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超合理的な社会

2019-04-07 07:33:53 | 日記

消費税25%でも、相続税はナシ! ゼロからわかるスウェーデン「超合理的な社会」のしくみ

高負担でも納得している

スウェーデンの幸福度が高いのには明確な理由がある。いうまでもなく、世界トップレベルの福祉制度の充実だ。

教育費は大学まで含めてすべて無料。医療は18歳以下は無料、成人も自己負担が年間で最大900クローナの診察料(約1万3000円)、1800クローナの薬代(2万5900円)と安く抑えられている。前編で見たように安心して介護を受けられる体制も整っている。

 

当然ながら、このような充実した福祉サービスを支えるためには、しっかりとした財源が必要となる。

国民の所得全体に対する社会保障費と税金の割合を示す「国民負担率」を見れば、わかりやすい。スウェーデンの負担率は58・9%と日本の43・4%を大きく上回っている。スウェーデン人が大きな負担にたえていることは明らかだ。

具体的には例えば、消費税は25%。現在の日本の3倍の負担だ。ただし軽減税率も導入されており、食料品や宿泊費は12%、公共交通、書籍・新聞、コンサートやスポーツのチケットなどは6%となっている。

他に主たる財源になっているのは、地方所得税と呼ばれる日本の住民税にあたる税だ。日本総合研究所副理事長の湯元健治氏が解説する。

「スウェーデンは地方分権が確立されており、ランスティング(日本でいう都道府県)とコミューン(市町村)で成り立っています。

税率は自治体によって違いますが、ランスティング税が約10%、コミューン税が20%程度が平均です。他に国に払う税金もありますが、高収入の人しか課税されないので実際に国への所得税を払っているのは、国民の15%程度です」

一方で相続税は'04年に廃止された。これはもともと相続税が税収全体に占める割合が極めて低く(贈与税と合わせて全体の0・2%)、富裕層が税金対策のために海外に逃げ去ってしまっては逆に税収全体が落ち込む懸念があるという合理的な考えから廃止された。

相続税が廃止された時も、「金持ち優遇策だ」という批判は起きなかったという。今年から相続税が強化された日本とは正反対の政策だ。

「スウェーデンの政策は極めて合理的に決められています。財源をどう使うかは基本的に、各自治体に委ねられていて、様々な議論が行われる。

例えば、ある医療サービスが足りないという意見があれば、今の税率を何%上げないと、そのサービスは行えませんがどうしますか、という議論になり、住民の理解が得られれば税率を上げてサービスを充実させる。

逆に税率が高すぎるということになれば、どのサービスを廃止しますかという議論になる。受益者は自分たち自身であり、その見返りとして当然、負担が生じるということを住民はよく理解し、納得しているのです」(湯元氏)

ひるがえって日本の場合は、医療保険制度があるので、保険料を徴収し、それでも足りない部分を税金で補っており、カネの流れが複雑だ。財務省は社会保障を充実させるために消費税を引き上げると説明しているが、具体的にどんなサービスが拡充されているのか、よくわからない。

 

だから増税の議論になると、国民は反対せざるを得ない。払った税金が汚職で消えたり、利権まみれの政治家や官僚のポケットに入っているかもしれず、結果として日本人は、負担にふさわしい福祉を受けているという満足感がまったく得られないのだ。

皆一緒に森へ還る

スウェーデンの政治の面白い点は、ランスティングやコミューンの議会の議員の大部分が、政治家とは別に本業を持つ兼業議員であるという点だ。

「彼らは議員職を通じて、歳費をもらっているわけではなく、会議に出席した時間に応じて時間給をもらっています。本職は会社員、医師、看護師、大学教員、農家だったり様々で、いわばパートタイムの政治家たちなのです。議会は月に一度、議員たちが本業の仕事を終えた17時頃から開かれます」(湯元氏)

中には執行委員会のメンバーの一部に専業の議員もいるが、わけのわからない出張をくり返し、釈明の会見で涙交じりにわめき散らすようなダメ議員が皆無であることは言うまでもない。

徹底した合理性を求めるスウェーデン人の国民性は、墓の形態にも表れている。

以前は、スウェーデンでも日本と同様、個人の墓が一般的だった。しかし、最近急速に増えてきているのが、ミンネスルンドと呼ばれる匿名の共同墓地だ。スウェーデン人の死生観に詳しい中京大学の大岡頼光准教授は語る。

「ストックホルムの郊外には『森の墓地』という世界遺産にもなっている最大の共同墓地があります。

遺骨は完全に灰になるまで焼かれ、墓の管理人が林に撒きます。匿名性が重視されるので、どこに灰が撒かれたかわからないように、家族は散骨に立ち会うことはできません。

先祖を崇拝する日本の価値観とはことなり、死んだらそれで終わりという価値観が根底にあるのでしょう。気を付けてみると、骨の破片が林に転がっていることもあります」

充実した信頼できる福祉制度のもと、安心して人生を送り、死んだら森に還る——北欧の楽園には、日本人が学ぶべき幸せのヒントが無数に転がっている。

スエーデン人になりたい

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