かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 323 トルコ⑨

2024-05-16 20:49:22 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子旅の歌44(11年10月実施)
    【コンヤにて】『飛種』(1996年刊)P146~
     参加者:泉可奈・N・I、K・I、崎尾廣子、藤本満須子
         T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
                     

323 神学校の屋内に瞑想の泉ありて苦しめるものは耳を休めき

     (当日意見)
★今はこの泉に水はない。325番歌(水涸れし瞑想の泉に膝つきてかの日いもうとが
 みしものを見む)に水が涸れていると詠われている。(藤本)
★三句目十一音にもなるのに泉ありてと「て」を入れているのはわざと。また、「き」
 は過去の助動詞だから耳を休めたのは昔の話。(鹿取)


      (まとめ)
 神学校の屋内には今も瞑想の泉の跡が残っているのであろう。しかし水はもう涸れているのだ。はるか昔、その神学校で学び、生の苦しみを取り去りたくてそこで瞑想していた者たちは、その泉の音に耳を休め、心をなぐさめられたのだろうなあ、と想像している。(鹿取)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 馬場あき子の外国詠 321... | トップ | 馬場あき子の外国詠 324... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事