クッキーのブログ

我家のマスコット犬周辺のできごとを徒然なるままに

【号外16】 館山・勝浦(2)

2007年04月16日 | 【号外】
【サンゴ キクメイシ】

沖ノ島から、赤山地下壕を経て、今回の目的地の沼サンゴへ向かう。

満開の菜の花道を進むと、少し大きめの池が目の前に広がってくる。
遠くで農作業であろうか、発電機の駆動音だ。
雲雀の囀りも聞こえる。
さっきから人も車も全く行き交わない。
少し汗ばんできた。

件の発電機を動かしているおじさんに道を伺う。
「すみません、沼サンゴはどの辺りでしょうか?」
「あぁ、あの土手を上がって左の方さね。」
「ありがとうございます。あの道を行けばいいんですね。」
「ん。こっちの畦道から回って行けば近いよ。」

畦道を通るなんて何年ぶりだろうか。
しばし言われた通りに進むと、
おう、これか!?

天然記念物「沼サンゴ層」と書かれた御影石製の石碑の隣に、一箇所に集めら
れた約6000年前のサンゴの化石が、数種類、小屋の中に無造作に転がって
いる。「これだけ?」とも思ったが、まぁ、こんなもんだろう。

北緯35°付近の館山市は、現在世界に生息する造礁性サンゴ分布の最北限だ
そうだ。6000年前(縄文時代)は現在よりもずっと暖かく、海岸線の標高が
約20m!も高く、内陸側へ1kmほど入っていたのだ。
この沼地区が海岸線だったのだ。


来た道を引き返すと、さっきのおじさんが私を待っていた。
「がっかりしたろうて。ハハ・・」
私も苦笑いするしかない。

聞けば、この沼地区一帯は、ずっとサンゴ層が広がっているそうだ。
その主だったサンゴを、あの小屋に集めてあるそうだ。
だからこの付近の水は、ミネラル分が多いとか。

暫し、おじさんの傍らに座って、6000年前の風景を思い浮かべていた。
そして、ずっと疑問に思っていた事が、
「・・・そうか! 分った!」

【続く】
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