主よ。玉城デニー氏を当選させて下さり有難うございます。
悪魔、の、菅義偉官房長官、小泉進次郎、二階、その他、ウジ虫、自民党議員ども (石破茂と水月会を除く)、をしりぞけてくださり、ありがとうごさいます。
二階は、「敗因をよく考える」、だとよ。バカは死ななきゃ治らんな。はよ死ね。
☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これによって、彼はあらためて、ウチナンチュ(沖縄人)のヤマトンチュ(本土人)に対する憎しみの激しさを知ったのである。
その時、ちょうど、米軍のヘリコプターが、ババババッと、大きな爆音をたてながら、地上、近くに降りてきた。国際通りにいたウチナンチュ達は、一斉に、ヘリコプターに向かって、
「米軍は、沖縄から出ていけー」
と拳を振り上げて叫んだ。すると、米軍のヘリコプターに乗っていたアメリカ人は、ズガガガガーと、機銃掃射をしてきた。国際通りに出ていた人達は、あわてて店の中に隠れた。
大東徹も女を連れて、公設市場の中に隠れた。
ヘリコプターは、市役所の前の広場に着陸した。中から、おもむろに、レイバンのサングラスをした、マドロスパイプを燻らせている、長身の男が、出てきた。男は拡声器を口に当てて言った。
「オキナワノ、ミナサン。ムダナテイコウハ、ヤメテ、ブキヲステテ、テヲアゲテ、ゼンイン、デテキナサイ。ソウシナイト、ゼンイン、ゲリラトミナシ、シャサツシマス」
そう言って、四人のアメリカ人が、国際通りにやってきた。ガムをクチャクチャ噛みながら。国際通りは、水を打ったようにシーンと静まりかえっている。四人のアメリカ人は、ガムをクチャクチャ噛みながら、我が物顔にノッシ、ノッシとのし歩いた。その時、ある、土産物店から、石が四人に向かって投げられた。
コーン・コロコロ。
と石は、転がって四人の米兵の前で止まった。四人の米兵は、ピタリと足を止めた。マドロスパイプを咥えていた、隊長らしき男が、火炎放射器を持った白人に、顎をしゃくって合図した。合図された米兵は、その店の戸を開けると、火炎放射器をブオオオオーと店の中に放射した。
「うぎゃー」
店の主人と思われる老人が、火達磨になって、転がるように店から出てきた。
「た、助けてくれー」
老人は、救いの手を求めるように、米兵たちに向かって、手を差し出した。しかし、米兵は、クチャクチャ、ガムを噛みながら、容赦なく目の前の、老人に、さらに、火炎放射器をブババババーと浴びせかけた。
「うぎゃー」
始めは、のたうちまわっていた老人は、だんだん動かなくなっていった。それでも、米兵は火炎放射器を拭きかけ続けた。ついに、老人は全く動かなくなった。それはもう、人間の原型をとどめていなかった。そこにあるのは黒焦げの死体だった。
「サア、コレデ、オドシデナイコトガ、ワカッタデショウ。サア、ミンナ、ブキヲステテ、テヲアゲテ、デテキナサイ」
レイバンのサングラスをかけた、マドロスパイプを咥えた、米兵が拡声器を使って言った。
公設市場に身を潜めていた彼は、スックと立ち上がって、歩き出した。
「お、おい。ヤマトンチュ。何をする気だ」
公設市場の親爺が、焦って彼の腕を掴んで引き止めようとした。だが彼は、親爺の腕を振り払った。
「おい。親爺。ちょっとこれを借りるぜ」
そう言って彼は、大きな鉄の鍋を手にした。
「な、何をする気だ?ヤマトンチュ」
親爺が聞いた。
「俺は俺の意志でやりたいようにする」
そう言って、彼は店を出て、国際通りに、一人、立ちはだかった。米兵達は、すぐに彼に視線を向けた。
