宗谷線や石北線の特急は動くものの、ドル箱の新千歳空港までの列車も運休が出ているので駅はごったがいしていました。地方局のカメラも盛んに取材していました。 １１，０９，０６ 札幌駅 ＦＵＪＩＦＩＬＭ ＦｉｎｅＰｉｘ ＡＸ２５０
６日の朝は強い雨音で起こされてしまいました。゛いくらこの旅の前半は乗鉄と決めてたとは言え、事前にこんな雨になるってわかっていたら、旅行自体をウヤにしたのにぃ！゛等と一人言を言いながらベッドを這い出しました。テレビの電源を入れると豊平川が遊歩道まで水かさが上がっている事を盛んに報道していましたが、札幌市内は雨は本降りながらも、そんな河川の氾濫と言う程でもない気がします。天気図とアメダスを見ると長万部から登別あたりから雲が蘭越・ニセコ～積丹半島へ雲が抜けている様で、今日の目的地の稚内ま雲の中心から外れているので、まずはひと安心です。
こんな天気ですので情報収集のために早目に札幌駅に向かう事にします。昨晩は方向がわからないので地下鉄南北線でホテルまで行ってしまうましたが、朝は地理感覚も出来たので本当は歩こうと思ったものの雨が降っていたのでタクシーで札幌駅まで向かいました。駅では列車の運休で途方に暮れている人でごったがいして、その中を地方局のカメラが廻っていました。
さて、私の乗る゛スーパー宗谷１゛号は０７：４８発です。あまり早くホームに上がっても・・・と思い、改札前のベンチで時間調整をして０７：３０前にホームにあがったら、その驚愕の光景に唖然となってしまいました。なんと「゛スーパー宗谷゛自由席」の札の下に「大休パスシニア族」が長蛇の列をなしているではありませんかぁ～その数、ざっと数えて５０人以上です！
一瞬、眼がテン！になり、たじろぎましたが今回の旅行で根室か稚内には駅舎だけでも良いから見て来たいと言う目標がありました。その目標のためには並ばなければ乗れません。不本意ではありますが列の最後尾につきました。発車１５分くらい前に゛スピード宗谷１゛号が入線してきてドアが開いた瞬間から、この人達は本当に５０歳以上なの？と思いパワーで席の獲得合戦が始まりました。その凄さに圧倒されたじろいでいる間に席は埋まり、自由席には座る事は出来ませんでした。この事態に一度は゛スーパー宗谷１゛号での稚内行きは諦めたのですが、なんとかして座る場所を見つけ、予定通り゛スピード宗谷１゛号で北上する事にしました。゛今日は多客が見込まれるので増結があります゛とアナウンスされていました。この列車は通常は４両で増結は通常、札幌よりに５～６号車が連結されるのですが、今日は１号車の前（稚内より）に２１号車～２２号車が増結され、さらに自由席は２号車のところが２２号車に変更されていて、自由席の乗客はまだしも、指定席の乗客はどこに座って良いやらと多少混乱している様でした。さて、手元の資料によると宗谷本線を走る゛スーパー宗谷゛号と゛サロベツ゛号は現在、国内の気動車特急としては最長距離を走る特急だそうで、それを知っているだけに何とか稚内まで行きたいと思ったひとつなのです。
札幌は依然として雨が降り続いて、札幌を出てすぐ渡る豊平川橋梁はかなり水位があがっていました。途中、岩見沢駅構内では前日に運休となった゛北斗星゛編成がカニのエンジンを廻した状態で留置されていました。たぶん石勝線・室蘭線等の特急も雨のために全面運休となっているので手稲の構内がいっぱいで、夜まで用のない北斗星編成を岩見沢まで疎開させたのだと思われますが、雨の中とは言え石狩川の大カーブで北斗星編成が撮れた訳でちょっと残念です。
岩見沢駅に留置されている”北斗星”編成です。機関車が連結されていたら、次駅から戻っても撮ったと思いますが、機関車は旧空知運転区に入ってしまった様でした。 １１，０９，０６ 岩見沢駅 ＦＵＪＩＦＩＬＭ ＦｉｎｅＰｉｘ ＡＸ２５０
雨は深川あたりから上がり、旭川では雲の隙間から太陽も覗くほど天気が回復して来ました。今日は乗鉄と決めているものの、いざ太陽の姿を見るとお尻の下がムズムズし、そわそわしてしまいます。もし、旭川駅の真上が青空だったら降りてレンタカーを借りて、何処かに撮影に行ったかもしれません・・・(笑)
