馬場あき子の旅の歌24(2009年12月実施)
【向日葵の種子】『雪木』(1987年刊)124頁~
参加者:K・I、N・I、Y・I、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・S 司会とまとめ:鹿取 未放
187 街衢曲れば窓しみじみと歪みたる西安民屋に夜は満ちてゐつ
(まとめ)
先月鑑賞した「紺」にも「暗き灯の一つを点し民屋は土間に据ゑたり一つのかまど」があった。ここも同じ場面だろうか。それとももう少し夜が更けた場面だろうか。少し細い路地へ曲がったところ歪んだ窓を持つ民衆の家があった。窓が歪んでいるくらいだから貧しい家である。一軒とも数軒とも書かれていないが、その一角には窓が歪んだ家々が連なっていたのかもしれない。「暗き灯の」の歌のようにぼんやりと暗い灯りが漏れていたのかもしれない。歪むの形容が「しみじみと」であるところで歌になった。上から目線ではない作者の嘆息がきこえるようだ。(鹿取)
【向日葵の種子】『雪木』(1987年刊)124頁~
参加者:K・I、N・I、Y・I、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・S 司会とまとめ:鹿取 未放
187 街衢曲れば窓しみじみと歪みたる西安民屋に夜は満ちてゐつ
(まとめ)
先月鑑賞した「紺」にも「暗き灯の一つを点し民屋は土間に据ゑたり一つのかまど」があった。ここも同じ場面だろうか。それとももう少し夜が更けた場面だろうか。少し細い路地へ曲がったところ歪んだ窓を持つ民衆の家があった。窓が歪んでいるくらいだから貧しい家である。一軒とも数軒とも書かれていないが、その一角には窓が歪んだ家々が連なっていたのかもしれない。「暗き灯の」の歌のようにぼんやりと暗い灯りが漏れていたのかもしれない。歪むの形容が「しみじみと」であるところで歌になった。上から目線ではない作者の嘆息がきこえるようだ。(鹿取)