筆の足跡

日々の出来事と趣味のお絵描きの記録です。

藤代泉「ボーダー&レス」

2009年12月22日 | 本・漫画・音楽


藤代泉「ボーダー&レス」

この世界はどこにだって、見えない溝がある。たとえば僕ら二人の間にも。─新入社員の僕とソンウの友情を描く話題の青春小説。第46回文藝賞受賞作。

先日友人と駅で待ち合わせしていたところ、
人身事故発生で(こんな年末に飛び込むなよ~)一時間ほど遅れるとのこと。
しかたないのでエキュートの本屋さんで時間つぶそうと思ってたまたま手に取ったのがこの「ボーダー&レス」
立ち読みして面白かったので続きを読みたくて図書館で借りました。

一般書です(BLじゃありません。cochiは一般書も読みます!)
文藝賞受賞作です!

わたしが本を選ぶときの条件として、まず主人公が男であること。
そして女性の作家さんであること。
(警察小説は男性作家でも読みます)
女の目線で書いた男が好きなんです。
反対に男目線で書かれた女は嫌いです。

えっと本の感想です。
主人公ダメ新人サラリーマン「りーりん」(「理倫」だから「りーりん」)と
在日韓国人「ソンウ」との友情物語です。

いかにも現代の若者「りーりん」のいいかげんで力の入らなすぎの生き方に笑いが。
彼の熱意のない仕事への取り組み方が(喫煙室に行けばなかなか帰ってこないし、外出すればお茶して帰ってくるし、そのくせ見た目だけにはこだわるし)、周囲に不快感を与えているとか、都合良くセフレ扱いしていた女友だちを思いやることができず、傷つけてしまったとか、あげく、とっても仲良く付き合っていた「ソンウ」の、在日であることゆえの心の葛藤とか悩みとかに向き合おうとせずに気まずくなってしまうとか……、
そんな経験と通して「りーりん」が成長していく、そういうお話です。←たぶん
基本的に「りーりん」は憎めない良い子です。
素直に反省し学習します。

「りーりん」と「ソンウ」の関係がなかなかツボです。
男同士っていいな~と思います。
下ネタばしばし言い合える仲って最高。
(BUMPの会話も下ネタ多いしね、男の子ってホントもう~!)
それに決定的な対立があったとしても
次にあった時にはなんとなく仲直りができてしまう。
これが女同士だったら、ねちねち、ぐだぐだと永遠に引きずると思う。

そしてそして、けっして腐っていないけど、そこはかとなく薫る腐の匂い……。
ふふふ~。
それを嗅ぎ付けるのが一般書を読む醍醐味ですね~。←腐っても腐女子!
好みでいうと「ソンウ」のほうです。
寡黙でまわりに怖がられている彼が「りーりん」とじゃれあう姿はちょっと萌えます。

ということで「りーりん」と「ソンウ」意外と楽しめましたので紹介させていただきました!