まるで火星?北京に「この10年で最悪」の黄砂 視界不良、大気汚染も深刻
中国北部は15日朝から強い砂嵐の影響で大気が厚い黄砂に覆われ、北京市内では数百メートル先も見通せないほど視界が急激に低下した。
中国環境観測センターによると、この10年で最も激しい黄砂で、深刻な大気汚染が発生。北京市当局は各学校に屋外での活動を控えるよう求め、高齢者や持病がある人は屋内で過ごすよう呼び掛けている。
中央気象台によると、北京では午前11時現在で、微小粒子状物質PM2・5は1立方メートル当たり714マイクログラム(日本の環境基準の1日平均値は同35マイクログラム)を観測。朝の通勤時間帯には、視界不良が原因で交通渋滞が発生した。
北京では近年、大気汚染が改善し青空が広がる日が多いが、街全体が黄色いもやがかかった状態で、マスクをしていても息苦しさをおぼえるほど。市内の男性会社員(36)は「ここまでひどい大気汚染は12年ぶり。今日はどこにも外出したくない」と話した。
中国では先月、火星着陸を目指す探査機「天問1号」が火星の周回軌道入りに成功しており、女性会社員(26)は「今日の北京は、まるで火星の地上風景のよう」と驚いていた。
明日16日、東北から山陰にかけて日本海側を中心に、黄砂が飛来する可能性があります。上の気象衛星の画像を見ると、中国大陸には黄砂とみられる赤茶色の帯が延びているのが分かります。気象庁の最新の予想では、16日の午後に東北から山陰にかけて日本海側を中心に黄砂が予想されています。
黄砂が飛来すると、自動車や洗濯物に黄砂などが付着し、汚れることがあります。洗濯物は室内に干したり、買い出しなどの外出はマスクやメガネを着用したりするなど対策をすると安心です。
黄砂が飛来すると、自動車や洗濯物に黄砂などが付着し、汚れることがあります。洗濯物は室内に干したり、買い出しなどの外出はマスクやメガネを着用したりするなど対策をすると安心です。
黄砂とは
黄砂現象とは、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から、強風により大気中に舞い上がった砂や塵が浮遊しつつ降下する現象です。黄砂は砂漠域で強風が発生すること、地表面が砂や塵を巻き上げる状態であることが重なると発生しやすいとされています。日本にまで届くような黄砂は、低気圧の南側の強風域で巻き上げられることが多く、日本では春に観測されることが多くなっています。