ブログ版 清見糺の短歌鑑賞
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
223 食道の癌見てしよりたんじゅんなうんめいろんしゃとなりてやすけし
2003年6月作
何事にも積極的にはたらきかける気力を失ったときの妙な安堵感。ひらがな表記の微妙さと「やすけし」の己に言い聞かすような言葉がかなしい歌である。
224 くもりよのぢべたすれすれすべりゆくわれのけしんのごくらくトンボ
2003年6月作
癌で2回目の入院をした頃の作品。「くもりよ」は世界の政治情勢も指しているが、軽くはない癌で入院を余儀なくされている自分の運命でもあろう。そういう暗い世を、自分の化身である極楽トンボが地べたすれすれにかろうじて飛んでいる。作者の死後に振り返ってこの歌を見るせいか、暢気者を罵っていう「ごくらくトンボ」が自分を突き放す働きを担いきれておらず、かえって哀れさを誘われる。
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
223 食道の癌見てしよりたんじゅんなうんめいろんしゃとなりてやすけし
2003年6月作
何事にも積極的にはたらきかける気力を失ったときの妙な安堵感。ひらがな表記の微妙さと「やすけし」の己に言い聞かすような言葉がかなしい歌である。
224 くもりよのぢべたすれすれすべりゆくわれのけしんのごくらくトンボ
2003年6月作
癌で2回目の入院をした頃の作品。「くもりよ」は世界の政治情勢も指しているが、軽くはない癌で入院を余儀なくされている自分の運命でもあろう。そういう暗い世を、自分の化身である極楽トンボが地べたすれすれにかろうじて飛んでいる。作者の死後に振り返ってこの歌を見るせいか、暢気者を罵っていう「ごくらくトンボ」が自分を突き放す働きを担いきれておらず、かえって哀れさを誘われる。
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