
211系第一編成新製公式試運転に際して床下を入念に点検する車両メーカー(元東急車輛)と田町電車区職員です。 85,12,16 品川 211系公式試運転 T-Max スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
国鉄解体末期に製造された211系がいよいよ東海道線東京口から4月中に撤退する事になりました。この211系は153系淘汰のために製造された車両です。153系時代には2ドア車の153系さえ通勤輸送に充てられていましたが2ドア車故に乗降に手間取り遅延の元凶となっていました(当時の国鉄は通勤輸送に2ドアの153系を入れないと廻らない様な逼迫した車両需給状態であったとも言えます)。そのために153系淘汰の際に゛踊り子゛運用と普通列車運用を見直しをして分離が図られ゛踊り子゛運用を185系に、普通列車運用を211系に振り分けました。
当時は113系全盛期でしたので211系のステンレス車体は逆に目立つ存在となりました。特に新製配置では間に合いませんでしたが後に二階建グリーン車も登場し普通列車でも高い位置からの視線が楽しめるために東海道新幹線100系と共に新しい時代の到来を感じ、非常に新鮮に見えた記憶があります。

ダイヤ改正を前に乗務員訓練が続けられていました。この場所も今は背景にマンションが出来てしまい、消滅した撮影地といえます。画面を良く見ると日影に雪が残っています。 86,02,12 真鶴 211系試9997M T-Max スキャナー : Nikon COOLSC
E231系が主流になってからは当たり前になりましたが基本編成10両、付属編成5両と言うのは153系からの流れを引き継いだものとなっていますが基本編成11両+付属編成4両の113系が大勢を占めていた時代にはあきらかに一線を画していました。そのためにダイヤが乱れた際は途中で分割した付属編成を基本編成にまた連結しなくてはならない制約が運用上もあり、運用上はかなり使い勝手が悪かった様です。また今では何の不思議にも思いませんが、MT比率が低くなったのも211系からでした。全く部外者ながらユニット不動を起こしたらどうするのだろう?と心配したのも良い想い出です。

「この電車は211系といい3月3日から東海道線で運転されます。 国鉄」と窓に手書きで書かれた紙が窓に貼られていました。 86,02,12 根府川 211系試運転 T-Max スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
この211系は私にとってはあまり相性の良い列車ではありませんでした。座席の高さが極端に足が短い私にとっては座り心地が悪いし、ロングシートとクロスシートが編成によってまちまちで来るまでわからないのも211系を嫌った理由のひとつでした。また快速゛アクティー゛では110k/h運転されるのですがヨーダンパーがないために高速になると不規則な揺れが発生し乗り心地が悪いを越えて、乗り物酔いをしてしまう程でした。同じ快速”アクティー”でも113系は重いので蛇行動を起こすと始末に終えませんが、基本的には跳ねたりせず乗り心地から言えば113系の方が良かったくらいです。
近年、113系の後継としてE231系が東海道線を走りはじめて、高速での揺れを憂慮していたのですがさすがにヨーダンパーがあるだけで”これだけ違うのか?”と思うくらい乗り物は改善されていました。更に211系置換え用に配置されたE233系に至っては120K/h運転しても安定した乗り心地で一時は”走るんです”と揶揄されたJR東日本の通勤電車も完成に達した感があります。

異常時訓練のために113系と211系の併結の試運転。ブレーキシステムの違う両形式を救援用の読替装置で運転されましたが結局、この様な併結運転は実現しなかったのは幸いと言って良いでしょう。 86,02,10 大井町 試9903M T-MAX スキャナー : Nikon COOLSCAN ⅣED
昔からの印象が強すぎるのでしょうか?今でも、もう残り僅かと知っていてもよっぽど短区間の乗車でもない限り211系の列車が来ると嫌な顔をして後続の列車に乗ってしまう私なのです。