Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

裏ヤンマ 其の二 ~裏ヤンマの季節~

2007年07月22日 | トンボ
なかなか訪れない梅雨明けに裏ヤンマへ思いを馳せてみる。

黄昏飛翔は、シルエットを見て、ヤブだ!マルタンだ!ネアカだ!・・・
と言いながら見ているだけでも飽きないものだが、写真に撮るとなると
難しいものだ。特にマルタンヤンマは、高いところか極端に低いところを
飛ぶので、撮影は困難だ。

大抵最初に飛び始めるのは、オオヤマトンボだ。
エゾトンボ族特有の腹端の膨らんだシルエット。


オオヤマトンボ ♂

昼間普通に池を飛んでいるので、シルエットでそれとわかると、ああオオヤマね・・・
となってしまうわけだが、♀は時にシルエットを見て「何だこりゃ!?」となることが
ある。未熟個体では翅端が煙り、腹部が異様に長細くなるからだ。

やがて沼辺で産卵をしていた♀が上空を飛び出すと、次第に裏ヤンマの数も増えてくる。


マルタンヤンマ ♀

大概♀は10メートル以上の上空を飛んでいて、とても写真にはならない。
その数メートル下をガードするように飛ぶスマートなヤンマを見かけることがある。
マルタンの♂ではない。ヤブヤンマだ。


ヤブヤンマ ♂

ヤブヤンマは上記のような独特の飛び方をするのでわかるが、シルエットを見ると、
腹部が非常に長く、格好いい。


マルタンヤンマ ♂

マルタンの♂はあちこちへ移動して忙しいらしく、高さも安定しないので、撮影は
困難を極める。8月後半になってくると、比較的低い場所をゆっくりと飛んでいたり
するが、そんな頃合いに限ってスズメバチが騒ぎ出すので、怖くて撮影に集中でき
ない。

7時近くなって、だいぶ暗くなってくると、前半のメンバーはいつの間にか姿を消し、
トリをつとめるネアカヨシヤンマが登場する。


ネアカヨシヤンマ ♀

彼らの飛翔高度は暗くなるに連れて徐々に下がってくるが、地表近くもシャドウになるので
目で追うのも困難になる。最後は目視で確認できるか、彼らが先にいなくなるか?の勝負に
なる。この頃が一番あわただしく賑やかな時間であるが、とても絵になる写真など撮れない。

今年は間近で飛ぶ裏ヤンマのバッチリなショットにチャレンジしたいと思っているのだが、
どうなる事やら・・・。


注意 この記事にコメントはできませんのでご了承下さい。

百蛾夜行 第五巻

2007年07月22日 | 
カトカラとシャチホコを求めて



そろそろ夏本番である。今日は地元の祭りだったが、ずいぶんとムシムシして、
雨も降り出しそうにないので、山へと出かけてみる。
やはりこれからは何と言ってもカトカラである。
裏ヤンマと並んで、蛾も本番ということになる。
同時に、山のシャチホコ探しも楽しみの一つだ。



しかし結果から言うと目的に関しては芳しくなかった。
時期としてはまだ尚早なのか?キシタバが少数出ていたほか、
かろうじて峠のポイントで地味にジョナスが得られたのみ。。。



寂しいのでシマカラスヨトウもカトカラの仲間にしてしまいたいくらいだ。
他にもモンムラサキ、モンシロムラサキ、シラフ、ウスムラサキなどの
クチバもそこそこ出ていて、大型種が増えてくると随分賑やかになって
くる。スズメガもクルマ、モモ、クチバ、エゾ、ウンモンあたりが常駐して
いるが、時々飛び上がって小型種を蹴散らしてしまうのには困らされる。

寄り添う似たもの同士



ウスムラサキクチバにコトビスジエダシャクが寄り添う。



ネアオフトメイガとシロフクロケンモン。全く違う仲間だが、
大きさも色形も割と似ている。



コヨツメアオシャクに誘引されているナミシャクの小型種。

ナミシャクともエダシャクともつかぬ未見の種類を見かけて
写したが、そんなときに限ってストロボの接触が悪くて
写せなかった・・・。



一度出会うと度々出会えるようになるのはよくあることで、
先日初見のクシヒゲシマメイガは、今夜は♂に会えた。



峠や渓谷で見かけたカラフトゴマケンモン。オオシモフリヨトウやタッタカモクメシャチホコ
と紛らわしい。似たもの同士の中では最も普通に見られる。三年ぶりの出会いだった。
この時期、他にも似たものが出る。今回は写さなかったが、ノンネマイマイがそう。
カラフトゴマケンモンよりやや小さく、個体数は更に多い。



あまりにも小さいので見逃してしまいがちな仲間も多いが、その中から初物を探し出せる
確率は高くなく、それだけに宝探しのような醍醐味もある。これは、残念ながら初顔では
ないが、あまりの小ささに毎度感動して写してしまう。写真では小ささがわからないが、
最小のコヤガ、アヤホソコヤガ。



この時期になると、蛾に混じってチョウも灯火にやってくる。
オオムラサキは比較的見かける頻度が高い。

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で、今回の初顔。今回は天気の割には地味だった。洞窟には行かなかったが、手前の
渓谷でヒョウモンエダシャクのボロが群れていたので、あまり期待できなかったろう。



1.ヘリスジシャチホコ・・・今回の探索の成果と言えよう。
2.ツマグロキリガ・・・ひたすら地味。スルーしそうになったが思いとどまって撮影の甲斐あり。
3.ヒロオビクロギンガ・・・猫のような毛並み
4.アカフツヅリガ・・・暗がりにいて、随分大きなワモンノメイガだなあと思って一応写しておいた甲斐あり。
5.クロクモヒロズコガ
6.マエモンヒロズコガ
7.ツマキトガリホソガ
8.クロオビハイキバガ


最近、地道にミクロの同定をやっていたので数日で自宅にいながら数十種の怪しい初物が増えたが、
それに比べると地味な成果だった。通算1370種。1400目指しつつ、次回に期待・・・。

蛾の遠征・・・楽しいけど、行きはよいよい帰りは怖いで、帰りがつらい!
タップリ二時間かけて帰ることになるので、睡眠を前もって十分にとっておかないと
やばい。奥地探索の時は、ダブルヘッダーは無理だ。。。もうちょっと近ければなあ・・・。