雨上がりの空気が心地よく肌を包んでは逃げていく。
朝方にはゴミを荒らしていたカラスも、この時間になるとねぐらへ帰っていない。
通り過ぎていくエンジン音の余韻がこだまする。
何に疲れたのかなんて、どうでもいいのか、わからなくなってくるのか、
ちゃんと燃え尽きることが出来たのかを確認するように歩を進めると、
自粛による経済破壊活動で沈んで行く音があちこちから聞こえてくる。
多くの為政者たちは、火の粉がかからない答えに飢えている。
どのような傾向があるのかを探って、相場を張るような思い切った判断はしない。
失敗したってポストを失うだけで済むのに・・・なんて思ってしまう。
科学的根拠なんて言うけれど、要するに経験則。
データを取るまでの間、被害は拡散するし被害者もでる。
逆説的にに言えば、そんな流暢なことができるウィルスだったということもできる。
やがて日本列島も梅雨にはいる。
エアコンで涼を取る人も増えてくる。
不要不急が叫ばれて患者が減ったお陰もあって、
医療崩壊をおこさなかった病院に、またあの人達は集まってくるのだろうか。
心地よい風に吹かれて夕暮れの空を見上げると、やっぱりすべてが溶けて行ってしまう。