かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  153

2021-10-07 17:15:07 | 短歌の鑑賞
 ブログ版清見糺鑑賞 23  東芝Rupo     かりん鎌倉なぎさの会 
                             

153 壁にむかってことばを投げるそのむかし健康ボールで遊んだように
             「かりん」2000年9月号

後に挙げた小高さんの歌が参考になるだろう。小高さんの歌ではボールは兄の大きなミットに向かって投げられているのだが、そしてそれ故に安心感も競争意識もあったかもしれないが、清見糺のボール投げの相手は壁だったのだろうか。
 それはさておき、ことばを紡ぐその作業はけっこう楽しそうに読めるがどうだろうか。孤独なボール遊びの少年が長じて、ひとり言葉を紡いでいる。壁だから答えは返ってこないかもしれない。しかしそれが空しい行為にうつらないのは、健康ボールという商標の明るさによるものだろうか。

的大き兄のミットに投げ込みし健康印の軟球(ボール)はいずこ 『耳の伝説』小高 賢

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