


あらすじ(「BOOK」データベースより)
史上最高額ー根津・明昌院の千両富くじに沸く江戸の町で、呉服商の大店に盗人が忍び込んだ。同心の伝三郎たちは、その鮮やかな手口から、七年前に八軒の蔵を破った神出鬼没の盗人“疾風の文蔵”の仕業に違いないと確信する。一方、江戸と現代で二重生活を送る元OLの関口優佳=おゆうは、長屋の奥さんから依頼された旦那探しと並行して、現代科学を駆使して伝三郎の捜査に協力するが…。



シリーズ2作目 大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤の読書感想文はこちら。
おゆうは蔵破りと富くじの不正を見事結び付けたけど、そのネタでつながる??? というのが正直な印象。えぇえぇ、江戸の方たちと全く同じ印象。現代科学をもってしても難しいんじゃないかと思いました。が、まぁ伝三郎を説き伏せて、捜査を進めるおゆう。おゆうはますます活動的になってきています。ちと危なっかしい感じも。現代科学で見つけた証拠が江戸では通用しないもどかしさはいつもどおり。ちょっとマンネリ気味かなとも思ったけれど、最後におゆうが見つけ出した真実には引き込まれました。そして毎度のことながら最後の最後、伝三郎の回想を読むと続きが気になるのよねぇ。全然進展しない恋仲よりも、おゆうが未来から来ているという事実が表面に出てくるのか、それが出たときにはどうなるのかが。今回一番心に残ったのは現代科学の分析担当の宇田川が伝三郎に関して推測した言葉。確信をついていてびっくり! 鋭い! おゆうこと優佳はさらりと受け流しているけれど、もうちょっと考えてみなさいよと忠告したくなりました。宇田川の優佳に対する優しさもわかりにくいけど感じられて、仕事はできるし、ひょっとして私、宇田川のファンかも!?