古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十六章 御廻文写し 其の十二

2014年09月06日 05時56分52秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

「御廻文写し」第三頁、上の一~二行目

 

解読 事ニ候。夫ニ付、在中借方拂筋惣而元銀ニて永年

    賦返済ニ銀主共へ相對い多し候事ニ候へ者、口熊野

読み 事に候。夫れに付き在中借り方払い筋全て元銀にて永年

    賦返済に銀主どもへ相対いたし候事に候えば、口熊野

解説 「事ニ候」・・・相成らざる事に候。其の村の山林にして置かないではいけない事である。 「夫ニ付」・・・その件について。 「在中借方」・・・村内の金を借りた人。 「拂筋」・・・お金を払うほうの人。「拂」・・・「払」の旧字体。 「惣而」・・・すべて。 「元銀ニて」・・・この意味が判りません。真の銀貨といういみか? 「永年賦返済」・・・長期の分割払い。 「銀主共へ」・・・貸し主へ。「主」が読みにくい。二度目ですが。 「相對い多し候事ニ候えば」・・・合意した事であるので。「相對」は合意する事、納得すること。「對」は「対」の旧字体です。 最後は「口熊野」・・・熊野の入り口の意味で、旧和歌山県西牟婁郡付近の地方を言います。