あのうの幸せトンボ

日々の何気ない出来ごとを、思いつくままに……。

忘却とは?

2011-11-18 22:34:43 | 日記
次女から七五三のお参りに、自分が子供のころに来ていた着物を
娘に着せるから準備しておいて!と先日電話が入った。
23日にお参りに行く予定だと言う。
メールで袖丈と着丈を聞いておいたが、
まだ日があると思って準備がしてなかった。
今日は、あまり予定もないから着物を出してみなければと思い、
タンスを開けたが、仕舞ってあると思うところに着物がない。
何処へ仕舞ったのかしら?と思い当るところを探してみる。

タンスを開けて探しているうちに
ウン十年前の嫁入り時に、実家の母が作ってくれた「もんぺ」が
たくさん出てきた。
農家へ嫁入るんだからと、農作業用の「もんぺ」を
夜なべをしながら作ってくれた母の姿が脳裏に浮かぶ。
しかし、若いころは「もんぺ」をあまり履かず、ジーパンで農作業することが多かった。
たくさん履き残したもんぺを見て
あの時にもっと履けばよかったといまさら乍ら思う。
亡き母がこの光景を見たら何と思うだろう。
農業をやめてしまったわが家では、
もう、履く機会もないだろうもんぺを前に、
処分する事も出来ず、また、元通りに仕舞った。

あちこちの引き出しを開けたり閉めたりして、いるうちに
何気なく開けた引き出しから、孫に着せる着物が出てきた。
「あぁー良かった」と胸をなでおろしつつ、
昔、姑がよく探し物をしていたのを思い出した。
その頃、まだ若かった私は「どうして、自分が仕舞った場所が分からないんだろう?」と
不思議に思ったものだが、今、同じことをしている自分を見ておかしくもある。

これが、歳を重ねるということなんだろうと一人納得する私である。