古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四十一章 乍恐御断書付 (有田文書)其の三

2015年05月20日 05時13分43秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐御断書付」第一頁、上の五~六行目

 

解読 申候ものも有之との義ニ付、一ノ谷

    山之義者家近にて、此上火の用心

 

読み 申し候者もこれ有りとの義に付き、一の谷

    山の義は家近にて此の上火の用心

解説 薄くて読みにくいですが、「申候ものも」・・・焼き払ってしまおうかと言った者も。 「有之との義ニ付」・・・言った者も居ると言う事なので。「義ニ付」も読むのは困難です。 「一之谷山」・・・一の谷と言う山の名前。 「之義者」・・・の義は。一の谷山については。 「家近」・・・『いえちか』。民家が近くに有ると言う事。 次の読めない字は、合成文字で「にて」と読みます。 次ぎも読みにくい。「此上」・・・この上。これ以上。更に。 「火の用心」・・・「用」の崩しに注意。  昨日、「志多・シダ」の説明が洩れましたが、「シダ」はシダ植物の総称で、「羊歯」とも「歯朶」とも書きます。正月に床の間に飾るウラジロも「羊歯」で、若い芽がワラビです。第十九章に出た、田並側の文書で「一之谷の貫衆」と言う言葉が出ましたが、「貫衆」が鬼ワラビと解説したのは間違ってなかったと言う事になります。