筆の足跡

日々の出来事と趣味のお絵描きの記録です。

高村薫「七係シリーズ」

2008年11月02日 | 本・漫画・音楽


合田雄一郎は、不可解な男だと思う。
だいたいあの性格、どうなのよ!
無口だって設定のわりに、たまにしゃべると意外と口悪いし(関西弁コワっ)、
意外と短気だし(怒鳴るなよ)、意外とよく人蹴るし(長い足、もてあましてんのか?)、
仲間に対して辛辣だし、シビアだし、冷淡だし、(まあ、七係のみなさんに共通だけど)。
「マークス」では、この合田のかわいげない性格についていけなくて、
いまいちな感想しか持ってなかったけど、もう一度読みなおしてみる必要ありかも、です。

仲間内で、こんなに歪み合っていていいのって感じの「七係」の連中が、
事件解決に向かって、いっせいに動きだす時の、爽快感といったらないですね。

それ以上に合田雄一郎!
こんな難解なヤツがかわいくみえてしまうなんて……!
このシリーズを読み終えるころには、「合田雄一郎」の名前を見るだけで、
顔がにやけてしまうくらいの末期症状。
これが世に言う「ごうだほりっく」か!?

「七係」を読まずして「合田シリーズ」を読破したとは言えないんじゃないか!
といえるくらい、「七係」はいいです!。
ぜひ読むべきです!
(高村先生お得意の、下町工場の油ぎった情景も、わけのわからない拳銃分解シーンも
出てこないので、非常に読みやすいです!楽しめます!)

それにしても森くん、君って言われたい放題だね。
「石頭筆頭」やら、「手癖の悪い」やら「地獄耳」……。
一番笑えるのが「お供の森」。こう何回もそう表現されると抗議する気もないでしょ?
まあ「合田殿様」に仕える「お蘭」だもんね、仕方ない。

それはそうと雄一郎、台所に溜まった水は早めに拭き取ったほうがいいと思うよ。
きのこは生えないだろうけど、フローリングが剥がれるよ。
それより下の家に漏れたりしたら厄介だし。
(ちり取り泥棒の汚名があるんだからね)
っていうか、嫁もらおうよ。加納義兄でいいからさ。つくしてくれると思うよ。
最後、銃弾に倒れた雄一郎、今は病院で義兄との蜜月を過ごしていると、信じてます。