かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 336

2024-10-28 09:59:02 | 短歌の鑑賞
  2024年度版 渡辺松男研究40(2016年7月)
    『寒気氾濫』(1997年)
    【明快なる樹々】P136~
     参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:泉 真帆    司会と記録:鹿取 未放


336 絹雲の高さが自由のごとく見え世界史にアレキサンダーを追う

    (レポート)
 絹雲の高々としたさまが、自由の象徴のようにみえたのだろう。そんなとき、東方遠征を行いペルシャを征服し、わずか十年で東はインダス川に達する大帝国を築いたアレキサンダー、アレクサンドロス3世の歩みを思い出したのだろう。(真帆)


    (当日意見)
★絹雲は巻雲が正しくてこの字は当て字のようです。(曽我)
★辞書ではどちらも載っていました。ところで、自由のごとくにちょっと引っかかっ
 たのですが、何かアレキサンダーの行った自由に関する政治があったのでしょう
 か?広々とした感じでいいかと最終 的には思ったのですが。(真帆)
★私は作者がアレキサンダーの歴史を調べていて、でもちょっと休みたいなと、そうい
 う自由はあるんじゃないかなと思った歌かと。(慧子)
★刻苦して世界史の勉強をしているのではないと思いますよ。空高く広がる絹雲を見
 ていたら、何かとっても解放された自由な気分になって、ふっと大昔のアレキサン
 ダーの事なんかを思ってみた。歴史を旅する気分ですよね。秋の空気感、淋しいよう
 なはかないようなはろばろとした気分それがア レキサンダーに通じたのじゃないで
 すか。(鹿取)


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