで、冗談と違うで」
　私　　「相当に娘さんをこき使(ツコ)うたんと違うか」
　女性客「失礼な！私は身持ちは固いで」
　私　　「そんなん、白髪だけに、しらんが(白髪)な～」

　一句：10歳は　若返りたいと　白髪染め
　謎かけ：白髪とかけて、投手の滑り止め袋に入っている粉と解く。どちらも(老人・ロージン)である

仕事の延長

　今日は堺まつりで自宅付近は車が多く通行止めの所もあり、あまり車でウロウロ出来ないので近くのイトーヨーカドーへ妻と行った。
　5階の食堂街へ上がると15ｍほど先に苦手な女性客が立っていた。彼女に捕まると30分以上も長話を付き合わされるので、後戻りをして居なくなるのを見計らってからレストランンに入った。
　ここで40分ほど間を繋いでから「さっき買物袋を持ってからもう帰ったで。もう会わへんやろ」と妻に言い、4階で日用品を買ったり本屋に寄ってからB1の食料品売り場に行った。
　妻は家の食材と店の一品の材料を買い私は店の料理の材料を買う。妻はじっくり食品を吟味するから時間が掛かるので私とは別行動。
　私は長椅子で音楽を聞きながら妻の買い物を待ち、進捗度を見計らってから自分の仕入れをするのだが、最近は待っている間に長椅子でうたた寝をするようになった。
　暫くして「マスター、マスター」と元気のいい女性の声で夢心地を遮断され、目を開けると先程の苦手な女性客が目の前に立っていた。
　そして彼女は私の横に座り愚痴を40分ほど聞かされ、せっかくの休みが仕事の延長になった。

　一句：休みの日　仕事の延長　したくない
　謎かけ：仕事の延長とかけ、闘牛と解く。どちらも(付き合い・突き合い)がキツイ

のりピー

　若い女性が“碧いうさぎ”を唄った。隣り合わせた64歳の男性客のTさんが「これ、のりピーの歌やろ」と言った。

　客A「ええっ、Tさん、のりピー知ってるの？」
　客T「俺の青春時代や」
　私 「ホンマかいな、お年めしてはるから時代感覚が判らん様になったんと違うの？」
　客T「俺の青春時代は冗談やけど、のりピーは知ってるで」
　私 「Tさんの“青いおしり”の時代の、のりピーは淡谷のり子と違うのん」
　客T「そうや、それに藤田のり子とか…」
　私 「藤田のり子は若・貴の母親やん」
　客A「Tさんは古いわ、青田のり子や」
　私 「それも違うやん。玉置浩二の新妻やん」
　客A「玉置もいろんな女性を、のりこえてのり子に辿りついたなあ」
　私 「でも、あの玉置浩二の事やから、のり子をのりこして次の女性をのりピーするで」

　一句：のりピーは　ひとそれぞれに　違うスター
　謎かけ：のりピーとかけて、学校の生徒会長をしたと解く。どちらも(ヤク・役)をしていた。　

断煙

　お客のK君はセブンスターを吸っているが、一気に140円も値上がりをしたので不満を漏らした。横に座っていたR子ちゃんは煙草を止めたとか。

　客K「俺のん、140円も値上がや。堪えるわ」
　私 「140円も値上がりして、小遣いが根上がるなあ」
　客K「税金が足らんようになったら、スグにタバコ代上げよる。腹立つわ」
　私 「腹は立てても、タバコは断てれん。これいかに」
　客R「K君、タバコ値上がりしたし、私みたいに止めや」
　私 「偉いなあ、それでタバコ、いつから止めたん？」
　客R「さっき！」
　私 「無視しとこ」

　一句：断煙は　自分の意思で　タバコ断つ
　謎かけ：断煙とかけて、昔のフォーク界と解く。どちらも(ガムも要る・雅夢も居る)でしょう

領海侵犯

　お客さんの子供が以前に日テレ系の『未確認文化発見バラエティー』に出たのに最近また放送してたとか。
　居合わせたお客のS君も以前にMBS系で「珍しい家」で出たが、その後サン・テレビで2回同じ映像を流したとか。

　客S「俺の了解を得ずに勝手に2回も流してたわ。腹立つで」
　私 「了解無しかいな、了解侵犯やん。まるで中国見たいやなあ」
　客S「まあ、僕の場合は国際問題までは発展せーへんけどな」
　私 「当たり前やがな、堺の片隅の一個人の家が国際問題になるわけないわ」
　客S「そやけど、尖閣諸島は中国が狙(ネロ)てるから心配やね」
　私 「尖閣は領海侵犯で領海心配や」

