怖い父

私の父は、会社の社長であり本家の長であったりと、頼りにされる事も多く、またイニシアチブを発揮しなければならない事も多く、家に帰ってもまさに天上天下唯我独尊を絵に描いたような人間でした。（むしろ会社や各会合では人の良い人間で通っていた様なきがします）

当然、私にとっては怖い父親で、小学校の頃から厳しく育てられ、よく罵声を浴びせられ、鉄拳制裁も普通にありました。

私にとっての父の厳しさは、その後社会に出て遭遇する数々のプレッシャーに対する免疫のようなモノになっていたと思います。物販業やサービス業に従事していますと、いわゆる反社会的といわれる方々と渡り合わなければならない事も、幾度と無くあります。このようなことは特別な事ではなく、１部上場の某メーカーに勤めている友人ですら、たまにある事と言っていました。

私も子供に対しては厳しく接しているつもりです。正直、私とは違い従順で真面目な性格なもので、鉄拳制裁を加える事はあまりございません。物足りない部分もあり、怒る時は結構きつい事を言ったりします。それでも、彼を取り巻く環境には私の頃とは違い、怖い先輩もいなければ、怪我をしない程度に叩いてくれる先生もいない。それとは逆行する様に、治安は日々悪くなっていく。無菌室で育った子供達には、社会の荒波にもまれる前に、少しは刺激があった方がいいと思います。