ところで旭川駅到着直前に自由席の状態を見に行ったのですが、札幌発時点では車内通路にまで人が立って超混状態だったのが、旭川駅到着場面ではなんと車内通路には立っている人はなく、デッキに数人いる程度でした。もし札幌ー旭川間で降車するなら先行に゛オホーツク１゛号が、また後続には゛スーパーカムイ３゛号があるのになぜこの゛スーパー宗谷３゛号を利用したのか？理解に苦しみます。
さてキハ２６１系の゛スーパー宗谷１゛号は旭川から宗谷線に入りましたが、スピードは函館本線と何ら変わりないスピードで飛ばして、少し恐怖感を持つほどでした。もちろん安全をデータで保証された上での運転速度だとは理解出来ますが゛速すぎない？゛と言うのが本音です。函館本線ならまさか線路を歩く人などいないでしょうが、宗谷線あたりの列車密度だと入るなと言っても、線路を道代わりにする人も絶えないと思われます。そんな状況で１０００ｋ／ｈ近い速度で走って大丈夫なのかなぁ？と素人みたいに思ってしまいました。
旭川では晴れ間も見えていましたが、音威子府あたりでは完全に曇になってしまいました。ところで私にとっては音威子府と言えばＣ５５の急行”宗谷”ではなく、国鉄不採用にあった１，０４７名の闘争団の拠点があり、私達の支部（後に地本に変更）が音威子府・稚内闘争団を受入れて闘争を支援したために音威子府＝国鉄闘争団なのです。また、鉄ちゃんにとっては駅ホームにあったそば屋が印象的だったようで、私がまもなく音威子府とメールしたところ、複数の方からホームにあった駅そばの思い出話が返信されてきました。その駅そばは今は駅舎の中へ移動したとの事で車窓からは確認出来なかったのが残念です。
雨はどんどん強くなり抜海からは本降りになってしまいました。南稚内では旧稚内機関区を観察。ターンテーブルが現存するのを確認しＣ５５の遺産が現存するのを見て、嬉しく思いました。
゛スーパー宗谷１゛号はほぼ定時で稚内に到着しましたが、稚内の駅が棒線行止まり駅になっているのには唖然としてしまいました。もう客車組成の列車が入線する事がない事を前提に設定された駅構造に落胆。まぁ、これが北海道の鉄道の置かれている環境なのでしょう…でも、いくら考えても割り切れないものがありました。
私はＣ５５現役当時の稚内駅を知りませんが、当時の稚内駅を知る人が見たら悲鳴を上げるくらいに落ちぶれてしまった駅の様子です。 １１，０９，０６ 稚内駅 ＦＵＪＩＦＩＬＭ ＦｉｎｅＰｉｘ ＡＸ２５０
駅前の観光客相手の食堂で刺身定食を頂き、駅に戻ると復路となる”サロベツ”号に乗る乗客が改札の開始を待って列を作っていました。しかし朝見た札幌の列とは異なり、せいぜい２０人程度の列でこのままアクシデントでもない限り、間違いなく自由席で座れる事がわかり、ひと安心です。改札が始まり、自由席に進みましたが余裕で席を確保できました…と言うより旭川まで自由席に空席があったのは往路の喧騒を知っているだけに意外でした。
ところで、全く無知なのですが、゛スーパー宗谷３゛号の車窓から南稚内で停車している”サロベツ”の編成を見るまで”サロベツ”号がキハ１８３系である事を知りませんでした。さらに驚いたのが運転時分が゛スーパー宗谷゛号よりも旭川－稚内間で１０分以上も伸びている事、さらに旅の楽しみである車内販売が乗務していないのです。実際、乗ってみると列車速度も遅く、定尺レールのジョイント音も往路の２６１系に対してとても耳に入りやすい音で乗っていて心が和みました。しかしこの列車が果たして特急としての格があるかははなはだ疑問に思えてきます。この”サロベツ”号１往復は急行でも良い気がしますし、自由席１両、その他は指定席ではなく、指定席１両、その他は全て自由席が良い気がしました。
車内はマッタリムードで宗谷本線を南下します。途中、エゾ鹿の直前横断と退避不良がありその度に汽笛吹鳴、常用最大ブレーキで対応していました。
往路では降っていなかった士別ふたりも雨が降り続いているようでしたが、列車は定時で旭川駅に到着。今日は旭川駅からレンタカーを借りる予約をしています。すぐに借りに行っても良いのですが、返却の際にちょっとの時間で延長料金を徴収されるのもシャクなので、ホームで時間をつぶしてレンタカーを借り、そして函館線線路際のホテルに入りました。
今回、札幌－稚内間を乗車して一番感動した駅舎は天塩中川駅の駅舎です。たぶん特急停車駅でこれだけの駅舎は他に例をみないと思われます。 天塩中川 １１，０９，０６ ＦＵＪＩＦＩＬＭ ＦｉｎｅＰｉｘ ＡＸ２５０