　一句：海洋国　領海侵犯が　心配なり　
　謎かけ：領海侵犯とかけて、古物商と解く。場合により（支那海奪る・品買い取る)でしょう

ETC

　最近就職をしたAさんと自営業のM君が当店で久しぶりに会った。

　客M 「Aさん、仕事はみつかったん？」
　客A 「みつかったで」
　客M 「よかったね。そこで出逢いはあったんか？」
　客A 「俺、なにも彼女を見つける為に働きに行ったんと違うで」
　客M 「ゴメンゴメン。それで仕事に行ってどれぐらいになるのん？」
　客A 「働いて2週間ぐらいになるわ」
　客M 「もう2週間も？仕事は慣れた？」
　私　「すぐに慣れたらしいで」
　客M 「へえ、すぐに慣れたんかいな。偉いなあ」
　私　「すぐに慣れるもくそも、その会社は暇でする事があれへんから、誰でも慣れるわ」
　客M 「なんや暇なんかいな」
　客A 「M君とこの仕事はどう？忙しいんか?」
　客M 「うん、仕事はあるで。しやけど現場は京都やから経費が高(タコ)つくわ」
　私　「経費、どれくらい要るのん？」
　客M 「ガソリン代の他に高速代が4000円(往復)に駐車場代が2000円もいるねん」
　私　「京都は駐車場代が高いらしいね。それに阪神高速と名神やったらキツイなあ」
　客A 「(車に)ETC付けてないんかいな？」
　私　「ECCは高いやろ？俺、以前に行った事があるけど、年に15万円位いったで」
　客M 「ノバの方が安いで」
　ママ「ノバは無くなったで」
　私　「ノバは無くなったけど、オバァはいてるで」
　ママ「誰がオバァやねん！」
　一句：ETCの　利点は値引に　etc(エトセトラ)　
　謎かけ：ETCとかけて、フル・オートメーションの工場と解く。どちらも(自動清算・自働生産)である

充血

　私は喉が弱いのでタバコの煙などで時々咳込む。今日も咳き込んだ。

　お客「タバコの煙か？」
　私　「俺、喉が弱いねん。そやから、ちょっとの煙でも咳き込むねん」
　お客「ずっとか？」
　私　「そうや、年中、喉チンコが充血してるねん」
　お客「下のんは充血せーへんのになあ」
　私　「今はじゅうげつ(十月)やのになあ」

　一句：煙害で　喉が充血　咳き込んで
　謎かけ：喉の充血とかけて、声をかけても知らんぷりと解く。どちらも(扁桃腺・返答せん)

秋の収穫

　以前に一度来た事のあるサラリーマン2人が久しぶりに来た。1人は堺市在住だがもう1人は遠方なので帰りの電車が気になった。

　客A「B君、そろそろ、おあいそ(勘定)しよか？電車なくなるで」
　私 「B君の家、遠いもんなあ。枚方やろ」
　客B「え、なんで知ってるのん？」
　私 「秋の臭覚や、菊の香りがするからや」
　客B「菊人形やめたけど、ひらかたパークは儲けてるで」
　私 「子供の頃行ったドリームランドとか、あやめ池とか、玉手山遊園地閉めたもんな」
　客A「俺は堺やから、さやま遊園とかPLランド、よう行ったけど、もう無くなったわ」
　客B「そうや、あちこちの遊園地、閉鎖してるなあ」
　私 「少子化が影響してるなあ。B君、ぎょうさん子供を作りや」
　客B「その前に嫁さんもらわんな」
　客A「B君は若いから種はぎょうさんあるのになあ」
　私 「よその田んぼになんぼ種を撒いてもアカンで、自前の田んぼに種を撒かんな」
　客B「よっしゃ、頑張って嫁さんもろて、来年の秋には収穫するわ」
　私 「女の子やったら、名前は“およね”やなあ」
　客B「えらい古くさい名前やけど、なんでおよね？」
　私 「およねは漢字で“お米”て書くからや。秋の収穫にぴったりや」

　一句：嫁もろて　秋の収穫　子ができた
　謎かけ：秋の収穫とかけて、大イベントの事故防止と解く。どちらも(豊作・方策)に願いを託す