ブログ版渡辺松男研究 ⑦(まとめ)(13年7月)『寒気氾濫』(1997年)
【八月十五日うつそみ、パーフェクト・エッグ】
参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子
61 耳鳴りを空気の音とおもうときうつそみはああ穴だらけなり
★戦死した兵士などのイメージであろうか、穴だらけのうつしみという
把握はおそろしいものがある。(鹿取)
62 乳白色の湯船に首を浮かばせて首はただよいゆくにもあらず
★「浮かばせて」の連想で「海にお船を浮かばせて行ってみたいなよその国」という
歌を思い出した。船ならよその国に行けるが、湯船に首を浮かばせてみてもどこに
もゆけないということか。それとも、ただ珍しい湯に浸かって浮かれている歌なのだ
ろうか。しかし、もし胴体から切り離されて首だけが漂うことがあったら恐ろしい。戦国
時代の敵の首をかくなどという話も思い出させる。(鹿取)
【八月十五日うつそみ、パーフェクト・エッグ】
参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子
61 耳鳴りを空気の音とおもうときうつそみはああ穴だらけなり
★戦死した兵士などのイメージであろうか、穴だらけのうつしみという
把握はおそろしいものがある。(鹿取)
62 乳白色の湯船に首を浮かばせて首はただよいゆくにもあらず
★「浮かばせて」の連想で「海にお船を浮かばせて行ってみたいなよその国」という
歌を思い出した。船ならよその国に行けるが、湯船に首を浮かばせてみてもどこに
もゆけないということか。それとも、ただ珍しい湯に浸かって浮かれている歌なのだ
ろうか。しかし、もし胴体から切り離されて首だけが漂うことがあったら恐ろしい。戦国
時代の敵の首をかくなどという話も思い出させる。(鹿取)
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