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いつも行くショッピングセンター内の本屋さん。
久々に入ってみたら前と何だか雰囲気が違う。
ボックス内にはいつもスタッフさんが4,5人くらい忙しそうにしていたのに2人しかいない。
で、良く見たらカウンターのレジも無くなって、その前に大きなセルフレジのマシンが2台並んでいました。
スーパーの機械よりもかなりゴチャゴチャして操作が面倒そう。
「へ~、どこぞも人を減らすためには機械を導入していくしかないか、ついに本屋さんまでねぇ?」と思いながら立ち読みをしていたら何やら大きな声が聞こえてきた。
レジの方に目を向けるともう80にはなろうかと言うおじいさんがかなり興奮した様子で杖を床でコンコン鳴らしながら若い店員さんに怒鳴っている。
「なんで会計をしてくれんのか?」
「ですから私たちはアドバイスはできますが、操作はお客様で・・」
「こげんな機械はさっぱりわからんちよ!」
「はい・・ですからまずこのボタンを押して・・」
「だから、横にあんたがいるんだから全部してくれたら良かどが?」
アルバイトかなと思われるお姉さんはもう泣きそうな顔でおじいちゃんの相手をしている。
もう一人のベテランさんのような女性は奥で別な客の対応をしながらも状況は分かっているようでチラチラと見てはいるが出てこようとはしない。
おじいちゃんがだんだん杖を高い位置に持ち上げ始めたので、「これは、これ以上エキサイトし始めたら止めんといかんなあ・・」なんて横目で見ていたのだが、急に小脇に抱えていた何冊かの本を台の上にドンと置くと「もう良か!」と言い残して赤い顔をしながら店を出て行ったのであります。
まあね、どちらの言い分も解ります。
おじいちゃんにしたら今まで好きな本をここで買って帰り、家で読むのを楽しみにしていたのであろうけれども急にへんてこりんな機械の前に連れて来られて「さあ、今日からはこの機械を自分で操作してお金を払ってくださいね!」なんて言われたらそれは怒りたくなりますよね。
若い店員さんにしたらおそらく「スタッフはそばで教えてあげるのは良いけれども手を出したらダメ!」と厳しく言われてるんではないかな。
セブンイレブンとかセルフのガソリンスタンドもそうですもんね。
おじいさんも店側もそれを見ていたこのオジサンも誰ひとり得しなかった出来事だったのでした。
まあね、決まりはあるのかも知れないけれども操作が難しい場合は横で教える時間があるのであればササツとやってあげれば良いのにと思うし、有人レジもひとつくらいは残しておくべきだと思うんですよね。
なんか自動化の流れの中でそれに乗っていけない人たちは犠牲になっても仕方がないと言われているようで自分の将来も不安になったオジサンでありました。