家電が壊れると、
私はずいぶん便利な生活をしていたのだと実感する。
今回は洗濯機だから、特にその思いを強くした。
3か月前、少し調子が悪くなったのでメンテナンスをして、
しばらくは大丈夫だと安心しきっていた。
そしてその日は突然やってくる。
我が家はドラム式を好んで使った。
2代目のドラム式は8年、途中修理は2回。
乾燥機能はタオル類だけに使ったが、
ふわふわになるのがお気に入りだった。
ずっと前、縦型を使っていた時、
腰痛がひどいときは腰が曲がらなくて、
底の方まで手が届かなくて苦労した。
それからドラム式になった。
乾燥機能が付いたものが嬉しかった。
壊れやすいという懸念もあったけれど、
絶対に乾燥にこだわりたかった。
そして今回、選んだのは縦型のもの。
乾燥機能はついているが、
仕上がりについてはドラム型より劣る。
いろいろ検討した結果だ。
こだわりには妥協を、
良い面をみつけること。
これからはこのピンク色の洗濯機と長い付き合いになるだろう。
ただ洗濯機を選ぶだけで、
人に聞いたり、メーカーにも確認したり、
悩んで、ものすごく考えて、
一つの物語ができそうなくらいだった。
きっとそのうち、
始めからそこにあったかのように、
当たり前に使っているのだと思う。
ちょっと疲れた心に、
実家近くの土手で、美しく咲く彼岸花。
こんなに懐かしく、
深呼吸できる場所があったとは。
みきほ