さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

ファンファーレ~Nr.1~

2020-09-21 | オペラ研究
3連符の分散和音が鳴り響く時…
その瞬間は、2回あります。


1回目は第一番2重唱で。




~結婚式~

結婚式と言えば、人生の節目です。
伴侶を得て、新たな人生の第一歩を踏み出す瞬間です。
そのスタートという門出に、ファンファーレが鳴り響きます。


ほんの数年前までは、
夫婦を表す英単語の一つとして『Man and Wife』が使われていました。
直訳すると、『人と妻』です。
今でも女性の地位が低い場所がありますが、
女性の人権が叫ばれるようになったのは、ここ数十年。
お茶出しが女性の仕事である職場はまだあるでしょう。
日本では女性の首相は生まれておらず、
官僚の割合も少ないです。
女性の天皇はいましたし、
伊勢神宮に祀られている天照大御神は女性なんですけどね…。

今は夫婦のことを英語で『Husband and Wife』と呼ぶ人も多いです。
直訳すると『夫と妻』ですね。

今でも結婚式では、妻となる女性はその父親のエスコートで
バージンロードを歩き、夫となる男性に、引き渡されます。
…女性はモノではないという論議があります。
天からのギフトであるという意見もありますが。




フィガロの時代は、まだ『Man and Wife』の時代でした。
スザンナを得て、フィガロは一人前の人間になるのです。

その門出を祝って、スザンナを得て、
ファンファーレが鳴り響きます。

主和音で3連符の分散和音が。




~成人式~

人生の節目に、成人式もあります。

振袖を着たり、
お酒を飲んで暴れてニュースになったり…。

昔でいうところの元服。
12~16歳くらいだったでしょうか。




~ケルビーノの元服~

フィガロがアリア『もう飛ぶまいぞ』を歌う時、
アリアの最後の方で、やはり3連符の分散和音が響きます。
9番アリアの97小節目、
A-A-B-Aと歌い終わって、コーダに入った後です。

 チャラチャラした格好は卒業だ。
 給料は安いが、軍人らしくなれ!
 栄光のケルビーノ、栄誉ある軍隊の!


成人式というと、20歳くらいをイメージしますので、
元服というイメージの方がいいような気がします。
まだ変声もしていない(ので女声によって歌われる)ケルビーノが元服した時、
その門出を祝って、
ファンファーレが響きます。

主和音で3連符の分散和音が。

…これからいろいろありますが、
ケルビーノは大人の男になったのです。

…そして、いろいろあるのです。
大人の男として、ロジーナと。




~ファンファーレ~

スザンナとフィガロの結婚式当日の朝。
これから二人にも、いろいろなことが起こります。

ですが、二人は夫婦になります。

その門出を祝って、ファンファーレが鳴っているのです。




~モーツァルトの女性に対する態度~

男性は、妻を得て嬉しいと、
女性は、夫を得て嬉しいと、
それぞれが喜びそうですが、
スザンナは、私のためにと、
つまり、妻は自分のことを、
フィガロは、お前のためにと、
つまり、夫は妻のことを、
喜んでいます。

Sembra fatto in ver per me
Sembra fatto in ver per te

この目線、モーツァルトならではだと思います。
…余談ですが。

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