「ヤットヒトリ、デデキマシタネ。サア、テヲアゲナサイ」
米兵は拳銃を彼に向けて忠告した。だが彼は手を上げようとしない。
「サア。ハヤク、テヲアゲナサイ。サモナイト、ブキヲモッテイルト、ナミシマスヨ」
そう言って、米兵の一人がバキューン、バキューンと空に向かって拳銃で威嚇射撃した。
「やめなよ。弱い者いじめは」
彼はそう言って、ツカツカと米兵達の方に歩み寄って行った。
「ワレワレノシジニ、シタガワナイノデスネ」
そう言うや、米兵は、彼の方に向かって、バキューン、バキューンと射撃してきた。始めは威嚇射撃だったが、だんだん米兵達は、本気で彼を狙って撃ってきた。彼は、鉄の鍋を顔の前に構えて盾にして、腰を低くして、左右にジグザグに、米兵達に向かって、突進していった。バキューン、バキューンと撃ってくる拳銃の弾が、カキーン、カキーンと鍋に弾き返された。
彼は、拳銃で撃ってくる米兵にタックルした。
「オー、マイ、ゴッド」
米兵は、彼の強烈なタックルを受けて倒れた。
「キエー」
彼は、米兵の首にビシッと手刀をぶち込んだ。そして米兵が持っていた拳銃を奪い取り、米兵の右手を背中に捻り上げて、米兵の背中に回って、米兵を盾にした。そして、拳銃を米兵の頭に突きつけた。
「さあ。貴様ら、全員、武器をこっちに寄こせ。さもないと、こいつの命がないぞ」
そう言って、彼は、拳銃の銃口をグリグリと米兵の頭に押しつけた。
「オー。マイ。ゴッド。ブキヲステテクダサイ」
米兵は、オロオロした様子で、仲間の三人の米兵達に、ペコペコ頭を下げて哀願した。
「シ、シカタアリマセーン」
三人の米兵達は、口惜しそうに、火炎放射器、機関銃、拳銃、などを、彼の方に放って寄こした。
「ほら。親爺。これを隠しとけ」
そう言って、彼は、拳銃や機関銃を、近くのスーベニールショップに放り込んだ。店の中では、サササッと音がした。店の中にいたウチナンチュの親爺が受け取ったのだろう。
これで武器はなくなった。
彼は、盾にしてた米兵の腕を思い切り、後ろに捻り上げ、グリッと関節を捻った。
「ウギャー」
米兵が悲鳴を上げた。肘の靭帯が切れたのだろう。
彼はスックと立ち上がった。三人の米兵は、ササッと彼を取り囲んだ。
「ユー。クレイジーネ。ニチベイアンポデス。ダレガニホンヲ、マモッテヤッテイルトオモッテイルノデスカ。ユルシマセーン」
そう言って、三人の米兵は身構えた。
「コノオトコハ、モト、WBAヘビー級ボクシングノ、チャンピオンデス」
そう言ってマドロスパイプを咥えたレイバンのサングラスをかけた男が、右隣の黒人の米兵を指差した。その黒人の男は、クラウチングスタイルで、拳を顔の前で構えた。
「コノオトコハ、モト、AWAノ、プロレスリングノ、チャンピオンデース」
そう言ってマドロスパイプを咥えたレイバンのサングラスをかけた男は、左隣の白人の男を指差した。指差された白人の巨漢男は、大きく手を広げて身構えた。
「ソシテ、ワタシハ、モト、プロフットポールノ、クォーターバックデス」
マドロスパイプを咥えた男は、自分を指差して言った。
「You go to hell ネ」
そう言って、三人は、ジリジリと彼に詰め寄ってきた。三人の米兵は、同時に、わっと彼に襲いかかった。
元ヘビー級ボクサーの黒人は左のジャブを繰り出してきた。彼はそれをウィービングで、サッと避けると、キエーという、鋭い気合と共に、横蹴りを黒人の腹に蹴りいれた。
「ウガー」
黒人は、もんどりうって地に伏した。黒人は倒れたまま、白目を開けて全身をピクピク痙攣させている。それを見て、残りの二人はゴクリと唾を呑み込んだ。
