筆の足跡

日々の出来事と趣味のお絵描きの記録です。

日の出ハイム「針のかたなと御器のふね」

2009年01月06日 | 本・漫画・音楽


日の出ハイム「針のかたなと御器のふね」

タイトルからわかるように一寸法師を元にしたお話。
ただし子供向け童話のほうではなく原典のほう。
時代はきらびやかな平安時代。
ほとんど男しか出て来ないけどきらびやかです。美しいです。

日の出ハイムさんの作品で今まで読んだ中では、これが一番好きです。
(といっても大して読んでいるわけではありませんが)

主人公の兵九郎がとにかくかわいいです。←一寸法師役
抜け目ないようで、しっかり抜けている憎めない性格←世間知らずの田舎者ですから。
異端な容姿ゆえにけっこう重いものを背負って生きてきたはずなのに、
とっても澄んだまっすぐな目をしております。ぐっときます。
スモール兵九郎がお椀を背負った姿、愛いです!←重いものってこれか?
水干(すいかん)姿萌え!
手乗り兵九郎、我が家にも一つ欲しいっす!

そしてここでいい味だしているのが、兵九郎が手なずけようとした相手、藤原琴平。
帝の血を引く高貴なお家の美青年。
これが抜けているようで、あなどれない人物で。
世間知らずの兵九郎のこと、すっかり手玉に取られてしまうんですが、
この青年も良い男です!

つまり良い男ばっかりなわけで。
良質な御伽草子を読んでいる気分になります。

ただひとつ不満を言うとしたら、「なんでキスだけなんですか!!」
その後は?その後は?
ああ……!不完全燃焼!
勝手に妄想してくれってことですか?
しますとも!って、どっちが「受」でどっちが「攻」なんだろ???

このコミック、帯に4コマ漫画ついてます。
しかも表紙カバーを取るとそこにも漫画が!
とってもお茶目なコミックです!