ワニだらけの川にクジラが迷い込む、専門家は驚がく
豪州北部の内陸部を流れる川で、海洋生態学者のジェイソン・ファウラーさんは3頭のザトウクジラを発見した。海で暮らすクジラが、熱帯の奥地を流れる濁った川にいるだけでも驚きだが、さらなる問題は、この川には多数のワニが生息しているということだ。 豪州北部の濁った川に現れた巨大な黒い物体――その正体は、なんとザトウクジラだ。 「まるでネッシーを発見した気分だった」 海洋生態学者のジェイソン・ファウラーさんは2週間前、友人とともにカカドゥア国立公園へ釣りに出掛けた際、ワニが生息する川で3頭のクジラを発見した。 「これまで数多くの調査研究を行ってきたから、ザトウクジラであることは間違いなかった。だが濁った熱帯の、ましてやワニだらけの川にクジラがいるなんて自分が信じられなかった。たまげたなんてものじゃないよ」 ファウラーさんによると通常クジラは、少なくとも水深3メートル以上はある外洋を好む。熱帯の内陸部にクジラが生息しているのが確認されたのは、これが初めてだという。 公園管理当局によると、クジラのうち数頭は自力で川から出たようで、現在は1頭だけがとどまっているという。専門家が対応を検討する中、当局はこの川に制限水域を設けた。当局によると「視界ゼロかつワニの生息する川で、船がクジラと衝突することを避けるため」だと説明している。 クジラがワニに襲われる心配はないのだろうか?ファウラーさんは、クジラは巨体なので襲われにくいが、危険がゼロではないという。 「ワニにとって、巨大なクジラに噛みつくのは勇気がいることだろう。だが果たして夜間はどうだろうかと心配している。クジラが眠りについた後で、その時を狙いすましたワニたちがクジラを取り囲んでいたとしたら、果たしてどうなるだろうか」
映画のような・・・・