古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十章 乍恐口上書附 其の二

2014年09月29日 05時32分48秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「乍恐口上書附」第一頁、上の本文の三~四行目

 

解読 用水余り水取候積ニ而新溝掘継奉願候由

    然處元田人共何等差支之品等無之哉

読み 用水余り水取り候積もりにて、新溝掘り継ぎ願い奉り候由

    然る処、元田人ども何等差し支えの品等これ無きや

解説 「用水」・・・大井堰用水。大井堰から取水する潅漑用水。「用水」・・・崩し方は形で覚える。 「余り水」・・・この三行目は用紙の継ぎ目になっているので、途切れた字があります。このページには、「水」の字が三回出ますので、よく見て下さい。 続いて読みにくい字は、「取候積ニ而」・・・(余り水を)取る積もりで。 次の四文字も読みにくいですが、「新溝掘継」と書いています。余り水を取水する為の新溝を掘り継ぐ工事。 継ぎも読むのは難しいですが、「奉願候由」・・・願い奉り候由。新しい溝を掘り継ぐ工事を願い出たとの事。 「然處」・・・然る処。所が。 「元田人」・・・元々堰の水を使っていた百姓。 「何ホ」・・・「何等」・・・なんら。何も。 「差支之品等」・・・差し支える事情など。「ホ」の様な「等」の崩しが二回続けて出ています。「品」も難解文字です。 「無之哉」・・・これ無き哉。「哉」は形で覚えるほかありませんが、疑問を表す助詞です。「無いか」