かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞 137

2021-08-01 20:37:03 | 短歌の鑑賞
  ブログ版清見糺短歌鑑賞21 99年   鎌倉なぎさの会 鹿取未放


137 東シナ海おだやかに凪ぎうりずんの嘉手納に核がごろごろといる
         「かりん」99年7月号

 結句の「いる」が眼目だろう。うりずんの美しい沖縄と禍々しい核の取り合わせ。この二項対立の単調さを救っているのは、核を無気味な生き物のように「いる」と表現した手際による。しかし、核は甲羅のような硬いモノで覆われてわれわれの目からは隠されている。嘉手納、核、ごろごろと硬いカ行音を並べて大いなる力で拒否される違和感を表しているようだ。

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