2025年度版 渡辺松男研究46(2017年2月実施)
『寒気氾濫』(1997年刊)【冬桜】P154~
参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:①曽我 亮子 ②渡部 慧子
司会と記録:鹿取 未放
384 冬の樹の梢にありき雲水にあこがれし日の少年われは
(レポート②)
冬の樹の梢ということで何もまとっていなくて風、光、雨に感じやすい様が想像できる。少年でありながら修行僧にあこがれていたとは驚きだ。『人はかつて樹だった』(みすず書房)という長田弘氏の詩集を思い出す。(慧子)
(当日発言)
★『人はかつて樹だった』というのはどういう詩ですか?(鹿取)
★そういう詩があるというだけで、内容は知らないです。(慧子)
★木登り少年だったのかなと思いました。そしてずっと空を見ていた。『けやき少年』という歌集がありましたし。(真帆)
★この歌は大好きな歌です。〈われ〉は少年時代に禅僧にあこがれていたんですね。梢にあったのは木 登りが好きでしばしば木の枝に坐っていたのでしょう。何もかも削ぎ落した冬の木と雲水には共通項がありますね。(鹿取)
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