次に、元プロレスラーの巨漢男とマドロスパイプの男が、ジリジリと間合いを詰めて、わっと襲い掛かってきた。
「キエー」
彼は裂帛の気合と共に、元プロレスラーの男の金的を蹴り上げた。
「ウギャー」
元プロレスラーの男は、天地の裂けるような悲鳴を上げて、倒れ伏した。
元フットボーラーの顔が青ざめた。彼は慎重にジリジリと彼に詰め寄って行き、わっと彼にタックルしようとした。
「チェストー」
彼は、それをスッと避けると、裂帛の気合と共に、彼の人中に正拳突きを叩き込んだ。タックルしようとして、掴みかかろうとしたのが、カウンターになって、威力倍増し、一撃で男は地に倒れた。
「ガ、ガッデーム。サノバビッチ」
マドロスパイプの男は、鼻血を出しながらフラフラと立ち上がると、倒れている二人の男を助け起こした。腕をへし折られた米兵と、彼に一撃で倒された三人の米兵は、ヨロヨロとふらつきながら、ヘリコプターの方に戻ろうと踵を返した。
「ユー。リトル、ストロングネ。バット、オボエテイナサイ。アイ、シャル、リターン」
とレイバンのサングラスをかけた男は、振り向いて、負け惜しみの、捨てセリフを言った。四人は、ヨロヨロと覚束ない足どりで、ヘリコプターに乗り込んだ。バババババッとヘリコプターが始動し、宙に舞い上がった。ヘリコプターは向きを変え、ズガガガガーと彼を狙って、機銃掃射してきた。
「おい。親爺。機関銃を寄こせ」
彼は、機関銃を放り込んだ店の親爺に言った。
「へ、へい」
親爺は、恐る恐る機関銃を彼に渡した。彼は機関銃を受け取ると、ヘリコプター目掛けて、ズガガガガーと撃ち込んだ。それがヘリコプターのガソリンタンクに命中し、ヘリコプターは、ボワッと炎上した。
「ガッデーム。サノバビッチ」
ヘリコプターに乗っていた米兵の口惜しそうな声が聞こえてきた。
炎上したヘリコプターは、フラフラと飛行し、ついに、地上に墜落し、ボワンと炎上した。
その時、国際通りの両側の店に、隠れていた人々が、
「うわー。やったあー。ざまあみろ」
という歓喜の雄叫びを上げて出て来た。彼らは、しばし、快感の余韻に浸っていたが、それが鎮まると、ようやく、もとの落ち着きを取り戻し始めた。
彼らは、みな、はっと気づいたかのように彼の方に振り向いた。みな、彼に向かって恭しく頭を下げた。その中で、一人、仙人のような白髪の老人が、つかつかと彼の方に歩み寄ってきた。
「わしは、この島の長老の金城知念尚敬というもんじゃ。今年で120歳になる。あんた。すまんかったの。余所者あつかいして、意地悪してしもうて」
老人は深々と頭を下げた。
「いえ。いいんです。人間として当然のことをしたまでです」
彼は、何も無かったかのように平然と答えた。
「ヤマトンチュにも、わしら、のために身を挺して戦ってくれる者もおるもんじゃな。どうも、わしらは、ヤマトンチュに対して、偏見を持っておったようじゃ。すまん」
そう言って老人は、飯屋「チャンプルー」の親爺をジロリと見た。
「おい。ぬしゃー。まだ、料理に、ヤマトンチュ用とウチナンチュ用と区別ば、つけとるんか?」
「へ、へい」
親爺は、決まり悪そうに言った。
「もう、やめんか。ヤマトンチュいじめは。何度も言うたじゃろうが」
「へ、へい」
親爺は決まり悪そうに返事した。
「これでもう、安心して、何でも食べんしゃい。沖縄の料理は、うまいけに」
そう言って長老は深々と頭を下げた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(拙作、沖縄バスガイド物語、より一部、抜粋)
