水島聡のチャンネル桜で。小林よしのり氏が、陛下に仕える渡辺允侍従長が、サンデープロジェクトで、女性宮家を容認すべきだ、と発言した。ことを引き合いに出して、陛下にお仕えしている侍従長が陛下の意に反することを言うとは考えられない、と小林よしのり氏は発言した。一方、チャンネル桜の水島聡や、他の学者は、侍従長の発言=陛下のお心、ととらえるべきではないと、発言した。これは、どちらの意見が正しいのか。
軽く聞いていると、小林よしのり氏の発言がもっともなように感じられる。
しかし、よく考えてみると。
陛下も、皇位継承問題に関して、何らかのお考えを持っておらせられるかもしれない。
しかし、いくら側近で、陛下の身近にいて、陛下と話されているからといって、陛下が、政治的な考えを、もらしたり、お述べになったりすることは、絶対ありえないと私は考える。お顔にもお出しになられないと思う。
政治に関係のない雑事のことなら、お話しになられるであろうが。
そして、もう一つ。
たとえば、糖尿病の人が、腹一杯食べたいが、食べてはならないと思っている場合を、例として考えてみたい。この場合。
「腹一杯、食べたい」というのは、その人の思いである。しかし、
「腹一杯、食べてはならない」というのも、その人の思いである。
この場合、その人は、全く違った正反対の二つの思いを同時に持っている、といえる。
前者は感情的な思いであるのに対し、後者は知性的な自制の思いである。
陛下にあらせられても、皇位継承問題に関しては、全く別の思いを二つ、同時に持っておられる、かもしれない可能性は、考えられる。だから、やはり水島聡の言うように、侍従長の発言=陛下のお心、ととらえるべきではない、というのが間違いなく正解だろう。
陛下のお気持ちを忖度することは、恐れ多く不敬であるので、これ以上は書けないが。
陛下も、皇位継承問題について、個人的に、こうあって欲しい、という希望というか感情をお持ちになっておられる、かもしれない。しかし、陛下は、天皇という立場に生まれたことの十字架を背負われておられるのである。だから陛下にあらせられては、自分の思い通りになって欲しい、という、お考えはなく、日本のために一番よいように、皇位継承問題が解決されて欲しい、と思っておられて、それが陛下の本当のお気持ちである、と私は100%、絶対的に確信している。
私は、小林よしのり氏のゴーマニズムは、読んでいない。はっきり言ってレベルが低すぎて時間と金の無駄だからである。氏は、東大一直線の頃からナルシストだった。それはいいが、感情的に嫌いな人間の顔を徹底的に醜く描き、感情的に好きな人間の顔を美化して描く、という、論理に感情を入れまくるという、ことは私の最も忌み嫌う行為である。ただ氏を初めて見た時、あっ、彼は喘息内向性の人間だな、とすぐにわかった。内向的な人間は、物事の本質的な洞察には強いが、世事には疎いのである。