古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十章 乍恐口上書附 其の一

2014年09月28日 06時53分06秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「乍恐口上書附」第一頁、上の表題部と一~二行目

 

解読  一、當村後地うゐ之儀、元来井戸釣揚

      水而巳ニ而、田人共難儀仕候ニ附、大井関

読み 一つ、当村後地ういの儀、元来井戸釣り揚げ

    水のみにて、田人ども難儀仕り候に附き、大井関

解説 「乍恐」・・・恐れながら。 「口上書附」・・・口頭で言う事を文書にしたもの。 「一」・・・「一つ」と読む。この様な文書を「ひとつ書き」と言います。 「當村」・・・「當」は「当」の旧字体。 「後地うゐ」・・・田並上村の地名。「うゐ」=「うい」。川や山に挟まれた細長い地形の土地のこと。 「之儀」・・・後地ういと言う所は。 「井戸釣り揚げ水」・・・井戸から汲み上げる水。 「水」の形に注意。 次の四文字は薄くて読むのは困難ですが、「而巳ニ而」と書いています。「のみにて」と読みます。古文書特有の言葉です。 「田人共」・・・百姓ども。 「難儀」・・・「儀」が難しい。 「大井関」・・・大井と言う所の関。「関」は「堰」のこと。川の水流を堰き止めて、潅漑用水として利用するもの。「関」の字も難しい。