悪魔、の、菅義偉官房長官、小泉進次郎、二階、その他、ウジ虫、自民党議員ども (石破茂と水月会を除く)、をしりぞけてくださり、ありがとうごさいます。
二階は、「敗因をよく考える」、だとよ。バカは死ななきゃ治らんな。はよ死ね。
☆
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これによって、彼はあらためて、ウチナンチュ(沖縄人)のヤマトンチュ(本土人)に対する憎しみの激しさを知ったのである。
その時、ちょうど、米軍のヘリコプターが、ババババッと、大きな爆音をたてながら、地上、近くに降りてきた。国際通りにいたウチナンチュ達は、一斉に、ヘリコプターに向かって、
「米軍は、沖縄から出ていけー」
と拳を振り上げて叫んだ。すると、米軍のヘリコプターに乗っていたアメリカ人は、ズガガガガーと、機銃掃射をしてきた。国際通りに出ていた人達は、あわてて店の中に隠れた。
大東徹も女を連れて、公設市場の中に隠れた。
ヘリコプターは、市役所の前の広場に着陸した。中から、おもむろに、レイバンのサングラスをした、マドロスパイプを燻らせている、長身の男が、出てきた。男は拡声器を口に当てて言った。
「オキナワノ、ミナサン。ムダナテイコウハ、ヤメテ、ブキヲステテ、テヲアゲテ、ゼンイン、デテキナサイ。ソウシナイト、ゼンイン、ゲリラトミナシ、シャサツシマス」
そう言って、四人のアメリカ人が、国際通りにやってきた。ガムをクチャクチャ噛みながら。国際通りは、水を打ったようにシーンと静まりかえっている。四人のアメリカ人は、ガムをクチャクチャ噛みながら、我が物顔にノッシ、ノッシとのし歩いた。その時、ある、土産物店から、石が四人に向かって投げられた。
コーン・コロコロ。
と石は、転がって四人の米兵の前で止まった。四人の米兵は、ピタリと足を止めた。マドロスパイプを咥えていた、隊長らしき男が、火炎放射器を持った白人に、顎をしゃくって合図した。合図された米兵は、その店の戸を開けると、火炎放射器をブオオオオーと店の中に放射した。
「うぎゃー」
店の主人と思われる老人が、火達磨になって、転がるように店から出てきた。
「た、助けてくれー」
老人は、救いの手を求めるように、米兵たちに向かって、手を差し出した。しかし、米兵は、クチャクチャ、ガムを噛みながら、容赦なく目の前の、老人に、さらに、火炎放射器をブババババーと浴びせかけた。
「うぎゃー」
始めは、のたうちまわっていた老人は、だんだん動かなくなっていった。それでも、米兵は火炎放射器を拭きかけ続けた。ついに、老人は全く動かなくなった。それはもう、人間の原型をとどめていなかった。そこにあるのは黒焦げの死体だった。
「サア、コレデ、オドシデナイコトガ、ワカッタデショウ。サア、ミンナ、ブキヲステテ、テヲアゲテ、デテキナサイ」
レイバンのサングラスをかけた、マドロスパイプを咥えた、米兵が拡声器を使って言った。
公設市場に身を潜めていた彼は、スックと立ち上がって、歩き出した。
「お、おい。ヤマトンチュ。何をする気だ」
公設市場の親爺が、焦って彼の腕を掴んで引き止めようとした。だが彼は、親爺の腕を振り払った。
「おい。親爺。ちょっとこれを借りるぜ」
そう言って彼は、大きな鉄の鍋を手にした。
「な、何をする気だ?ヤマトンチュ」
親爺が聞いた。
「俺は俺の意志でやりたいようにする」
そう言って、彼は店を出て、国際通りに、一人、立ちはだかった。米兵達は、すぐに彼に視線を向けた。
