そんな年の9月といえば、今やDF200の幅を効かせている根室線狩勝峠益田山に登り、あこがれていた9070レ(DD51重連)を撮ったことでしょう。
前日夜の天気予報では函館は終日晴で札幌は朝のうち雨昼前から晴。そして十勝は晴れのち雲りと言う天気予報でした。前日札幌で明日は安全牌で終日晴れる道南へ向かいDD51を撮るか、旅行のメインターゲットである新得へ向かうべきかおおいに悩んだ末、ここは賭けようと十勝へ向かいました。しかし当日は14時を過ぎても一向に天気は回復せず、とうとう怒盛(曇り…天気が悪くて残念な気持ちのアテ文字)の中、新得駅に9070レは入ってきました。構内進入を屈辱的に撮ってから停車時間と峠を蛇のようにうねうねと登る時間差を利用して益田山に先回りしました。益田山の頂上に登っても一向に天気の回復が見込めないうちに9070レは新得駅を発車。もう半ば諦めた瞬間。雲が急速に切れ始め、あれよあれよと言う間に峠に西陽が射し出しました。慌ててカメラをセットして夢中で撮ったのがこの写真です。流石にDD51重連とはいえ峠ではスーパーチャージャーを回転させても、せいぜい30k/h程度しかスピードはなく、いつもでも金属音に近いDD51のエンジン音が峠に響いていたのを忘れることが出来ません。

96,09,19 新得(信) 9070レ