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加藤厚生労働大臣の発言の変更の意味

2020-05-09 22:31:12 | 医学・病気
加藤厚生労働大臣の発言の変更の意味。

加藤厚生労働大臣は、新型コロナウイルスのPCR検査に向けた相談センターへの相談の目安を、

「37・5度以上の発熱が4日続いた場合」

と言った。

この意図は。

「もし、発熱患者が、コロナだったら、日本は、PCR検査の、体制が、全く不十分であり、発熱患者を、全て、病院で引き受けていたら、院内感染を、起こす、危険があり、病院が、クラスター、を起こす危険、がある」

というのが、言葉に出しては言わなかったが、政府の意図である。

事実、役所も、その方針で、動いていた。

しかし。コロナにかかった、患者の症状は、

「味覚が無い」、「味がわからない」、

などという、軽い症状で現われることも、あることは、わかっていた。

では、なぜ、今になって、過去の発言に、「その意図はない」

と、ムキになって、言い出したのか。

それは。

「37・5度以上の発熱が4日」、は続かなく、軽い症状で、「自分はコロナに感染したのではないか?」

という、心配をし、実際に、コロナに感染していて、死んでいった、人たち、「岡江久美子さんもそう」、を、国は、見殺しにした、と、いうことになってしまうからである。

国民は、国に、税金を納め、日本の法、を、守る、かわりに、国家は、全ての国民の命を守る義務があるのである。

そうでなければ、国家とは、言えなくなる。


しかし、コロナに関しては、事情が違う。

「日本は、PCR検査の、体制が、全く不十分であり、発熱患者を、全て、病院で引き受けていたら、院内感染を、起こす、危険性があり、病院が、クラスター、を起こす危険性、が、ある」

というのは、事実なのである。

だから、万一、発熱した人が、コロナに感染していたのだったら、医療が崩壊してしまう。

というのは、事実なのである。

また、コロナの危険度は、よく、わかっておらず、致死率が低いウイルスである、ということが、わかっていた、という理由もある。

「37・5度以上の発熱が4日、続いたら、それは、コロナ感染の可能性がある」、という、医学的根拠は全くない。

しかし、コロナの怖さが、メディアで放送された後で、「熱が、平熱より、ちょっとでも上がったり、体に少しでも異変を感じたら、すぐに病院に来て下さい」、と政府が言ってしまうと、病院に、わっと、多くの人(コロナ感染者を含む)、が来てしまって、病院は、パニック状態になってしまう。

つまり、政府は、非常に、困難な、問題に直面したのである。

「一人を殺す可能性がある行為(1)」、という危険と、「100人を殺す可能性がある行為(2)」、という、危険、の、どちらかを、選はなくてはならない、という選択をせまられたのである。

この場合は、国家は、(2)、より、(1)、を選択する、というのは、仕方がないことである。

だから、(少なくとも僕は)、この点に、於いて、国家を批難はしない。

だから、ちゃんと、相談センターに相談する目安は、「37・5度以上の発熱が4日続いた場合くらい」、にしないと、「日本は、PCR検査の、体制が、全く不十分であり、発熱患者を、全て、病院で引き受けていたら、院内感染を、起こす、危険性があり、病院が、クラスター、を起こす危険性、が、ある」

から、そういう指針にしたと、正直な理由を言えばいいのである。

しかし政府は、コロナの軽い症状の発症で、死んだ、人達に、

「国は、国民を見殺しにした」

と言われる、ことを、おそれて、過去の発言の、裏の本当の意図、を、ムキになって、訂正しているのである。

これは、見苦しい。

(僕としては)

国家は、

「一人を殺す可能性がある行為(1)」、という危険と、「100人を殺す可能性がある行為(2)」、という、危険、の、どちらかを、選はなくてはならない、という選択を国家が、せまられたのだから、(2)、の危険を回避する選択をしたことに、対して、国家を批難はしない。

ただ、ウソは、言わないで、欲しいものである。

まあ、安倍政権、や、自民党に、ウソを言わず、本当の事を言え、と、期待することは不可能なことだが。

というより、こういう事は、政府としては、どうしても、正直には、言いにくい事である。
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