「ヤットヒトリ、デデキマシタネ。サア、テヲアゲナサイ」
米兵は拳銃を彼に向けて忠告した。だが彼は手を上げようとしない。
「サア。ハヤク、テヲアゲナサイ。サモナイト、ブキヲモッテイルト、ナミシマスヨ」
そう言って、米兵の一人がバキューン、バキューンと空に向かって拳銃で威嚇射撃した。
「やめなよ。弱い者いじめは」
彼はそう言って、ツカツカと米兵達の方に歩み寄って行った。
「ワレワレノシジニ、シタガワナイノデスネ」
そう言うや、米兵は、彼の方に向かって、バキューン、バキューンと射撃してきた。始めは威嚇射撃だったが、だんだん米兵達は、本気で彼を狙って撃ってきた。彼は、鉄の鍋を顔の前に構えて盾にして、腰を低くして、左右にジグザグに、米兵達に向かって、突進していった。バキューン、バキューンと撃ってくる拳銃の弾が、カキーン、カキーンと鍋に弾き返された。
彼は、拳銃で撃ってくる米兵にタックルした。
「オー、マイ、ゴッド」
米兵は、彼の強烈なタックルを受けて倒れた。
「キエー」
彼は、米兵の首にビシッと手刀をぶち込んだ。そして米兵が持っていた拳銃を奪い取り、米兵の右手を背中に捻り上げて、米兵の背中に回って、米兵を盾にした。そして、拳銃を米兵の頭に突きつけた。
「さあ。貴様ら、全員、武器をこっちに寄こせ。さもないと、こいつの命がないぞ」
そう言って、彼は、拳銃の銃口をグリグリと米兵の頭に押しつけた。
「オー。マイ。ゴッド。ブキヲステテクダサイ」
米兵は、オロオロした様子で、仲間の三人の米兵達に、ペコペコ頭を下げて哀願した。
「シ、シカタアリマセーン」
三人の米兵達は、口惜しそうに、火炎放射器、機関銃、拳銃、などを、彼の方に放って寄こした。
「ほら。親爺。これを隠しとけ」
そう言って、彼は、拳銃や機関銃を、近くのスーベニールショップに放り込んだ。店の中では、サササッと音がした。店の中にいたウチナンチュの親爺が受け取ったのだろう。
これで武器はなくなった。
彼は、盾にしてた米兵の腕を思い切り、後ろに捻り上げ、グリッと関節を捻った。
「ウギャー」
米兵が悲鳴を上げた。肘の靭帯が切れたのだろう。
彼はスックと立ち上がった。三人の米兵は、ササッと彼を取り囲んだ。
「ユー。クレイジーネ。ニチベイアンポデス。ダレガニホンヲ、マモッテヤッテイルトオモッテイルノデスカ。ユルシマセーン」
そう言って、三人の米兵は身構えた。
「コノオトコハ、モト、WBAヘビー級ボクシングノ、チャンピオンデス」
そう言ってマドロスパイプを咥えたレイバンのサングラスをかけた男が、右隣の黒人の米兵を指差した。その黒人の男は、クラウチングスタイルで、拳を顔の前で構えた。
「コノオトコハ、モト、AWAノ、プロレスリングノ、チャンピオンデース」
そう言ってマドロスパイプを咥えたレイバンのサングラスをかけた男は、左隣の白人の男を指差した。指差された白人の巨漢男は、大きく手を広げて身構えた。
「ソシテ、ワタシハ、モト、プロフットポールノ、クォーターバックデス」
マドロスパイプを咥えた男は、自分を指差して言った。
「You go to hell ネ」
そう言って、三人は、ジリジリと彼に詰め寄ってきた。三人の米兵は、同時に、わっと彼に襲いかかった。
元ヘビー級ボクサーの黒人は左のジャブを繰り出してきた。彼はそれをウィービングで、サッと避けると、キエーという、鋭い気合と共に、横蹴りを黒人の腹に蹴りいれた。
「ウガー」
黒人は、もんどりうって地に伏した。黒人は倒れたまま、白目を開けて全身をピクピク痙攣させている。それを見て、残りの二人はゴクリと唾を呑み込んだ。
