晴耕雨読ときどき・・・

超初心者のガーデニング。北海道の山野草の庭。

晩秋行

2025-02-22 15:28:03 | 図書室

図書館の新刊書のコーナーでみかけて、一度は借りずにおいたが、やっぱり読んでみるかと読み始めて・・・

面白かった。

さすがハードボイルド小説の大御所というところか。

主人公は62歳。

かつては地上げ会社でバブルを謳歌した。

しかし、社長は主人公が愛した女と夜逃げした。10億以上はするクラシックカーとともに。

女、酒、居酒屋料理、銀座の夜の世界、それらの見方、情報がちりばめられている。

そして、主人公が魅力的。

30年前の納得いかない出来事の真実はどこにあるのか。

いまだに追いかけてくる金の亡者と暴力団。

まあ、クライマックスに種明かしされてみれば「ありえね~」と言いたくなる設定、筋書きもある。

しかし、30年をひきずる60前後、あるいはボケた振りをできるkey person に身につまされる。

年寄り向けの純愛ハードボイルド小説、かな。

元の題は「残照の森」だったそうだ。

残照、より晩秋、の方がいいかもね。

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龍のなく街

2025-02-22 15:11:51 | 図書室

羽田で、千歳空港大雪による欠航のために時間を潰すか、あるいは近隣のホテルで泊まらなければならなくなりそうなので、書店で数冊の本を買った。

そのうちの1冊。

ハードボイルド・アクション小説、と思ったが、なんとも設定もストーリーも結末もお粗末だった。

舞台は新宿、主人公は歳の離れた恋人と暮らしている。

大沢在昌の新宿鮫に似ていないか?

対するは中国マフィア。

馳星周の不夜城に似ていないか?

作者は私より5つ年上、書かれたのは15年以上前。

まだ新宿での中国系とのいざこざに情報として新鮮味があったのだろうか??

アクション部分にも新鮮味なし。

まあ、時間つぶしにはなった。

 

 

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わが心のジェニファー

2025-02-18 11:29:43 | 図書室

浅田次郎の現代物。

USA青年が恋人に結婚の条件として日本を自分の目で観てきて、と言われて東京、京都、別府、釧路を旅する。

主人公の青年は、海軍提督であった祖父と祖母に育てられた。祖父は大の日本嫌いであったが、恋人は日本の文化に夢中。

日本へやってきた青年は、日本文化の素晴らしさ、日本人の親切さ、繊細さ、おもいやりに感動する。

浅田次郎は文章が上手。

そして、コミカルタッチなのでとても読みやすい。

おまけに日本礼讃が続くので読んでいて気持ちが良い。

しかし・・・・ニューヨークで働くソーシャライツ(socialite; 上流社会のお金持ち)がこれほど無垢かね。

恋人がどうして、これほどまでに日本びいきなのか、どうして主人公を気に入っているのか、最後まで書かれていない。

最後に明かされる主人公の出自や父母との別離のわけも克明に書かれているわけではない。

まあ、楽しく読めた。

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夜に星を放つ

2025-02-05 08:06:47 | 図書室

図書館で借りた。

窪美澄さんの、星をモチーフにした短編5編。一人称で語られる。

コロナによる社会と生活の変化が背景にある。

真夜中のアボガド

 婚活アプリでみつけた優しい男性麻生さんとつきあい始める。双子の妹、弓ちゃんは若くして突然死していて、その彼氏村瀬君もとても優しい人で、私はアボガドの種を育て始めるが、麻生さんには奥さんも子どももいたことがわかり・・・・双子座を見上げる。

銀紙色のアンタレス

 僕は高校生、夏休みおばあちゃんの家へ泳ぎに行く。おさななじみの朝日も遊びに来るが、僕は歩くんを連れたたえさんに心惹かれてしまい・・・たえさんは蠍座、でもアンタレスを知らなかった。

真珠星スピカ

 私は中学生、母さんは死んでしまった。でも、幽霊になって私には見える。私は学校でいじめられていて、近所の尚ちゃんが先生としてかばってくれるが、尚ちゃんはちょっと空気読めない。スピカは戦時中真珠星と呼ばれていた。父さんはお母さんに真珠のピアスをプレゼントしたことがあって・・・・

湿りの海

 妻は娘を連れてアリゾナへ去って行った。お隣に女の子を連れた船場さんが越してきた。いっしょに海へ出かけたりするようになるが・・・・天文学者エティエンヌ・トルーベロが描いた「湿りの海」だけが残った。

星の随に

 僕は小学生、お父さんとお母さんは離婚して、僕は新しいお母さんである渚さんと弟の海君と父さんと暮らしている。駅前でカフェを経営している父さんの仕事はコロナのせいでうまく行っていない。渚さんは育児で疲れていて、僕は夕方まで家に入れなくなり、僕は本当のお母さんと自由に会いたいし、お母さんと暮らしたい。近所のおばあさん佐喜子さんの家で塾までの時間を過ごすようになるが、空襲の絵を描いていた佐喜子さんも居なくなり・・・夏休み、僕は家族で星が見たい。

            ー

主人公は、小学生の男の子が1人、中学生の女の子が1人、高校生の男の子が1人、成人女性が1人、成人男性が1人。

皆、とても繊細で優しい。ほかの登場人物も。

だけど、生活は決して順調とは言えず、静かな悲しさのようなものが漂っている。

でも、しなやかさのようなものも感じられ、乗り越えていけるように感じさせられる。

小説としてうまいな~と思わされる。

主人公たちが若いから、というのもあるかな。

           ///////////////

帯広、半日で120cmの積雪!

国内史上最多だそうだ。

これはもう災害だね。

普通の日常を送ろうとしてはいけない。

            ー

この辺りは・・・・今のところほとんど降ってない。

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私の実家が売れません!

2025-01-20 09:30:30 | 図書室

図書館で見かけて読んでみた。

作者は、何度か受賞歴もある小説家。

ジイサンが住んでいた家の処分のあれこれを書いている。

          ー

勉強になった。

不便な場所の

少なくとも親族は誰も住みたくも使いたくもない

もう亡くなったオジサンのせいでゴミ屋敷になっている

築75年の木造住宅で

敷地の関係で再建不可物件!

著者のがんばりで家は50万で売れ、ハッピーエンドとなるのだが、

どうして負動産で、放置するとよりやっかいなことになっていくかも書かれている。

          ー

対応方法は、早い時期に話し合っておくことなのだが、それがなかなか難しいことも想像できる。

法律、財務、不動産取引、ゴミ処理、建築の知識が必要になったりもする。

そして現代ではネット、アプリの使いこなし。

気力、体力、時間が必要で、年寄りには難しい。

作者は自由業で、時間がとれて、地理的にも現地に通うことができなんとかなった。

さて、みなさん、大丈夫ですか?

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