看板「タンチョウが横断します」→まさかの「ご本人登場」に衝撃広がる 北海道ではあるある?国交省に聞いた
「『タンチョウが横断します』という看板があったので『そんな訳なかろう』と思っていたら忍び足で横断してきた」
あるツイッターユーザーによるこんな投稿が、注目を集めている。
タンチョウとは、タンチョウヅル...つまりツル(鶴)のこと。「動物注意」の看板は山間部などで見かけることも珍しくないが、まさか「ツル横断」バーションもあるとは...。それだけでも十分驚きだが、投稿者は「ご本人」の横断を目撃してしまったという。
その実際の様子が、こちらだ。
日本昔話に出てきそうな立派なツルが、道路に佇んでいる。美しいのは言うまでもないが...結構デカい。
そしてその奥には、
「タンチョウが横断します。車両の走行に注意して下さい。」
の一文と、タンチョウのイラストが描かれた看板が設置されている。イラストのタンチョウは驚いた様子だが...実際に出会ったらおそらくこちらの方がびっくりしてしまうだろう。
このタンチョウの写真は2020年8月28日に投稿され、9月4日時点で2万件超のいいねが付くほど話題に。投稿によれば、少なくとも3羽のタンチョウが現場にいたようだ。
環境省の公式サイトによればタンチョウは日本最大級の鳥類。全長140センチ、翼開長は240センチに達するという。
投稿に対し、他のユーザーからは、
「看板に偽りなしwww」
「めっちゃジャパニーズやん」
「あいつら歩いて道渡るんだな...」
「タンチョウの大きさに改めてびっくり そして美しいー」
といった声が寄せられている。
地元では珍しくない?
ツイッターでタンチョウの横断に多くの人が衝撃を受けている一方、「道東あるある」「北海道ならではの光景やな」といったコメントも見られる。
投稿者によれば、撮影場所は道東の釧路周辺。釧路湿原にはタンチョウが多く生息しているため、地元ではそこまで珍しい光景ではないのかもしれない。
Jタウンネットは9月3日、看板の設置元である国土交通省北海道開発局釧路開発建設部の広報担当者に取材した。
担当者によれば、写真の看板は釧路開発建設部と環境省の釧路自然環境事務所が連名で、道東を流れる新釧路川の左岸築堤に設置しているもの。
左岸築堤上にはゲートがあり、ゲート内は河川管理用の通路となっている。基本的に一般車両が無断で入ることはできず、歩行者や自転車、管理用の車両が通行しているという。
看板は新釧路川の河口から5~10キロの間に計8基設置されている。8基も設置されているということは、やはりこの辺りでのタンチョウの横断は珍しくないのだろうか。担当者に聞いてみると、
「この場所に限らず、釧路湿原周辺では年間を通してタンチョウが確認されています。いつでも見られるというわけではないですが」
とのことだった。
タンチョウは環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧II類に分類され「絶滅の危険が増大している種」と認定されている。また環境省の公式サイトによれば、世界の総個体数は3050羽とされており、種の半数以上が北海道東部を中心に生息しているという。