次に、元プロレスラーの巨漢男とマドロスパイプの男が、ジリジリと間合いを詰めて、わっと襲い掛かってきた。
「キエー」
彼は裂帛の気合と共に、元プロレスラーの男の金的を蹴り上げた。
「ウギャー」
元プロレスラーの男は、天地の裂けるような悲鳴を上げて、倒れ伏した。
元フットボーラーの顔が青ざめた。彼は慎重にジリジリと彼に詰め寄って行き、わっと彼にタックルしようとした。
「チェストー」
彼は、それをスッと避けると、裂帛の気合と共に、彼の人中に正拳突きを叩き込んだ。タックルしようとして、掴みかかろうとしたのが、カウンターになって、威力倍増し、一撃で男は地に倒れた。
「ガ、ガッデーム。サノバビッチ」
マドロスパイプの男は、鼻血を出しながらフラフラと立ち上がると、倒れている二人の男を助け起こした。腕をへし折られた米兵と、彼に一撃で倒された三人の米兵は、ヨロヨロとふらつきながら、ヘリコプターの方に戻ろうと踵を返した。
「ユー。リトル、ストロングネ。バット、オボエテイナサイ。アイ、シャル、リターン」
とレイバンのサングラスをかけた男は、振り向いて、負け惜しみの、捨てセリフを言った。四人は、ヨロヨロと覚束ない足どりで、ヘリコプターに乗り込んだ。バババババッとヘリコプターが始動し、宙に舞い上がった。ヘリコプターは向きを変え、ズガガガガーと彼を狙って、機銃掃射してきた。
「おい。親爺。機関銃を寄こせ」
彼は、機関銃を放り込んだ店の親爺に言った。
「へ、へい」
親爺は、恐る恐る機関銃を彼に渡した。彼は機関銃を受け取ると、ヘリコプター目掛けて、ズガガガガーと撃ち込んだ。それがヘリコプターのガソリンタンクに命中し、ヘリコプターは、ボワッと炎上した。
「ガッデーム。サノバビッチ」
ヘリコプターに乗っていた米兵の口惜しそうな声が聞こえてきた。
炎上したヘリコプターは、フラフラと飛行し、ついに、地上に墜落し、ボワンと炎上した。
その時、国際通りの両側の店に、隠れていた人々が、
「うわー。やったあー。ざまあみろ」
という歓喜の雄叫びを上げて出て来た。彼らは、しばし、快感の余韻に浸っていたが、それが鎮まると、ようやく、もとの落ち着きを取り戻し始めた。
彼らは、みな、はっと気づいたかのように彼の方に振り向いた。みな、彼に向かって恭しく頭を下げた。その中で、一人、仙人のような白髪の老人が、つかつかと彼の方に歩み寄ってきた。
「わしは、この島の長老の金城知念尚敬というもんじゃ。今年で120歳になる。あんた。すまんかったの。余所者あつかいして、意地悪してしもうて」
老人は深々と頭を下げた。
「いえ。いいんです。人間として当然のことをしたまでです」
彼は、何も無かったかのように平然と答えた。
「ヤマトンチュにも、わしら、のために身を挺して戦ってくれる者もおるもんじゃな。どうも、わしらは、ヤマトンチュに対して、偏見を持っておったようじゃ。すまん」
そう言って老人は、飯屋「チャンプルー」の親爺をジロリと見た。
「おい。ぬしゃー。まだ、料理に、ヤマトンチュ用とウチナンチュ用と区別ば、つけとるんか?」
「へ、へい」
親爺は、決まり悪そうに言った。
「もう、やめんか。ヤマトンチュいじめは。何度も言うたじゃろうが」
「へ、へい」
親爺は決まり悪そうに返事した。
「これでもう、安心して、何でも食べんしゃい。沖縄の料理は、うまいけに」
そう言って長老は深々と頭を下げた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(拙作、沖縄バスガイド物語、より一部、抜粋)