古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十九章 拝仕御米之事 其の二

2014年09月21日 05時56分55秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

「拝仕御米之事」第一頁、上の本文の一~二行目

 

解読 右者私共浦村嘉永五子年ひそん傷ニ付

    荒多ク上毛高へもたれ強『つをく』御年貢志のぎ難

読み 右は私ども浦村嘉永五子年、ひそん傷みに付き

    荒れ多く上毛高へもたれ強く、御年貢凌ぎ難く

解説 「右は」・・・右に書いた米拝借願いの件は。 「私共」・・・「共」がわかりにくいですが、この文書は、全体に文字は読みにくい様です。

「浦村」・・・「浦」もわかりにくい。 「嘉永五子年」・・・江戸時代の人々はどの様に読んだのかわかりませんが、この様に書きます。一八五二年。「年」は前行にも出ましたが、形で覚えるよりほか有りません。 「ひそん傷」・・・漢字で書けば「干損傷み」。旱魃で田畑が乾いて、収穫が少ない事。 「荒多ク」・・・「荒」も「多」も難解です。穀物の実りが少ないこと。 「上毛高」・・・収穫の多い年の穫れ高。「毛」はヒラカナの元字で「も」ですがここでは漢字の「毛」。 「もたれ強」・・・強く依存すること。「強」・・・読めませんが「つをく」と振り仮名が付いています。「つよい」を「つおい」と発音するのはこの地方の方言の一種です。 「御年貢」・・・「具」が読めませんが、文章の流れで読みます。 「志のぎ難」・・・凌ぎ難く。年貢納付と言う大事を乗り越えるのが難しく。