古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十六章 御廻文写し 其の八

2014年09月02日 04時41分24秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

「御廻文写し」第二頁、上の五~六行目

 

解読 質物ニ右山林受取置候品与存候。全躰田畑少キ

    村方山林之稼キも不断相成り不申候而者いよ々々以

読み 質物に右山林受け取り置き候品と存じ候。全体田畑少なき

    村方山林の稼ぎも不断相成り申さず候ては、いよいよ以て

解説 最初の難しい熟語は「質物」『しちぶつ』です。担保物件として。 「受取置候品」・・・「受取」も難しいし、次の「置」も難解です。「置」の右下の縦棒は「候」です。「品」の崩しも難しい。形で覚える字。 「与存候」・・・「与」は変体仮名の「と」です。 「品と存じ候」・・・事情だと思います。 「全躰」・・・全体。「躰」は旧字体。 「山林之稼キも」・・・山仕事での収入も。 「不断」・・・『ふだん』、普段、平生、通常。 「相成り不申候而者」・・・山林での収入も、仲々無い状況では。 「いよ々々以」・・・「いよ」「く」と見えますが、「く」は長く伸ばす、繰り返しの記号です。「以」は上の語調を強める言葉。更に、益々。