北海道の秋は足早と言うよりもなくあっという間にやって来ます。時に西に傾く太陽の落ち方は夏とは明らかに違う速度で落ちます。列車が見えたじでんではまだ線路に掛かっていなかった樹影があっという間に伸びて来ました。 ９６，０９，１９ 新得（増田山） ９０７０レ ＲＶＰ（＋１） スキャナー ： Ｎｉｋｏｎ ＣＯＯＬＳＣＡＮ ⅣＥＤ
今年の北海道は雨と、それに関連する河川の氾濫で住宅の流出による住居喪失などの人的被害も甚大ですが、農作物の被害もけた違いに大きく今後玉ねぎやジャガイモも品薄、高騰が懸念されます。事実、自宅マンション近くのセブンイレブンではせっかく始めたおでんの具に大根がなく近くに”北海道水害のため大根の入荷は未定です。”と張り紙が出ていましたが大根のないおでんって食堂車の組込まれていないブルートレインみたいなもので”何かが足りない感”がアリアリです。
鉄道も石北線をはじめ根室線や富良野線等に大きな被害が出ていてこれから迎える行楽シーズンに向けて農業ばかりか観光にも大きな影響が懸念されます。いくら車社会の北海道といえども本線が１が月単位で運転を見合わせればそれは経済に大きな影響を与える事が必至です。しかし今のＪＲ北海道にそれだけの社会的使命感があるのでしょうか？とにかく収支の悪い線区を廃止・縮小して経営を立て直す事しか頭にはなく待っている人がいるから一日も早く鉄道を復旧する等とこれっぼっちもない現状に嘆かわしく、また怒りを抱くのは私だけではないと思います。華やかな話題の影に隠れて話題にもなりませんがＪＲ北海道が一番力を入れている北海道新幹線そのものが赤字の元凶であることを誰も指摘しようとしません。新幹線の函館延伸は財政的に余裕のあるＪＲ東日本に任せれば良かった事は明白です。そうすれば青函トンネル内のダイヤ調整も貨物と東が折衝すれば良いわけで話もこじれる事もなく２社にとっても好都合なはずです。将来、函館から札幌まで延伸したあかつきにはＪＲ北海道の経営にすれば良いと思うのは私だけではないと思います。今回の災害復旧の一番の障害は財政難です。もし国鉄時代なら国鉄本社から幹部が乗り込んで現地対策本部を立ち上げ、本社決済で資金を調達した上で資材を全国からかき集め運転再開に向けて国鉄の名に懸けて本腰を入れたでしょうが今は・・・改めて国鉄解体・民営化は何だったんだろう？と考え直してしまいます。
今は樹が伸びて雑木林の中にちょっと見える鉄橋ですが当時はまだ視界が広がるロケーションでした。 ９６，０９，２２ 東雲―上川 ９５５７レ ＲＶＰ（＋１） スキャナー ： Ｎｉｋｏｎ ＣＯＯＬＳＣＡＮ ⅣＥＤ
さて、２０年前はＤＦ２００は出現していましたがまだその姿は五稜郭ー札幌貨物ターミナルに限られたものでそれ他の線区では一部で変な色のＤＤ５１もありましたがその大半は原色ＤＤ５１でした。特に秋の農作物収穫時期には富良野線・石北線では臨貨が運転されそれを目当てに復活Ｃ６２の絡めて撮影していました。まだ２０年前だとＤＤ５１を追い掛ける物好きの鉄ちゃんも少なく石北線でも沿線にチラホラ鉄ちゃんの姿を見掛ける程度でした。人知れず石北臨貨を追い掛けていた時代に晩年開拓され発表された撮影地で撮影しておらず、もっとロケハンしておけば良かったと今もってもったいなかったなぁ！と思う次第ですが、あの当時何度となく地元の人から”そんな人の行かない処にいくなら熊には充分注意してネ！”と言われてビビって車でさえ山奥に入るのを憚ったので致し方ない事なのかもしれません。
またＪＲ北海道のＤＤ５１も全盛期と言って過言ではない時代でカシオペア出現前なので”北斗星”は３本体制で、輸送不足を補うために”エルム”も頻繁に運転されていました。これに”トワイライトエクスプレス”や”夢空間”の運転があるとＣ６２を撮りに来たんだかＤＤ５１を撮りに来たんだか本当にわからなくなってしまう事もしばしばでした。
もちろん青いＤＤ５１も活躍していました。この頃”北斗星”もまだ定期３本体制の時代でこれに”トワイライト”や”エルム”の増発があるとほとんど移動できない嬉しい悲鳴を上げている時代でした。もうこの撮影地に立つこともないでしょうねぇ！ ９６，０９，２３ 伊達紋別 ３レ ＲＤＰⅡ（＋１） スキャナー ： Ｎｉｋｏｎ ＣＯＯＬＳＣＡＮ ⅣＥＤ
