図書館で借りた。

窪美澄さんの、星をモチーフにした短編5編。一人称で語られる。
コロナによる社会と生活の変化が背景にある。
真夜中のアボガド
婚活アプリでみつけた優しい男性麻生さんとつきあい始める。双子の妹、弓ちゃんは若くして突然死していて、その彼氏村瀬君もとても優しい人で、私はアボガドの種を育て始めるが、麻生さんには奥さんも子どももいたことがわかり・・・・双子座を見上げる。
銀紙色のアンタレス
僕は高校生、夏休みおばあちゃんの家へ泳ぎに行く。おさななじみの朝日も遊びに来るが、僕は歩くんを連れたたえさんに心惹かれてしまい・・・たえさんは蠍座、でもアンタレスを知らなかった。
真珠星スピカ
私は中学生、母さんは死んでしまった。でも、幽霊になって私には見える。私は学校でいじめられていて、近所の尚ちゃんが先生としてかばってくれるが、尚ちゃんはちょっと空気読めない。スピカは戦時中真珠星と呼ばれていた。父さんはお母さんに真珠のピアスをプレゼントしたことがあって・・・・
湿りの海
妻は娘を連れてアリゾナへ去って行った。お隣に女の子を連れた船場さんが越してきた。いっしょに海へ出かけたりするようになるが・・・・天文学者エティエンヌ・トルーベロが描いた「湿りの海」だけが残った。
星の随に
僕は小学生、お父さんとお母さんは離婚して、僕は新しいお母さんである渚さんと弟の海君と父さんと暮らしている。駅前でカフェを経営している父さんの仕事はコロナのせいでうまく行っていない。渚さんは育児で疲れていて、僕は夕方まで家に入れなくなり、僕は本当のお母さんと自由に会いたいし、お母さんと暮らしたい。近所のおばあさん佐喜子さんの家で塾までの時間を過ごすようになるが、空襲の絵を描いていた佐喜子さんも居なくなり・・・夏休み、僕は家族で星が見たい。
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主人公は、小学生の男の子が1人、中学生の女の子が1人、高校生の男の子が1人、成人女性が1人、成人男性が1人。
皆、とても繊細で優しい。ほかの登場人物も。
だけど、生活は決して順調とは言えず、静かな悲しさのようなものが漂っている。
でも、しなやかさのようなものも感じられ、乗り越えていけるように感じさせられる。
小説としてうまいな~と思わされる。
主人公たちが若いから、というのもあるかな。
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帯広、半日で120cmの積雪!
国内史上最多だそうだ。
これはもう災害だね。
普通の日常を送ろうとしてはいけない。
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この辺りは・・・・今のところほとんど降ってない。