在宅での看取りまでの過程は
在米中始めたホスピス研修で感じたことを
思い起こさせてくれました。
なぜ、日本では、在宅で自然に亡くなっていくことが難しいのか・・と。
今から15年ほど前のことですから
今でこそ在宅という言葉が普通に通じるようになっていますが
当時の日本は、ホスピスも少なく
病院で最期まで過ごすのがあたりまえのような時代でした。
アメリカもまだ、緩和ケアは後進国でした。
9割が在宅ホスピスで、医療費政策に影響を受けていました。
ただ、そうした社会的なことはさておき
自然なありのままの人の生き死にが
普通に、目の前に繰り広げられていました。
自宅で療養する母を娘は支えながら
母の病状を肌で感じ
医療スタッフから説明されるまでもなく
母の命を実病態に乖離することなく
感じ取っていました。
ケアをしながら
母の体と対話を続ける様子が描かれています。
自然に、人が生をまっとうしていく様はどのようなものなのか
この本を読み終わったときに
多分、多くの人がこんな風な最期なら
幸せだと感じるのではないでしょうか。
訳者は、これを介護文学として分類していますが
私は、賛成ではありません。
是非、多くの方に読んでみて頂きたいと願っています。